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プロローグ
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ジュリアーナ姫はロンド王国の至宝である。
それは彼女の可憐な容姿もさることながら、俗世の穢れを知らない清らかな心根がまるで澄んだ輝きを放つ宝石のようであったから。
そんな彼女は16の年に辺境の若き当主から熱烈な求婚を申し込まれる。
彼の名はダニエル・オーガスタ。先の戦の英雄と呼ばれている彼は戦勝の褒美に国王の息女ジュリアーナ姫を望んだ。
ジュリアーナはこの若く美しい貴公子に一目で恋に落ちた。
艶めく漆黒の髪に翡翠の瞳、整った容姿はまるで絵物語から出てきた王子のよう。
彼の姿を見るだけで胸が熱くなり、熱に浮かされたようにその場で求婚を受け入れた。
思えば相手の素性も確かめず、身辺の情報を調査することもせずその場で求婚を受け入れるなんて愚かで危険な行為だ。しかしその時のジュリアーナは美しい貴公子に求婚されるという恋愛物語の一幕のような状況に完全に酔いしれていたのでそのことにまで頭が回らなかった。
あんなにも素敵な男性と甘い新婚生活を送れるのだとジュリアーナは浮かれていた。
だからダニエルが出してきたおかしな提案を何も疑うことなく受け入れてしまった。
それは一か月後に挙式を行いたいという異例の提案。なんと彼は「すぐにでもジュリアーナ姫を妻として迎え入れたい」という理由で異例の速さで結婚を申し出たのだ。
通常の貴族の結婚式は準備期間に一年は要する。
王族の結婚ともなれば招待客を選ぶにしても、挙式会場の準備をするにしても、花嫁衣裳をいちから作成するにしてもかなりの時間を要する。王女と辺境伯の結婚ともなればなおさらだ。
断って当然の案件なのにジュリアーナは愚かにもダニエルに熱烈に求められているという状況にすっかり魅了され、このおかしな提案を受け入れてしまった。そのため花嫁衣裳は既製品を、招待客は身内だけというおよそ王族らしからぬ質素な結婚式をあげることとなる。これには国王夫妻も不満を抱いたものの、愛娘が早く愛する人の妻になりたいと切望していたためしぶしぶ口を噤んだ。
こうして意気揚々とオーガスタ辺境伯家へ嫁いだのだが、ジュリアーナに待ち受けていたのは甘い新婚生活などではない。待っていたのは屈辱に塗れた地獄の日々だった───。
それは彼女の可憐な容姿もさることながら、俗世の穢れを知らない清らかな心根がまるで澄んだ輝きを放つ宝石のようであったから。
そんな彼女は16の年に辺境の若き当主から熱烈な求婚を申し込まれる。
彼の名はダニエル・オーガスタ。先の戦の英雄と呼ばれている彼は戦勝の褒美に国王の息女ジュリアーナ姫を望んだ。
ジュリアーナはこの若く美しい貴公子に一目で恋に落ちた。
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思えば相手の素性も確かめず、身辺の情報を調査することもせずその場で求婚を受け入れるなんて愚かで危険な行為だ。しかしその時のジュリアーナは美しい貴公子に求婚されるという恋愛物語の一幕のような状況に完全に酔いしれていたのでそのことにまで頭が回らなかった。
あんなにも素敵な男性と甘い新婚生活を送れるのだとジュリアーナは浮かれていた。
だからダニエルが出してきたおかしな提案を何も疑うことなく受け入れてしまった。
それは一か月後に挙式を行いたいという異例の提案。なんと彼は「すぐにでもジュリアーナ姫を妻として迎え入れたい」という理由で異例の速さで結婚を申し出たのだ。
通常の貴族の結婚式は準備期間に一年は要する。
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断って当然の案件なのにジュリアーナは愚かにもダニエルに熱烈に求められているという状況にすっかり魅了され、このおかしな提案を受け入れてしまった。そのため花嫁衣裳は既製品を、招待客は身内だけというおよそ王族らしからぬ質素な結婚式をあげることとなる。これには国王夫妻も不満を抱いたものの、愛娘が早く愛する人の妻になりたいと切望していたためしぶしぶ口を噤んだ。
こうして意気揚々とオーガスタ辺境伯家へ嫁いだのだが、ジュリアーナに待ち受けていたのは甘い新婚生活などではない。待っていたのは屈辱に塗れた地獄の日々だった───。
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