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御機嫌よう、転生者様①
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「姫様、お一人でなんて危のうございます。せめてわたくしに共をさせてくださいませ」
「大丈夫よ、ローゼ。鉄格子を挟んで話すから危険はないわ」
なんだか似たような会話を前にもしたことがある。
あれは確か地下牢にいるアンヌマリーと話をしたいと言った時だ。
あの時も同じような会話を衛兵と交わしたことを思い出した。
「最後に話がしたいのよ。よくよく考えてみればあの人とまともな会話を交わしたことなどなかったから。ね? お願い、ローゼ」
「そういうことでしたら……致し方ありませんね。ですが、少しでも危険を感じましたらすぐにわたくし共をお呼びくださいね? 相手はなにをしてくるか分からないような危険人物なのですから」
「ありがとう、ローゼ。もちろんそうするわ」
私がこれから向かう先は王宮の地下室。
かつてアンヌマリーを収容していたあの部屋だ。
今、あの部屋にはアンヌマリーの片割れがいる。
数々の騒動の元凶であり、小説のヒーロー役であったあの男が。
(またここに来るなんて思いもしなかったわ……)
王女が牢に足を運ぶ事態なんてそうそうない。
複雑な気持ちを抱えたまま私は牢番である衛兵に扉を開けるよう命じた。
「危険ですので鉄格子越しにお話しください」
これもあの時と同じような台詞。
あの時と今で違う事といえば私が鉄格子の存在を知っているというところか。
衛兵が扉を開ける重い音が辺りに響き、仰々しい鉄格子が眼前に現れた。
ここに収監されている罪人との会話を聞かれては困るので、私は衛兵に下がるよう命じる。
あの時収監されていた罪人は私の姿を見るなり泣いて謝ってきたけど、今収監されている罪人はそのようなしおらしい真似は絶対にしないだろう。
案の定、罪人は私の姿を見るなり目を吊り上げて喚きだした。
「おい、フランチェスカ! さっさと私をここから出せ! 今なら土下座で許してやるぞ!」
騒がしい上に自分の立場をまるで理解していない罪人を私は無言で睨みつける。
すると小心者の彼は一瞬怯えたように体をビクッと震わせた。
「な、なんだその目は……!」
「なんだと言われましても……。阿呆だな、と思って見ております」
「なっ……!? なんと生意気な! それが未来の夫に向かって言う事か! 土下座して詫びろ!」
「わたくしの未来の夫はルイですもの。ルイに向かってこのような事は申しません。彼は阿呆ではありませんしね」
私が反論すると罪人は呆気にとられたように目を丸くしてこちらを見ている。
多分、私がここまでポンポンと言い返すとは思ってもみなかったのだろう。
「罪人に敬称はいりませんわね。さて、セレスタン、一つ聞きたいのですけど……貴方は転生者ですか?」
「は……!? 転生者、だと? まさか……お前……!」
「ええ、わたくしも転生者ですわ。そしてここがある小説に酷似している世界だと知っています。貴方もそうなのでしょう?」
驚愕する罪人、セレスタンに向かって私は不敵に微笑んだ。
「大丈夫よ、ローゼ。鉄格子を挟んで話すから危険はないわ」
なんだか似たような会話を前にもしたことがある。
あれは確か地下牢にいるアンヌマリーと話をしたいと言った時だ。
あの時も同じような会話を衛兵と交わしたことを思い出した。
「最後に話がしたいのよ。よくよく考えてみればあの人とまともな会話を交わしたことなどなかったから。ね? お願い、ローゼ」
「そういうことでしたら……致し方ありませんね。ですが、少しでも危険を感じましたらすぐにわたくし共をお呼びくださいね? 相手はなにをしてくるか分からないような危険人物なのですから」
「ありがとう、ローゼ。もちろんそうするわ」
私がこれから向かう先は王宮の地下室。
かつてアンヌマリーを収容していたあの部屋だ。
今、あの部屋にはアンヌマリーの片割れがいる。
数々の騒動の元凶であり、小説のヒーロー役であったあの男が。
(またここに来るなんて思いもしなかったわ……)
王女が牢に足を運ぶ事態なんてそうそうない。
複雑な気持ちを抱えたまま私は牢番である衛兵に扉を開けるよう命じた。
「危険ですので鉄格子越しにお話しください」
これもあの時と同じような台詞。
あの時と今で違う事といえば私が鉄格子の存在を知っているというところか。
衛兵が扉を開ける重い音が辺りに響き、仰々しい鉄格子が眼前に現れた。
ここに収監されている罪人との会話を聞かれては困るので、私は衛兵に下がるよう命じる。
あの時収監されていた罪人は私の姿を見るなり泣いて謝ってきたけど、今収監されている罪人はそのようなしおらしい真似は絶対にしないだろう。
案の定、罪人は私の姿を見るなり目を吊り上げて喚きだした。
「おい、フランチェスカ! さっさと私をここから出せ! 今なら土下座で許してやるぞ!」
騒がしい上に自分の立場をまるで理解していない罪人を私は無言で睨みつける。
すると小心者の彼は一瞬怯えたように体をビクッと震わせた。
「な、なんだその目は……!」
「なんだと言われましても……。阿呆だな、と思って見ております」
「なっ……!? なんと生意気な! それが未来の夫に向かって言う事か! 土下座して詫びろ!」
「わたくしの未来の夫はルイですもの。ルイに向かってこのような事は申しません。彼は阿呆ではありませんしね」
私が反論すると罪人は呆気にとられたように目を丸くしてこちらを見ている。
多分、私がここまでポンポンと言い返すとは思ってもみなかったのだろう。
「罪人に敬称はいりませんわね。さて、セレスタン、一つ聞きたいのですけど……貴方は転生者ですか?」
「は……!? 転生者、だと? まさか……お前……!」
「ええ、わたくしも転生者ですわ。そしてここがある小説に酷似している世界だと知っています。貴方もそうなのでしょう?」
驚愕する罪人、セレスタンに向かって私は不敵に微笑んだ。
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