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「やっと、思い出したかい、エレナ」~大魔王は大聖女に微笑んだ。   大聖女カサンドラは聖剣で先代大魔王を一刀両断にしたほどの力を持つが、今の大魔王エルドラには歯が立たず九連敗中。いつも捕らえられるがなぜかすぐに解放されていた。   十連敗目で捕らわれた夜、エルドラに招待されたディナーの席で吟遊詩人による勇者夫婦ディーノとエレナの伝説の歌を聴いたとき、自分がエレナの、エルドラがディーノの生まれ変わりであることに気づく。エルドラは初めて戦ったときにすでに気がついていた。   勇者夫婦のエレナとディーノは自分たちの命で世界を救ったが、宿したばかりの子供の命すら犠牲にしていた。カサンドラとエルドラは前世を後悔し、これからは自分たちのことだけを考えてエレナとディーノとして一緒に幸福になることを誓う。   とは言え、今は敵対する立場の二人。現実は思うようにはならないが、人目を忍んでデートを重ね、時には戦うフリをして周囲を欺いて甘い日々を送る。   しかし、新たな命が宿ったことで二人は決断する。大魔王と大聖女の子供は人間界でも魔界でも忌み嫌われる存在になってしまう。自分達の子供が幸福になれる人間と魔族が共存できる世界に今の世を変えるべく、二人は大聖女と大魔王の力を使って世界をぶっつぶしてでも幸せになると聖と魔に戦いを挑んでいく。そして……
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文字数 9,930 最終更新日 2023.01.29 登録日 2023.01.29
 「侯爵!、おやめください!、これセクハラです!」 ……いや、そんなつもりがないのはわかってます、今の私は男ですから。    街で剣術教室を開くレイ・スペンサーは十九歳の貧乏子爵令嬢。十二歳で母を亡くし、父親に男手一つで育てられ、ついたあだ名は『がさつ姫』。  ある日、侯爵家の子供、パットを家に送ったことがきっかけで、剣の先生兼住み込みの教育係として雇われるが、成り行きで男として雇われることになってしまう。   パットの父、パーシバル・アッシュフィールド侯爵は『氷の侯爵』とよばれる人物だが、それは四年前に最愛の妻エミリアを失ったことによるものだった。   未だにエミリアを忘れられずに苦しむ侯爵にレイは自分が母を亡くしたときの経験から、無理に忘れることはないと教え、ほぼ毎日剣の稽古を一緒にすることで立ち直りのきっかけを与えた。 レイは一途に妻を愛する侯爵にひかれていくが、レイの立場は男性。しかし、侯爵もレイと親しげに話す友人に嫉妬を感じたり、剣をプレゼントしたりと、レイを愛おしく感じ始めていた。   そんな関係が長続きするはずもなく、ある夜、キスを交わしてしまったことで二人の関係は破局を迎えてしまう……。
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文字数 16,443 最終更新日 2023.01.20 登録日 2023.01.20
 『土まみれ姫』のあだ名があるほど庭いじりが好きな貧乏子爵令嬢のポピーは伯爵家の死んだ娘の庭の再生を請け負う。いつも作業を手伝ってくれるハリーに好意を抱き、キスまでしてしまう。契約の最後の日、ハリーは一緒に園芸店をやろうとプロポーズしてくれるが、ポピーが貴族と知り去ってしまう。花々が咲き誇る春、庭のお披露目パーティーに出席を請われたポピーは庭をよみがえらせた恩人として紹介されるが、もう一人、紹介される人がいた……。
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文字数 13,226 最終更新日 2023.01.12 登録日 2023.01.06
「剣帝、槍姫、平和のために結婚せよ」- 敵国同士だった二人の国王は終戦後、自国の英雄にそれぞれ命じた。しかし、この男女の英雄は数日前に剣で首を飛ばされかけ、槍で額をぶち抜かれる寸前まで死闘を繰り広げた宿敵同士だった。   剣の達人、ガリアン王国の英雄・剣帝クラウス・ハイゼルは三年前に敵国タルジニア王国の英雄で槍の達人、『黒髪の槍姫』ことノエル・リンによって頬に大傷を負わされた。それから執拗にノエルを戦場で追っていたが、六度目の敗北時、初めてノエルが女であることを知る。しかし、同時に戦争は終結、再戦の機会を失った。   酒場で再会したノエルは自分が異世界から転移した一族の子孫であり、槍術に長けたリン家の総帥であると説明する。翌日、二人は平和式典の最中に突然、両国の国王から平和の象徴として結婚することを命じられ、政略的に婚約させられてしまう。さらに二人はクラウスの家で一緒に暮らし、半年後に王子・王女と同時に結婚式を挙げることになってしまった。   『無骨な武人』と『ガラの悪い乙女』。恋愛経験のない二人は不器用ながら、お互いに好意を抱きつつ、平和を良しとしない隣国の神聖アゼリア国の妨害、妹のフローラの病気を治すための薬草クエストでの魔物退治などを通じて、愛を育んでいく。その間、達人同士が毎日楽しんで稽古するうちにかってのライバルや神聖アゼリア国の英雄を一蹴する強者になっていた(第一部)   そんな時、ノエルの実家から連絡があって帰省することになり、クラウスやフローラと共に里へ旅することになるが、そこは数百年前、合戦中に異世界から転移した林・曾・洪・張-四家の子孫が住み、漢字の旗がたなびく中華風の隠れ里だった。そこには対立する他家の総帥や古い因習が待ち受けていた(第二部)   里から帰ったノエルたちは平和な世の中で孤児院に診療所を開設したりとスローライフを楽しむ。   いよいよ王子・王女との合同結婚式当日、神聖アゼリア国による最強の敵が王女の命を狙って立ちはだかった。(第三部)
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文字数 98,490 最終更新日 2023.01.08 登録日 2023.01.05
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