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第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編
第98話 動揺
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「ど、どうしよう風間さん。妹が、紅葉が」
テレビから流れてきた緊急ニュースを目にし、秋月も狼狽してしまっていた。青ざめた顔をしていて放って置くと倒れてしまうんじゃないかと心配になる。
「おい、今のどういうことだ?」
「妹といっていたが、まさかこのニュースの?」
「ダンジョンに巻き込まれたのって秋ちゃんの妹ちゃんなの!?」
秋月の様子を見て講習で一緒だった三人も目を丸くさせ聞いてきた。この状況でごまかす意味はないし、俺は静かに首肯してみせる。
すると秋月のスマフォが鳴った。
「お父さん――」
どうやら秋月の父親である楓からの着信のようだった。俺たちの事を気にする秋月に俺は頷いて見せる。こんな事態なのだから遠慮している場合ではないよな。
「ちょっとごめんね……」
秋月が席を立って離れながらスマフォを耳に当てた。他のお客さんのことを考えて迷惑にならないよう移動したのだろう。
「さっきのニュースだと小学校の遠足と言っていたよな?」
「そうなんだ。彼女の妹の紅葉ちゃんはまだ小学生だから」
「まさか、そんな幼い子がダンジョンだなんて」
「モンスターがいたらヤベェじゃねぇか……」
「クゥ~ン……」
「ピキィ~……」
「マァ~……」
中山も愛川も熊谷もそしてモコ、ラム、マールも心配そうな顔を見せていた。特にモコたちは紅葉と会っていて懐いていたから尚更だろう。
「ごめんね……実は妹がダンジョン災害に巻き込まれてしまって」
「今、風間から聞いたよ」
「うむ……まさかこんなことになるとは」
「心配だよね――」
三人が声を掛けると秋月がギュッと拳を握りつつ笑顔を見せた。
「心配かけちゃったね。今お父さんから連絡があって、冒険者ギルドも色々動いてくれているみたい」
秋月が皆にそう話した。だけど取り繕ったような笑顔と肩の震えから、状況が芳しくないのが想像できた。
「――秋月、俺ちょっと現場に行ってくるよ」
「えッ!?」
俺が自分の考えを示すと、秋月が驚きの声を上げた。
「陽輝山なら何度か登ったことあるから地理感もあるし、さっきのニュースでチラッと発生位置が出ていたから場所も想像つく」
「そんな危険だよ!」
秋月が不安そうな顔を見せた。確かに危険かもしれない。だけど秋月の妹のことは俺もよく知っているし、このまま指を咥えて見ているなんて出来ない。
「風間。お前まさか一人だけで格好つける気じゃないだろうな?」
「え?」
「うむ。ダンジョンに向かうなら仲間が大いに越したことはないだろう?」
「うん! 私たちだって正式に冒険者になれたんだしね!」
「ワン!」
「ピキィ~!」
「マァッ!」
中山や熊谷、モコたちも気合い十分な返事を聞かせてくれた。愛川も真剣な顔を見せている。
「皆、本当にいいのか?」
「「「「勿論!」」」」
「ワン!」
「ピキッ!」
「マッ!」
俺が確認すると皆が真剣な目で答えてくれた。なんだか胸が熱くなったぞ。
「待って皆。そんな危険なこと頼めないよ」
「大丈夫。俺たちだって無茶する気はないさ。巻き込まれた皆を見つけたら脱出を優先させるよ」
「でも――」
「それに、もしかしたら行ったらもう解決してるかもしれないしね」
「うむ。とにかく行くだけ行ってみようではないか」
「あぁ、話はそれからだ!」
「皆、ありがとう――」
こうして話がまとまり、俺たちはダンジョンの発生地に向かうことにした――
テレビから流れてきた緊急ニュースを目にし、秋月も狼狽してしまっていた。青ざめた顔をしていて放って置くと倒れてしまうんじゃないかと心配になる。
「おい、今のどういうことだ?」
「妹といっていたが、まさかこのニュースの?」
「ダンジョンに巻き込まれたのって秋ちゃんの妹ちゃんなの!?」
秋月の様子を見て講習で一緒だった三人も目を丸くさせ聞いてきた。この状況でごまかす意味はないし、俺は静かに首肯してみせる。
すると秋月のスマフォが鳴った。
「お父さん――」
どうやら秋月の父親である楓からの着信のようだった。俺たちの事を気にする秋月に俺は頷いて見せる。こんな事態なのだから遠慮している場合ではないよな。
「ちょっとごめんね……」
秋月が席を立って離れながらスマフォを耳に当てた。他のお客さんのことを考えて迷惑にならないよう移動したのだろう。
「さっきのニュースだと小学校の遠足と言っていたよな?」
「そうなんだ。彼女の妹の紅葉ちゃんはまだ小学生だから」
「まさか、そんな幼い子がダンジョンだなんて」
「モンスターがいたらヤベェじゃねぇか……」
「クゥ~ン……」
「ピキィ~……」
「マァ~……」
中山も愛川も熊谷もそしてモコ、ラム、マールも心配そうな顔を見せていた。特にモコたちは紅葉と会っていて懐いていたから尚更だろう。
「ごめんね……実は妹がダンジョン災害に巻き込まれてしまって」
「今、風間から聞いたよ」
「うむ……まさかこんなことになるとは」
「心配だよね――」
三人が声を掛けると秋月がギュッと拳を握りつつ笑顔を見せた。
「心配かけちゃったね。今お父さんから連絡があって、冒険者ギルドも色々動いてくれているみたい」
秋月が皆にそう話した。だけど取り繕ったような笑顔と肩の震えから、状況が芳しくないのが想像できた。
「――秋月、俺ちょっと現場に行ってくるよ」
「えッ!?」
俺が自分の考えを示すと、秋月が驚きの声を上げた。
「陽輝山なら何度か登ったことあるから地理感もあるし、さっきのニュースでチラッと発生位置が出ていたから場所も想像つく」
「そんな危険だよ!」
秋月が不安そうな顔を見せた。確かに危険かもしれない。だけど秋月の妹のことは俺もよく知っているし、このまま指を咥えて見ているなんて出来ない。
「風間。お前まさか一人だけで格好つける気じゃないだろうな?」
「え?」
「うむ。ダンジョンに向かうなら仲間が大いに越したことはないだろう?」
「うん! 私たちだって正式に冒険者になれたんだしね!」
「ワン!」
「ピキィ~!」
「マァッ!」
中山や熊谷、モコたちも気合い十分な返事を聞かせてくれた。愛川も真剣な顔を見せている。
「皆、本当にいいのか?」
「「「「勿論!」」」」
「ワン!」
「ピキッ!」
「マッ!」
俺が確認すると皆が真剣な目で答えてくれた。なんだか胸が熱くなったぞ。
「待って皆。そんな危険なこと頼めないよ」
「大丈夫。俺たちだって無茶する気はないさ。巻き込まれた皆を見つけたら脱出を優先させるよ」
「でも――」
「それに、もしかしたら行ったらもう解決してるかもしれないしね」
「うむ。とにかく行くだけ行ってみようではないか」
「あぁ、話はそれからだ!」
「皆、ありがとう――」
こうして話がまとまり、俺たちはダンジョンの発生地に向かうことにした――
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