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始まり

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それは突然の出来事だった。

周りには異世界お決まりの服装?
というか鉄板?な
偉そうで豪華な装いで
口髭を生やし黒髪に白髪が混じり出し
それがより色気を醸し出している様なダンディな
自分より少し年上と思われる男性

ダンディな彼に似ているが髪は水色で瞳は金色の若い男性

側近と思われる者や鎧を着てコチラを警戒する者

ローブの様な装いに杖を持ち
少し興奮気味に頬を染めニコニコと見ている者

とにかく男ばかり20人位が目の前に陣取ってコチラを注視している状況に

その場にいる自分達女性2人は困惑するだけで何もできなかった。


「突然お呼び立てして申し訳ない」

そう頭を下げたのは最初に目がいった色気のあるダンディな男性だった。

彼はこの国の王で、この国にある魔の森に今までにない位の瘴気が発生しだし
「国内の魔術師だけでは処理できない」
と言う教祖の進言で今回初めて召喚を行う事になったと説明してくれた。

本来異世界から人を召喚するなら送り届ける送還も出来なければその人の人生を狂わせてしまうので送還が出来ない現時点では禁忌とされていたと、

ただ、今回ばかりは国の危機にどうしても異世界からの聖女の力が必要で
苦渋の末
国の責任で聖女の生涯、不自由の無い様誠意を持った保証をする約束をする事でなんとか許して貰おうと召喚を行ったと。

なんとまぁ、勝手な話だとは思ったが
国の一大事で時間も限られ
解決策がなければ仕方が無かったのかなとは思う、
思うが今回はやらかしましたなぁ…と遠い目にもなる。

「そ、それでですが、申し訳御座いませんがどちらも聖女様なのかステータスをお見せいただけませんでしょうか?」

頬を赤く染めながらローブを着た初老の男性が国王の横から一歩前に出て2人の女性に交互に微笑む。


何を分かり切った事を確認するのかと思った真由実だが、
そこは大人なので黙って流れに身を任せローブの初老の教祖様?
の言う通りにステータスオープンと唱える。

隣にいた正に今回呼ばれたであろう高校生位の女の子も同じ様に唱え
此方に助けを求める様な同意を求める様な視線を向ける。

(うんうん、分かるよ、心細いよね、でも間違いなく貴女が聖女だからね!
この国が良い国かはまだ判断出来ないけど聖女召喚といえばJKだからね!)

そう心の中で話しかけながら安心させる様ににこやかに微笑み目を見て頷くとほっとしたのか彼女も微笑んでくれた。

そして当たり前だが彼女のステータスには聖女の文字がしっかりとあり

彼女のステータスの聖女の文字に歓声をあげていた。
(私達には当たり前だがこの国の
人にも日本語が読めるのか?)

後から分かったがステータスは本来オープンと言わなければ自分にしか見えず、
オープンと言った事で他の人に見えた事や日本語で表記されていたのでは無く
私達が召喚特典の様もので言語が分かる様になっているだけだった。

そして当たり前だが真由実には聖女の文字は無く周りに気まずい空気が流れているが本人はただただ固まった、
固まって自分のステータスを凝視した。

(若返りってなんだあ~!)

「若返りとはどんなスキルだ!」

良かった、自分の感覚が分からなくなっていた。
自分と同じツッコミをしたのは皇太子だったのだがスキルの若返りとは意味が分からないと言う。
大丈夫、私も分からない。

周りも分からなかったらしいがよく見ると納得したのか
「信じられないが」
と言いながらいくつか質問されて現状が分かった。

「真由実様は46歳との事でしたが此方に召喚されて御歳が半分の23歳になっておられます。
なのでスキルの若返りの横の小さい数字が46で召喚終了後の現在の御歳が23歳となったと思われます。
そしてその横の終了とはスキル使用が終了している事と思い
あくまで憶測ですがもう使用出来ないのではと思います」

そう説明してくれた教祖の言う通り真由実は召喚時に若返っていた様で

(オバさんとJKならJKだろ!)

と思ったのは真由実だけで
服装はアレだが年若い女性2人なのでどちらがなのか
どちらもなのか分からなく
ああいう言い方で確認した様だった。

真由実が固まったのは自分が若返りしている事に気がついておらずスキルの自分の年齢が23歳とあったり
本来のスキルの他に若返りとあったので固まっていたのだ。

今もまだ信じられないが
確かに自分の手はキレイになった様に思うし、
さっきからズボンが腰まで下がっている事は実感していた。

さらに誰かが姿見の鏡を持ってきてくれたのでしっかりと若返った自分の姿を確認した。

「わぁ、マジですか~」

確かに40後半になり死への恐怖、
老いへの恐怖は日々増していき若かりし頃を思い若さへの執着が無かったわけでは無い。

でも若返り等現実になり得ない事が現実になりまだ理解が追いつかない。

召喚されて日本に戻れない。

ここは異世界だという事にはすぐに理解出来、冷静な自分がすごい冷めてるなと思ったのに

若返りには対処が出来ない自分がいる。

それでも周りは召喚に成功した事への喜びと

必要性のないスキルを持って付いてきた
意味不明な女性への対処でザワザワとしていた。

「さて、これからの事は明日から本格的に話し合う事にして本日はゆっくりとして下さい」

国王のその言葉を聞き周りの人が動き出し
JKに皇太子が近づきエスコートを願い出ていた。

「お美しく可愛らしい聖女様、私にお部屋までエスコートさせて頂けませんか?」

赤く頬を染め嬉しそうにしていたJKは気まずそうに此方を見たので真由実は微笑んで促すと

はっきりとお礼を言い皇太子にエスコートされて部屋に向かっていった。

真由実には国王の後ろにいた厳つい男性に指示された
若い甲冑姿見の男性が近づき
エスコートをする事も無く付いてきて下さいと歩き出すので付いて行く事にした。
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