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信じられない告白
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「今日は色々助かりました。ありがとうございます」
和真の面倒から私の着付け、メイク、ヘアまで全て準備してくれた。
「いえいえ、拓の大事な奥様ですもん。全然ですよ」
本当は違うのに、でも表向きは仲いいほうがいいんだろうな
「あの着物脱ぎますので、少しお待ち下さい」
「え?それ、加奈さんのですよ」
え?どういうこと?
「ちょっと拓、加奈さんに言ってないの?」
葉山君は、バツが悪そうに着替えてくると寝室の方に行ってしまった。
「あのー」
「その着物、拓が加奈さんのために用意したんのよ。サプライズでもする気だったのかしら?て、言ってよかったのかしら?私」
葉山君が私のために?
でも副社長夫人のお披露目もあったんだし、このくらい豪華な着物じゃないとか…
「それにしてもほんと拓て加奈さんにべた惚れなのねー、ビックリしたわ!」
はぁ?
「うちの加奈は、うちの加奈は、ってそりゃもう惚気話よ」
へ?
「この間もねぇー」
「おい!愛華!!用が済んだんなら遅いから帰れ!」
ドン!!とリビングのドアが開き、いつもより声が大きくてビクッとした。
「はいはい、解りました。じゃまたねー加奈さん」
そう言って、愛華さんは帰って言った。
和真は既に部屋で寝てる。
リビングには、2人たけ。
こういう間があるときは、いつも和真がいて助けられてた。
「あ、あの着物高かったでしょ?ほんとすいません。そこまで準備はこっちがするべきなのに」
そう言っても返事はこない。
顔は合わせず、でも何か言いたげで
「私も着替えてくるかな。戻ったらお茶でも入れますね」
自分の部屋に行こうとしたら腕を捕まれ
すぐに離し、葉山君はキッチンに行って、ウィスキーをロックで2杯一気に飲んだ
「ちょ、ちょと…」
あまりお酒が強くなかったはず、それなのに急に
「俺、ヘタレだから酒の力で勢いないと無理なんだ」
そう言って、目の前に戻ってきた
「加奈、綺麗だよ」
じっと目を見て言われた
「愛してる!嘘でない!今までの俺のことを知ってるから信用できないのも知ってる。子供と別れたくないから俺と結婚しようとしたのも知ってる。それでも俺と一緒に居てくれるなら構わないと思った」
少し寂しそうな顔になって
「籍は入って俺のものになっても、心が俺のものになってない。加奈の全てが欲しいんだ。これからゆっくりでもいいから、俺のこと愛してくれないか?」
思考が停止してた。
言葉が出ない。
でも、何か言わないと
「でもあのー、彼女は?」
「彼女?」
「よく香水の香りがして帰ってきてたから。彼女いるんでしょ?」
帰ってくるとだいたい香水の香りがしてた。知らない振りして、もし言ったらここに居られないかも。和真と別れるかもと思ってしまって言えなかった。
「よくわからんが、彼女とか居るわけない。接待がない限りいつも真っ直ぐ帰ってるけど」
「え?でも…」
葉山君は少し考えて
「もしかしたら秘書のか?そういえば1人無性に香水つける人がいて、一緒に車とか乗ると車中香水臭くって、あまり一緒にいたくないなとは思ったことがあるな。でも仕事出来る人なんで助かるんだけど、そういうのはなかなか注意が難しいな」
少しため息して
「…そう見られてたのか。誤解されない為にも傷つけないように注意してみるよ」
「いやあのー」
「俺は加奈がいなくなったとき、すぐには加奈が大切な人だと気づかなかった。社内で妊娠してる加奈を街で見た話をきいて、それから加奈のことばかり考えてた。そして俺の子だと確信した。すぐに行こうとしたが、散々割り切ったような付き合いをしてて急に来られても困るよな」
確かに、あの付き合いだと浮気相手か、セフレレベルしか思えない。
「会いに行って、加奈に会いたくない!来ないで!と言われるが怖かったから行けなかった」
少し不安そうな目をして
「その会えない気持ちをずっと仕事にぶつけてた。もう女なんかいらない。忘れることが出来ない人に会いにも行けずヘタレすぎる」
「葉山君…」
「もう一生独身でもいいや!と思ったとき、鳥井さんから連絡がきた。倒れたって。このままだと加奈は死んじゃうって」
私に触ろうとした手を、触れようとして、でも引っ込めてしまった。
「ずっと加奈って呼びたかった。抱きしめたかった。キスしたかった。抱きたかった。」
どうしよう、ビックリして何言っていいか…
でも2つ聞きたいことがあった
「2つ聞きたいこがあるの」
「なに?」
「お義父さんが具合が悪くなったこと、なんで教えてくれなかったの?仕事の内容ならとかく、私じゃ頼りなかった?」
「そうじゃない!親父に言われたんだ。まだたいしたことでないから加奈に言うなって。加奈に心配されたくないって。今まで身体削って働いてたから自分のことだけ考えて欲しいって」
お義父さんとはほとんど話したことないけど、私のこと思ってくれたことに有り難い気持ちでいっぱいになった
「もう1つは?」
「田上さんはどうなったの?彼女本当に葉山君のことずっと好きだったと思う」
「昔から近くにいて、身体の関係がなかった訳ではない。付き合ってるかと言ったら曖昧だった。それでもこのままズルズルといったら親同士が公認して結婚するんだろうなくらいは思ってた」
田上さんのことはずっと気になってた。本当は私でなく田上さんが奥さんだったはずだから
「彼女には長いことズルズルと曖昧な関係をして申し訳ないことをした。結婚する気がないことを告げて謝罪した。しばらくは何度も話し合おうと言って話し合ったが、俺は…加奈が忘れられなかった」
和真の面倒から私の着付け、メイク、ヘアまで全て準備してくれた。
「いえいえ、拓の大事な奥様ですもん。全然ですよ」
本当は違うのに、でも表向きは仲いいほうがいいんだろうな
「あの着物脱ぎますので、少しお待ち下さい」
「え?それ、加奈さんのですよ」
え?どういうこと?
「ちょっと拓、加奈さんに言ってないの?」
葉山君は、バツが悪そうに着替えてくると寝室の方に行ってしまった。
「あのー」
「その着物、拓が加奈さんのために用意したんのよ。サプライズでもする気だったのかしら?て、言ってよかったのかしら?私」
葉山君が私のために?
でも副社長夫人のお披露目もあったんだし、このくらい豪華な着物じゃないとか…
「それにしてもほんと拓て加奈さんにべた惚れなのねー、ビックリしたわ!」
はぁ?
「うちの加奈は、うちの加奈は、ってそりゃもう惚気話よ」
へ?
「この間もねぇー」
「おい!愛華!!用が済んだんなら遅いから帰れ!」
ドン!!とリビングのドアが開き、いつもより声が大きくてビクッとした。
「はいはい、解りました。じゃまたねー加奈さん」
そう言って、愛華さんは帰って言った。
和真は既に部屋で寝てる。
リビングには、2人たけ。
こういう間があるときは、いつも和真がいて助けられてた。
「あ、あの着物高かったでしょ?ほんとすいません。そこまで準備はこっちがするべきなのに」
そう言っても返事はこない。
顔は合わせず、でも何か言いたげで
「私も着替えてくるかな。戻ったらお茶でも入れますね」
自分の部屋に行こうとしたら腕を捕まれ
すぐに離し、葉山君はキッチンに行って、ウィスキーをロックで2杯一気に飲んだ
「ちょ、ちょと…」
あまりお酒が強くなかったはず、それなのに急に
「俺、ヘタレだから酒の力で勢いないと無理なんだ」
そう言って、目の前に戻ってきた
「加奈、綺麗だよ」
じっと目を見て言われた
「愛してる!嘘でない!今までの俺のことを知ってるから信用できないのも知ってる。子供と別れたくないから俺と結婚しようとしたのも知ってる。それでも俺と一緒に居てくれるなら構わないと思った」
少し寂しそうな顔になって
「籍は入って俺のものになっても、心が俺のものになってない。加奈の全てが欲しいんだ。これからゆっくりでもいいから、俺のこと愛してくれないか?」
思考が停止してた。
言葉が出ない。
でも、何か言わないと
「でもあのー、彼女は?」
「彼女?」
「よく香水の香りがして帰ってきてたから。彼女いるんでしょ?」
帰ってくるとだいたい香水の香りがしてた。知らない振りして、もし言ったらここに居られないかも。和真と別れるかもと思ってしまって言えなかった。
「よくわからんが、彼女とか居るわけない。接待がない限りいつも真っ直ぐ帰ってるけど」
「え?でも…」
葉山君は少し考えて
「もしかしたら秘書のか?そういえば1人無性に香水つける人がいて、一緒に車とか乗ると車中香水臭くって、あまり一緒にいたくないなとは思ったことがあるな。でも仕事出来る人なんで助かるんだけど、そういうのはなかなか注意が難しいな」
少しため息して
「…そう見られてたのか。誤解されない為にも傷つけないように注意してみるよ」
「いやあのー」
「俺は加奈がいなくなったとき、すぐには加奈が大切な人だと気づかなかった。社内で妊娠してる加奈を街で見た話をきいて、それから加奈のことばかり考えてた。そして俺の子だと確信した。すぐに行こうとしたが、散々割り切ったような付き合いをしてて急に来られても困るよな」
確かに、あの付き合いだと浮気相手か、セフレレベルしか思えない。
「会いに行って、加奈に会いたくない!来ないで!と言われるが怖かったから行けなかった」
少し不安そうな目をして
「その会えない気持ちをずっと仕事にぶつけてた。もう女なんかいらない。忘れることが出来ない人に会いにも行けずヘタレすぎる」
「葉山君…」
「もう一生独身でもいいや!と思ったとき、鳥井さんから連絡がきた。倒れたって。このままだと加奈は死んじゃうって」
私に触ろうとした手を、触れようとして、でも引っ込めてしまった。
「ずっと加奈って呼びたかった。抱きしめたかった。キスしたかった。抱きたかった。」
どうしよう、ビックリして何言っていいか…
でも2つ聞きたいことがあった
「2つ聞きたいこがあるの」
「なに?」
「お義父さんが具合が悪くなったこと、なんで教えてくれなかったの?仕事の内容ならとかく、私じゃ頼りなかった?」
「そうじゃない!親父に言われたんだ。まだたいしたことでないから加奈に言うなって。加奈に心配されたくないって。今まで身体削って働いてたから自分のことだけ考えて欲しいって」
お義父さんとはほとんど話したことないけど、私のこと思ってくれたことに有り難い気持ちでいっぱいになった
「もう1つは?」
「田上さんはどうなったの?彼女本当に葉山君のことずっと好きだったと思う」
「昔から近くにいて、身体の関係がなかった訳ではない。付き合ってるかと言ったら曖昧だった。それでもこのままズルズルといったら親同士が公認して結婚するんだろうなくらいは思ってた」
田上さんのことはずっと気になってた。本当は私でなく田上さんが奥さんだったはずだから
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