若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました

mabu

文字の大きさ
2 / 114

1

しおりを挟む
あのまま召喚の儀?はお開きになり
少し雑に扱われながら一つの部屋に通された真由実はその部屋で食事をし、

誰も訪れず明日の事も何も分からないままその部屋に付いていたお風呂やトイレを済ませ早めの就寝をした。

朝、目を覚まし顔を洗い
用意されていた寝間着から
これまた用意されていたシンプルなワンピースに着替えると
どうして起きたのがわかったのかメイドさんが朝食を持ってきてくれてソレを頂いた。

またまた部屋に居なかったのにどうして分かったのか
食べ終わったタイミングでメイドさんが朝食の片付けをして
紅茶を入れておかわり用のポットと軽く摘めるお菓子を置いて頭を下げて出ていった。

此方から話しかけても

「話す事は禁じられております。」

と無表情で答えられ
お礼を言っても無反応でやり過ごされ
なんとも言えない気持ちのまま、
まだ半日経っただけだしコレからの方向性が決まらないと
どう対応していいか分からないよね?
と無理矢理自分に言い訳し、
モヤモヤした気持ちを誤魔化しただ国の話し合いの結果を待つだけにするより自分の置かれた状況とコレからの方向性を自分なりに考えようかと思い
紅茶を飲みながら長い思考の中に潜っていった。



コンコンコン


「真由実様入って宜しいでしょうか」

どれ位時間が経ったのか
紅茶は完全に冷めていて
窓から射す日もかるくオレンジがかっている。

「あれ?もう夕方?」

さっき朝食を食べ終わって紅茶を飲みながら考え始めたと思ったら
かなりの時間思考に潜っていた様で昼食も過ぎて夕方になっていたとは全く気づかなかた。

メイドさんがくれば声はかけなくてもノックをして
返事を待たずに入ってくるから来たら気づかないわけは無いので
誰もこの時間まで来なかったという事だ。

なんというか…
まぁ、今は来た人を迎え入れよう。

「はい、どうぞ」

そう声を掛ければ部屋に一人の男性が入ってくる。

入って来た男性は背が高く
如何にも騎士様というような制服を自然に着こなす黒髪黒目、そこそこ体格の良い美丈夫で
(実は細マッチョ?)
年は25、6歳?の見た目の本物の騎士様だった。

騎士様は入って来てすぐにテーブルに置かれたお菓子を見るや片眉を上げ難しい顔して眉間の皺を指でもみほぐしている。

「真由実様、此方のお菓子は?召し上がったりはしましたか?」

どうやらお菓子が気になる様だ。

私なんかにはお菓子は不要!とか?
そんな感じに思う様な人には見えないけど
お菓子を与える時間が遅いとか?

まぁ、昼食は食べてないけど時間的にはもうすぐ夕飯の時間に近そうだし
ご飯が食べれなくなるだろうが!的な?
それか夕飯を待ちきれなくてお菓子を催促したと思われた?
滅多に来れないお城に居るんだから
普段食べれない様な豪華なお菓子を催促したオバさんの言う事を素直に聞く奴が居るか!
的な?

いやいや、オバさんでも半日位でそんなに開き直れないって。

あっ、
今はオバさんじゃなかった、

ならなんだ?

ていうか、コレ、メイドさん達が怒られるのかな?

勝手にお菓子を与えるな的に。

アンナ無愛想でも食事を運んでくれたり身の回りの説明と服の用意をしてくれたので
ココはちゃんと説明して時間外に要求した物じゃないと説明しようかな?

食後のお菓子だから大丈夫だよね?

「えっと、これはですね?
朝食後の紅茶を用意してくれた時に一緒に出してくれた物でして、
私が考え事をしていたせいで今まで手をつけずに忘れて居ただけで片付けるに片付けられずに?
今まである状態でして…」


「朝食後?昼食後では?」

朝食後に引っかかるのか全て言い終わる前にかぶせて質問されてそのまま素直に答える

「朝食後です。
昼食は…私が気がつかなくて戻ったのかは分かりませんが食べてません」

それを聞いた騎士様は此方に謝罪しお菓子の皿を取ると
もうしばらくお待ち下さいと部屋を出ていった。
(あのお菓子自体が何か問題だったのかな?)

彼はお菓子を食べてない事を再度確認して
このお菓子は預からせて頂きますと言うから毒か薬入りという事なのかな?

でもなんでだ?

確かに昨日の私に係わったメイドさんや騎士は態度が悪かったがちゃんと夕飯に具沢山のスープとパンを持ってきてくれたし、
今朝もパンとハムエッグとオレンジジュースが出てきたのに?
兎に角待つしかないと冷めた紅茶を飲み窓の外の夕焼けを空をぼ~っと見つめた。


結局その後長い時間騎士様は戻って来る事はなく
今朝までのメイドさんとは違うメイドさんが夕飯を持って来てくれ
夜9時までは寝る準備はせずに待っていてくれると助かりますとの事ですと
丁寧に謝罪付のお願いの言付けを受けた。

因みに夕飯は昨日とは違いしっかりとしたフルコースディナーで
たいへん美味しかったです。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~

雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。 左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。 この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。 しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。 彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。 その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。 遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。 様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

処理中です...