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夕顔別当
第二十四夜
しおりを挟む憂鬱な一週間が明ければ、オトナの恋人らしい行為が出来るものだと信じ込んでいたが、紅さんが少々ディープなキス以上のスキンシップを取ろうとしてくる気配はなかった。
「まさか、飽きられた……!?」
仕事の日も帰宅時間は彼女の方が早い事が多いのだが、今日は珍しく遅くなると言うので、私は夕飯の支度をした後、入浴まで済ませ、ベッドでゴロゴロしている所だった。
「…………可能性、よりは。私が一番最初に強めに拒否っちゃったせいな気がする……。その後、何回も『紅さんだったら性別関係ない』って言ってる筈だけど、それも無理してるように聞こえてたりして。詰みじゃん……。まあ、男の紅さんと女の紅さんがいたら男の方とヤりた…………いや、紅さんサンド一択だな。我ながら最低か?」
私の性欲は常に高止まりしているが、生理が終わった直後はそれはそれはもう凄い。こんな風に語彙力が著しく低下してしまう程度には凄い。
「いや、もしくは紅さんが本命にだけは超オクテな可能性。男でも一定数、いや結構な割合でいるんだよね~。大切にしてくれてる証拠だとしても有難くないんだよ!! 何のために付き合ってると思ってんの!? ……いや、流石にわかる。これに関しては私の方がマイノリティ……」
誰もいないのを良いことに白目を剥き、ゴロンとうつ伏せになった。
うつ伏せと言えば寝バックだ。寝バックで責められたすぎてハゲそう……。
「TL漫画とかだったら、『攻めの残り香に我慢出来なくなった受けが一人でおっぱじめてたら攻めが帰って来て、そこからワッショ~イ!』ってなるけどさ。いや何よ、ワッショイて。隠語のセンス。……というか、勝手に攻めだと思い込んでただけで、紅さんは実は受けちゃんで、私に襲われるのを待ってるだけ……とか!? やだ可愛い!」
彼女を私の手で乱すのも愉快ではあろうし奉仕するのも吝かではないが、そう簡単には乱れてくれなさそうだ。
「…………ないか。ないだろうな。『リードする』とか言ってたし。知らんけど」
これ以上ここでする事もないが、動く気にもなれない。
再度、白目を剥いていると、玄関の方から音がした気がした。
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