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聞いてくれ
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全ての連中を見送って、ソファーに座り込む。
「サライド様もお帰りになりますよね?」
エミリオに問われてズリズリと身体を沈めた。
「リバーさんもお帰りになりましたよ?」
「そりゃそうだろ。帰るように指示したんだから」
たぶんエミリオはすぐに帰ると思っていたのだろう。
それなのに動かない俺を見てパタンとドアを閉めた。
「ジョンさんたちと昨夜話されてお聞きになったんでしょう?」
「ジョン?」
「あのオレンジの髪の方ですよ」
納得しつつ、よく考えたら父さんの仕事にいつも付き従うことが多くなっているのはエミリオだと気付く。
ということは、こいつは父さんが訳アリカップルをこの村に隠していたのをずっと知っていたわけか?
リックといい、エミリオといい……この親子はよく今まで素知らぬ顔で居たものだ。
「リューラ様から今日確実に連れ帰るようにと念を押されております。お待ちだと思いますよ?」
歩いてきたエミリオが差し出してきたのはレモンケーキ。
「お前さぁ……男同士なんて何とも思わないのか?」
受け取って見上げると、エミリオは柔らかく微笑んだ。
「憎しみや悲しみは減らすべきですが、愛を止める必要ってありますか?」
そんな風に言われるなんて思ってもみなかった俺はただフルフルと首を横に振る。
「だから、そちらを召し上がったら帰りましょうね?」
穏やかに紅茶を淹れるその振る舞いはリックにそっくりだった。
「サライド様もお帰りになりますよね?」
エミリオに問われてズリズリと身体を沈めた。
「リバーさんもお帰りになりましたよ?」
「そりゃそうだろ。帰るように指示したんだから」
たぶんエミリオはすぐに帰ると思っていたのだろう。
それなのに動かない俺を見てパタンとドアを閉めた。
「ジョンさんたちと昨夜話されてお聞きになったんでしょう?」
「ジョン?」
「あのオレンジの髪の方ですよ」
納得しつつ、よく考えたら父さんの仕事にいつも付き従うことが多くなっているのはエミリオだと気付く。
ということは、こいつは父さんが訳アリカップルをこの村に隠していたのをずっと知っていたわけか?
リックといい、エミリオといい……この親子はよく今まで素知らぬ顔で居たものだ。
「リューラ様から今日確実に連れ帰るようにと念を押されております。お待ちだと思いますよ?」
歩いてきたエミリオが差し出してきたのはレモンケーキ。
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「憎しみや悲しみは減らすべきですが、愛を止める必要ってありますか?」
そんな風に言われるなんて思ってもみなかった俺はただフルフルと首を横に振る。
「だから、そちらを召し上がったら帰りましょうね?」
穏やかに紅茶を淹れるその振る舞いはリックにそっくりだった。
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