大好きな背中

詩織

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偶然の再開!

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企画部に配属されてからは、客先と打ち合わせすることも多くなって、そんな打ち合わせ先で

「あっ」

と、声を出した方をみると

「お義姉さん!?」

「透子さん…」

客先の相手がまさかの万理さんだった。

少しぎこちない打ち合わせをして

「透子さん、…もしお昼予定なければご一緒でも?」

ぎこちないお誘いだったが一緒にランチをした。

「まさか、企画の課長さんが来るとは聞いてたけど、透子さんだなんて」

「私もビックリしました」

お義姉さんとは、あの春樹さんとキスした時以来。

「元気だった?」

「はい。お義姉さんも元気そうですね」

「うん。春樹と会ったってきいて」

「はい。お義姉さんと一緒にいることが出来ると報告してくれました。」

「そう…、透子さん本当にごめんなさい。謝ってすむことじゃないけど」

と、頭を下げられた。

「いえ、もうすんだことですし、お二人は元々好きあってたわけですから」

「私達がしっかりしてれば、こんなことにはならなかったのよね」

悲しい顔をして言われると…、今の私には恨むことはまったくなかった。

ランチの時間が終わって

「じゃ、またお仕事でよろしくお願いします」

と、挨拶して別れた。


ちょっとビックリしたな。まさか…とは思ったが…

これからは、ビジネスとしてお付き合いをするわけだから、切り替えていかないと



「なに?今日なにかあったの?」

家に帰って少し様子のおかしい私をみて言ったので、お義姉さんの話をした。

「そのお義姉さんがもしかして、元旦那さんの好きな人?」

「え?」

「いや、なんかそんな気がしたから」

「…うん、そう。お互い相思相愛なんだよね。でも周りを気にして一緒になれなかったみたい」

「そっか」

「少し辛いな、仕事とはいえ」

「私には悠人がいるもん。全然だよ」

と、言うと悠人が笑顔になって

「俺も透子いるから」

幸せだな、悠人とこうやって居られるの。

悠人をギュッと抱きしめて、チュッとキスをすると

「そんな、可愛いことするなよ!!」

と言って、深いキスが始まった。





「最近、なんだろ?よくわかりませんが…」

「え?」

なに?

仕事中、少し休憩して珈琲のんでたら、部下から声かけられた。

「課長から幸せオーラみたいなのが…」

「えっ!?」

うそ!どんなオーラ?

「あっ、私も思いました。今までにないオーラを感じます」

「えっ!?」

どんなオーラしてるの?私

「課長、恋人でもできました?」

既に離婚してるのも知られてるし、よく飲みにも行く関係の部下たちなので、最近はよくガンガン突っ込まれる。

「絶対いますよね?」

もう、悠人は婚約者だし隠しても時期にバレるから

「…いるよ」

「「おおおお!!」」

って、そんなにみんな驚くところ?聞いといて

「どんな人ですか?」

と、突っ込む彼らに

「もう、休憩おしまい!今日中にさっきお願いしたの終わるの?エンジンかけて今日中に皆で終わらせよう」

と言って、仕事に切り替えさせた。

私ってそんなにわかりやすいのかな?

以前も聞かれた気がしたが…

でも悠人とまたこういう関係になれたのはほんと、奇跡みたいな感じだし、やっぱり幸せな顔でちゃつかもなー

と、考えながらも手は止めず仕事に気持ちを切り替えた。

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