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ジュリアーナが選ばれた理由
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まず、ジュリアーナが不可解に思ったのはどうしてダニエルがなぜあんなに結婚を急いだのかということ。
一か月という最低限の婚約期間すら惜しいといった様子で一刻も早くジュリアーナを領地に連れて行きたかったのか。
時戻り前はそこまで熱烈に求めてくれるのかと感動したが、冷静に考えると……いや、冷静に考えなくてもこれは何か裏があるとしか思えない行動だ。仮にジュリアーナを本当に愛しているのであれば事前に迎える準備を整えておくはずなのに、それが何もなされていない。明らかにジュリアーナを軽視している。
こんな簡単なことにすら気づかなかった自分が心底情けない。
おまけに真相は脱力してしまうほどくだらないものだった。
ジュリアーナもダニエルが結婚を急いだ理由に心当たりはあったのだが……まさかそんなはずはないと思っていた。何故ならそれはとても成人した人間が考えるような代物ではなかったからだ。
時戻り前、監禁された邸の門番が話していた「愛人の子をジュリアーナの子として公表する」という実に馬鹿げた企み。時戻りをした後、ジュリアーナはまさかこれが結婚を急いだ理由かと考えたがあまりにも有り得ないのでこれは違うだろうと思っていた。
ジュリアーナがダニエルと初めて会ったのは求婚されたあの日だ。
それ以前に彼と会ったことはない。
嫁入り後監禁されていた期間も含めておよそ二、三か月で子が産まれるわけがない。
動物の子じゃあるまいし、人の子がそんな短期間で産まれるわけがないというのは一般常識を身に着けた大人であれば誰でも知っていることだ。
流石にそれは無いだろうと思っていたのだが……悲しいことにどうやらダニエルは本気でそう考えていたらしい。
密偵からそれを聞かされた時は椅子から転げ落ちそうになるほど驚いたものだ。
どうやらダニエルは幼い頃から剣の鍛錬ばかりに明け暮れて一般常識がほとんど身についていないらしく、家臣が足りない部分を補うことで何とかオーガスタ家は面目を保っていられるそう。それにしても物事を知らなすぎる。子供が産まれるまでどれくらいかかるかなんて誰でも知っていることなのに。
彼の思考は実に短絡的で非常識なものだった。
愛人が妊娠したがこの国では妻以外との間に出来た子には家督の継承権が存在しない。
→愛人は平民なので妻には出来ない。
→なら、貴族の妻を迎えて産み月を誤魔化したうえで妻が産んだ子として届け出よう。
とまあ、こういうことらしい。あまりにも馬鹿げた発想に頭が痛くなった。
しかし、そうなるともう一つの疑問が湧き上がる。
それはダニエルが何故ジュリアーナを選んだのかということだ。
愛人との子を世継ぎにするために貴族の妻が必要だというならば、言い方は悪いが金で解決すればいいだけの話だ。借金まみれの貧乏貴族の令嬢を金と引き換えにお飾りの妻にすれば相手の家も何も言ってこないし面倒もないはず。
なのに、わざわざ国で最も高い身分の王女を選んだのは何故なのか。
そこが納得できなかった。
考えられるとしたら後ろ盾欲しさだろう。高位の令嬢を娶る理由として最も多いのはそれだ。ジュリアーナの長兄も王太子の座を弟王子たちに奪われないように、己の地位を盤石にするために貴族の中で最も地位の高い筆頭公爵家の令嬢を妻にした。
これを踏まえると、ダニエルには後ろ盾を得てまで牽制しなければいけない相手がいたと考えられる。その情報も使えるだろうとジュリアーナは密偵にその相手を探るよう命じた。
一か月という最低限の婚約期間すら惜しいといった様子で一刻も早くジュリアーナを領地に連れて行きたかったのか。
時戻り前はそこまで熱烈に求めてくれるのかと感動したが、冷静に考えると……いや、冷静に考えなくてもこれは何か裏があるとしか思えない行動だ。仮にジュリアーナを本当に愛しているのであれば事前に迎える準備を整えておくはずなのに、それが何もなされていない。明らかにジュリアーナを軽視している。
こんな簡単なことにすら気づかなかった自分が心底情けない。
おまけに真相は脱力してしまうほどくだらないものだった。
ジュリアーナもダニエルが結婚を急いだ理由に心当たりはあったのだが……まさかそんなはずはないと思っていた。何故ならそれはとても成人した人間が考えるような代物ではなかったからだ。
時戻り前、監禁された邸の門番が話していた「愛人の子をジュリアーナの子として公表する」という実に馬鹿げた企み。時戻りをした後、ジュリアーナはまさかこれが結婚を急いだ理由かと考えたがあまりにも有り得ないのでこれは違うだろうと思っていた。
ジュリアーナがダニエルと初めて会ったのは求婚されたあの日だ。
それ以前に彼と会ったことはない。
嫁入り後監禁されていた期間も含めておよそ二、三か月で子が産まれるわけがない。
動物の子じゃあるまいし、人の子がそんな短期間で産まれるわけがないというのは一般常識を身に着けた大人であれば誰でも知っていることだ。
流石にそれは無いだろうと思っていたのだが……悲しいことにどうやらダニエルは本気でそう考えていたらしい。
密偵からそれを聞かされた時は椅子から転げ落ちそうになるほど驚いたものだ。
どうやらダニエルは幼い頃から剣の鍛錬ばかりに明け暮れて一般常識がほとんど身についていないらしく、家臣が足りない部分を補うことで何とかオーガスタ家は面目を保っていられるそう。それにしても物事を知らなすぎる。子供が産まれるまでどれくらいかかるかなんて誰でも知っていることなのに。
彼の思考は実に短絡的で非常識なものだった。
愛人が妊娠したがこの国では妻以外との間に出来た子には家督の継承権が存在しない。
→愛人は平民なので妻には出来ない。
→なら、貴族の妻を迎えて産み月を誤魔化したうえで妻が産んだ子として届け出よう。
とまあ、こういうことらしい。あまりにも馬鹿げた発想に頭が痛くなった。
しかし、そうなるともう一つの疑問が湧き上がる。
それはダニエルが何故ジュリアーナを選んだのかということだ。
愛人との子を世継ぎにするために貴族の妻が必要だというならば、言い方は悪いが金で解決すればいいだけの話だ。借金まみれの貧乏貴族の令嬢を金と引き換えにお飾りの妻にすれば相手の家も何も言ってこないし面倒もないはず。
なのに、わざわざ国で最も高い身分の王女を選んだのは何故なのか。
そこが納得できなかった。
考えられるとしたら後ろ盾欲しさだろう。高位の令嬢を娶る理由として最も多いのはそれだ。ジュリアーナの長兄も王太子の座を弟王子たちに奪われないように、己の地位を盤石にするために貴族の中で最も地位の高い筆頭公爵家の令嬢を妻にした。
これを踏まえると、ダニエルには後ろ盾を得てまで牽制しなければいけない相手がいたと考えられる。その情報も使えるだろうとジュリアーナは密偵にその相手を探るよう命じた。
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