素直になっていいの?

詩織

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運動会

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あのあと

「ゆっくりでいいから、俺のこと考えてくれないか?」

そう言って話は終わり、それからは何事もなかったように今まで通り変わらずだった。



久々に陽菜ちゃんからLINEが来た

〈来月の運動会うちの旦那楽しみにしまくってさ、あるのに新しいビデオ買っちゃたよー!まだ先なのに気が早くって困るわ(^_^;) よければ運動会一緒にいこー〉

そっかぁー、陽菜ちゃんは旦那さんと来るのか

陽菜ちゃんところは、旦那さんと仲いいもんな


実は少しためらってた。葉山君に言った方がいいのか、言えば来てくれるかもだけど、今まで陽菜ちゃんには葉山君の話をほとんどしたことがない。

だからしばらくはシングルマザーだと思われてた。

なんとなく今までは、参観日とか言えず私が行っていた。多分どっかで和真を取られる恐怖があったのかもしれない。

「話があるんだけど」

夕飯終えたあと、葉山君は和真とお風呂入ろうと準備してた

「どうしたの?」

「あのね、来月幼稚園の運動会があるの」

「おおお!運動会か!和真楽しみだな」

「うん」

和真は人見知りでこの家にきてしばらくは、葉山君のことを、おじさんと呼んでた。

最近になってお父さんと呼ぶようになった。初めて呼ばれたときはしばらくは放心状態でどんなに声かけても反応がなかった。

「もしよければなんだけど、一緒にこれないかな?運動会」

「行っていいの?」

子供の行事に参加出来るとは思ってなかったようで、

「葉山君さえよければ、あとその幼稚園でママ友がいて一緒にいこーて言われてて」

「そーなんだ」

「もしかしたら。綱引きとか親子でリレーとか参加になるかもしれないけど、それでもい?」

「そんなのいいに決まってるだろ!」

「和真!お父さんかっこいいところみせてやるぞ!!」

「うん!!」

やったー!!と喜んで葉山君に抱きついてる。

「だったら、そろそろやめないか?」

「え?」

「その、葉山君は」

「おかしいでしょ?ママ友の前で葉山君は」

確かに…、でも

「なんて言えば」

「子供がいれば、お父さんでもパパでもいいんじゃない?」

それが無難と言えば無難か

「でも、俺は拓真と呼ばれたい」

この運動会の話の出来事がきっかけに、少しずつ会話が出来るようになった。





「おはよー!陽菜ちゃん、久しぶり!!」

「加奈さん元気だった?」

「元気だよー!お互い仕事もしちゃったからねー、なかなか会えないよねー」

幼稚園の近くで待ちあわせして、場所取りしたく、早めに待ちあわせした

「こういうのってさ、親のが張り切るんだよねー」

「そそ、それわかる」

子供たちも旦那さんも後からくる

葉山君も一緒に行こうか?と言われたが、和真を連れてきてほしいので、一緒にきてと頼んでおいた。

陽菜ちゃんと、最近の出来事を話しながら幼稚園に到着し、やっぱり場所とりで早く来てる人多い。1番前にはならなかったけど、それなりに見やすいところ確保できた。

「陽菜ちゃんの旦那さん、1度ちらっとみた程度だからなー、話したこともないし楽しみだわ」

「加奈さんって旦那さんのこと話さないから謎すぎるよ!どんな人か想像膨らみまくってるわ」

1時間近く二人で色々話してたころ、ようやく子供達が登園。

先についたのは、陽菜ちゃんの旦那さんと美優ちゃんだった

「いつも妻がお世話になってます。」

背が高く、すらっとしたスタイルで顔は面長で、キリッとした感じの若いパパさんだ

「こちらこそ、いつも色々お世話になってます。吉井といいます」

軽く頭をさげ、挨拶した。

旦那さんはもうビデオカメラを構え、どっから撮るか考えていた

「よし君、まだ早いって」

陽菜ちゃんは、呆れたように言う。


二人のやりとりが微笑ましく、仲がいいのが見るからに解る。


運動会か始まる15分前になっても、葉山君と和真は来ない

「どうしたんだろ?旦那さんと和真君、そろそろ集合かかるよね?」

さすがに少し焦り、電話しようとしたとき

「ごめん!遅くなった」

葉山君と拓真がやっときた。

「和真、お腹痛いとか言い出して、楽しみにしてた分緊張してたようで」

「そーなの?和真お腹は?」

「もう、痛くない」

「そっか、もう先生が集まってて言ってるから、早く行きなさい」

和真は、走ってみんなのところに行った

「すいません。ギリギリで。はじめまして!和真の父です。いつも和真と加奈がお世話になってます」

葉山君は、陽菜ちゃんと陽菜ちゃんの旦那さん挨拶をした。

しばらく、陽菜ちゃんは言葉が出ず

「いや、いつも加奈さんに色々愚痴とかきいてもらって助かってます。私の方がお世話になりっぱなしで」

そんな話をしてたら、開会式が始まるとアナウンスがあり、陽菜ちゃんの旦那さんがカメラを持って近くに行こうとしたとき

「ご一緒いいですかね?」

と、葉山君もビデオカメラを取り出して言ったので、一緒に前の方に行ってしまった。

「ちょっと、加奈さん、なにあれ?イケメンすぎでしょ?俳優か何かしてるの?」

「いやいや、普通の…」

あ、普通じゃなかった。

お互いの旦那さんの挨拶から始まり、あとは旦那さんがビデオカメラ、奥さんがスマホかデジカメで撮る。どこも同じ感じだった

和真がリレーで1位取ったときは葉山君大喜びしてた。美優ちゃんは3位だったけどダンスがとても上手くって際立ってた。

お昼になり、朝4時から作ってたお弁当を出した。

「和真の好きなもんばっかやん」

「ヤッタァー!」

卵焼き、ウインナー、ハンバーグ、肉団子、唐揚げ、何故かレンコンの煮物。和真の好きなのばかりだった。

午後からは父兄も参加する競技がいくつかあり、葉山君は子供と二人三脚する障害物と、父兄だけが参加する綱引きに参加することになった。

葉山君が嬉しそうにやってるのをみてて、声かけてよかったんだなとほっとしてる

そして、私は…勇気をだしてみた。

二人三脚は1位になったが、綱引きでは負けてしまい

「あー、もう少しだったのになー」

と、悔しそうに戻ってきた

「拓真、お疲れ様」

少し緊張した。でも今日の葉山君に言ってみたかった。

しばらく、え?って顔したが、陽菜ちゃんも旦那さんも近くにいたので、そこまで驚くことも出来ず

「来年がんばるわ!」

と、来年の話をしたので、私も陽菜ちゃんも旦那さんも笑ってた

何とか運動会も終わり、片付けて帰ろうとしたら

「今度さ、ホームパーティーしない?」

と、陽菜ちゃんが言い出した。続けて旦那さんが

「あ、いいね!うちは転勤で周りに知り合いも居ないので、そういうのしてくれたら、もっと交流もできて嬉しいです」

「是非やりましょう!!まだ友達が少ないのでこちらも嬉しいです」

葉山君もそう答えて、解散となった



和真は、葉山君におんぶされて眠ってた

緊張してたのかもしれない。

「ねぇ、もう一回言って?」
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