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出来ないじゃない、出来るようになれ。
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全て自分がしたことの結果なのに、被害者面して悲観するエリオットが心底鬱陶しい。
こちらがそう仕向けたという後ろめたさはあるが、彼がキャサリンに手を出したという事実は変わらない。
未婚の令嬢を傷物にしたのならその責任を取らないでどうするのか。
「傷物になった以上、あなたが貰わなければキャサリン様は修道院に行くしかありませんよ? 可哀想だと思わないのですか?」
「でも……キャサリンに侯爵夫人なんて無理だ。今日会ってみて、いやでもそれを思い知らされた」
「ああ、レストランでまるで子供みたいに大声で泣き喚いたんですよね? それで従業員に退店を促されたとか……」
「えッ!? ど、どうして君がそれを……?」
「どうしてって……あなた、あのレストランのオーナーが誰か知らないのですか?」
「は? オーナー? …………あッ!」
自分が利用したレストランのオーナーが誰かということを今更ながら思い出し、エリオットの顔面は青を通り越して白くなった。
「その様子だとお気づきのようですね。そうです、あのレストランは公爵様所有のものです」
セシリアがちらりと公爵に視線を向けると彼は深いため息をつき、口を開いた。
「……貴様とあの小娘の恥さらしな言動を店の者が儂のもとへと知らせにきた。それを耳にしたときの驚きといったら、儂は気を失いそうになったわ」
レストランの従業員からエリオットの連れの女が騒ぎを起こしたと聞いた公爵は卒倒しそうになった。
連れの女と聞いて、最初は甥の妻セシリアのことかと思った。しかし、特徴を聞くうちにそれがキャサリンだと判明し、怒りで頭が沸騰しそうになり、勢いのまま侯爵邸を訪れたというわけである。
「本当はもっと貴様を説教する予定だったが……最早そんな気も失せた。どうせ今何を言っても愚かなお前は聞きやしない。それよりも再教育を施し、如何に自分の行動が愚かだったかを自覚させた方が効果的だ。それに、セシリア嬢が言ったように未婚の令嬢に手出ししたら、責任をとって娶るしかない。手出しをしておいて責任も取らぬとなれば、未婚の令嬢を弄んだと貴様の名誉は地に落ちる。ただでさえ評判が悪いというのに、これ以上落としては家門の恥だ。潔く責任をとれ」
「でも、キャサリンに侯爵夫人は務まりません……。セシリアのように当主の代わりに采配してくれるとはとても……」
「……逆に問おう、ならば貴様は小娘をどうするつもりだったのだ? 娶る気もないくせに純潔を奪うなどゲスの極みだぞ。ガーネット侯爵家当主としてあるまじき行為だ。奪うだけ奪って捨てるつもりだったのか?」
「違います! キャサリンはその……正妻じゃなくて、第二夫人にしようかと……」
「第二夫人だと? 何を馬鹿なことを言っている……。第二夫人を持つ条件は正妻に三年以上子が出来ない場合に限られると知らぬのか? 新婚早々第二夫人など持てるわけがなかろう」
「ええッ!?」
エリオットが目を丸くして驚いているのを見て、セシリアは呆れを隠せなかった。
そんなことも知らないのか、と。
「言っておきますけど、私と婚姻を継続したまま三年待った後にキャサリン様を第二夫人として迎えるというのは認めません。そんな時間の無駄に付き合う気は毛頭ありませんから。どうぞ、私と離婚してキャサリン様を正妻にお迎えください」
先回りしてキャサリンが第二夫人となる道を潰すと、エリオットの表情はみるみる崩れ、再び今にも泣き出しそうな顔になった。馬鹿馬鹿しい。そんな馬鹿げたことに付き合ってこちらに何の利益があるというのか。
「だが……キャサリンには無理だ! とても侯爵夫人など務まらない! 彼女に君のように采配を振るうことは不可能だ……」
「不可能、ではありません。出来ないというなら、出来るようになるまで徹底的に教育を施すまでです。彼女もエリオット様の寵愛を受けたのなら、その覚悟を持ってもらわねば困ります」
キャサリンには侯爵夫人は務まらない。だからセシリアとは離婚しない。
などという展開に誰がさせるかと、一歩も引くつもりがない姿勢でセシリアはエリオットを見据えた。
こちらがそう仕向けたという後ろめたさはあるが、彼がキャサリンに手を出したという事実は変わらない。
未婚の令嬢を傷物にしたのならその責任を取らないでどうするのか。
「傷物になった以上、あなたが貰わなければキャサリン様は修道院に行くしかありませんよ? 可哀想だと思わないのですか?」
「でも……キャサリンに侯爵夫人なんて無理だ。今日会ってみて、いやでもそれを思い知らされた」
「ああ、レストランでまるで子供みたいに大声で泣き喚いたんですよね? それで従業員に退店を促されたとか……」
「えッ!? ど、どうして君がそれを……?」
「どうしてって……あなた、あのレストランのオーナーが誰か知らないのですか?」
「は? オーナー? …………あッ!」
自分が利用したレストランのオーナーが誰かということを今更ながら思い出し、エリオットの顔面は青を通り越して白くなった。
「その様子だとお気づきのようですね。そうです、あのレストランは公爵様所有のものです」
セシリアがちらりと公爵に視線を向けると彼は深いため息をつき、口を開いた。
「……貴様とあの小娘の恥さらしな言動を店の者が儂のもとへと知らせにきた。それを耳にしたときの驚きといったら、儂は気を失いそうになったわ」
レストランの従業員からエリオットの連れの女が騒ぎを起こしたと聞いた公爵は卒倒しそうになった。
連れの女と聞いて、最初は甥の妻セシリアのことかと思った。しかし、特徴を聞くうちにそれがキャサリンだと判明し、怒りで頭が沸騰しそうになり、勢いのまま侯爵邸を訪れたというわけである。
「本当はもっと貴様を説教する予定だったが……最早そんな気も失せた。どうせ今何を言っても愚かなお前は聞きやしない。それよりも再教育を施し、如何に自分の行動が愚かだったかを自覚させた方が効果的だ。それに、セシリア嬢が言ったように未婚の令嬢に手出ししたら、責任をとって娶るしかない。手出しをしておいて責任も取らぬとなれば、未婚の令嬢を弄んだと貴様の名誉は地に落ちる。ただでさえ評判が悪いというのに、これ以上落としては家門の恥だ。潔く責任をとれ」
「でも、キャサリンに侯爵夫人は務まりません……。セシリアのように当主の代わりに采配してくれるとはとても……」
「……逆に問おう、ならば貴様は小娘をどうするつもりだったのだ? 娶る気もないくせに純潔を奪うなどゲスの極みだぞ。ガーネット侯爵家当主としてあるまじき行為だ。奪うだけ奪って捨てるつもりだったのか?」
「違います! キャサリンはその……正妻じゃなくて、第二夫人にしようかと……」
「第二夫人だと? 何を馬鹿なことを言っている……。第二夫人を持つ条件は正妻に三年以上子が出来ない場合に限られると知らぬのか? 新婚早々第二夫人など持てるわけがなかろう」
「ええッ!?」
エリオットが目を丸くして驚いているのを見て、セシリアは呆れを隠せなかった。
そんなことも知らないのか、と。
「言っておきますけど、私と婚姻を継続したまま三年待った後にキャサリン様を第二夫人として迎えるというのは認めません。そんな時間の無駄に付き合う気は毛頭ありませんから。どうぞ、私と離婚してキャサリン様を正妻にお迎えください」
先回りしてキャサリンが第二夫人となる道を潰すと、エリオットの表情はみるみる崩れ、再び今にも泣き出しそうな顔になった。馬鹿馬鹿しい。そんな馬鹿げたことに付き合ってこちらに何の利益があるというのか。
「だが……キャサリンには無理だ! とても侯爵夫人など務まらない! 彼女に君のように采配を振るうことは不可能だ……」
「不可能、ではありません。出来ないというなら、出来るようになるまで徹底的に教育を施すまでです。彼女もエリオット様の寵愛を受けたのなら、その覚悟を持ってもらわねば困ります」
キャサリンには侯爵夫人は務まらない。だからセシリアとは離婚しない。
などという展開に誰がさせるかと、一歩も引くつもりがない姿勢でセシリアはエリオットを見据えた。
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