85 / 228
【神の名を騙る島──南海の隠された禁風俗と、神官戦争編】
第74話『神殿騎士団、島の秩序を守る者たち』
しおりを挟む
──午前9時、アナナス島中央神殿・外苑区。
淡い海風が吹き抜ける広場には、きっちりと整列した女性戦士たちの列があった。
銀の鎧。肌を露出した神官風の礼装。腰には儀式剣、そして胸には神紋の刻まれた紋章。
彼女たちは、“神殿騎士団”──この島の“秩序”を守る存在であり、風俗禁止法の背後にいた武装組織だった。
「いいか、諸君。忘れるな。我らの使命はこの島の平穏。男どもが欲に溺れて争いを起こす前に、彼らを“導き”、抑え込むことにある──」
先頭に立つのは、神殿騎士団長《クラリーチェ》。
艶のある長い黒髪をなびかせながら、冷ややかな視線で戦士たちを見渡す。
「快楽は罪ではない。だが、男がそれを自ら制御できるとでも? だからこそ──支配する必要があるのよ」
「「はいっ!!」」
一糸乱れぬ返事が広場に響いた。
その一方で──
「……なんか、すごい世界観出してるわね……」
神殿裏の高台から双眼鏡を覗いていたヴァネッサが、腕を組みながらうなった。
隣で、ミレーユが資料をパラパラとめくりながら答える。
「この島の政治構造は、神官団と神殿騎士団による二重支配。名目上は“男女平等”の聖域らしいけど……実態は“男を従わせる”システムの上に成り立ってる」
「支配と癒しのセット売りってやつか……」
流星がぼそっと呟いた。
すでに彼の記憶には、レイナの甘い香と膝枕──“選べない癒し”の余韻がまだ残っている。
「それじゃあ結局、癒しも快楽も、“統治ツール”にされてるだけじゃねぇか」
「ええ。……そして、騎士団の背後にいるのは、“夢魔系の上位種”らしいのよ」
アリシアが地図にマーキングを入れながら言った。
「この島にはかつて“聖霊の祈り”という結界術があって、純粋な心を保つ者しか入れないはずだった。でも、今は……」
「快楽で服従させて、その純粋さを演出してるってわけだな。外側だけ取り繕って、中身は奴隷化か」
流星が肩を落とした。
──だが、ヴァネッサはニヤリと笑っていた。
「わかりやすいじゃない。“男は支配されるべき”って思想? 上等よ」
腰の剣を抜きながら、どこか楽しげに声を弾ませる。
「筋肉も信念も、殴って通じる相手なら話が早い! ぶちのめして、わからせてあげましょう♡」
「お前、そういうところだけは頼もしいな……!」
流星が笑い、仲間たちもうなずいた。
──だが、その瞬間。
「そこまでです、旅の方々」
声と同時に、空気が一変した。
砂利を踏み鳴らす足音。立ち塞がるように現れたのは──
神殿騎士団の部隊。正規装備の女性戦士たちが十数名。
彼女たちは剣を構え、しかし礼儀正しく、威圧的に告げた。
「この島は“精神の安寧を第一とする場所”。異なる価値観を持ち込む者は、“保護対象”として拘束させていただきます」
「……へぇ、拘束プレイから来るとは。新しいじゃない?」
ヴァネッサが鼻で笑い、剣を肩に乗せた。
「悪いけど、私は“従属”より“対等”が好みなの。……来なさいよ、“自称女騎士団”さんよォ!」
「交戦許可──出ました!」
騎士団長クラリーチェの号令とともに、女たちが一斉に動き出す。
「ちょ、待て!? 話し合いとか──あっ!?」
流星は止めようとしたが、すでに遅かった。
剣と魔法と、そして乳揺れと太ももがぶつかり合う、“神殿騎士団vs爆走ハーレムパーティー”の戦いが幕を開けた。
◆ ◆ ◆
──結果から言おう。
初撃の衝突こそ拮抗したが、ヴァネッサのパワーファイト、アリシアの正確な魔術制圧、リリアの高速剣術、そしてミレーユの戦術支援により、騎士団部隊はものの数分で制圧された。
「な、なんなの……あの人たち……」
「男を……あんなにも真っ直ぐ、庇うなんて……」
倒れ込む騎士団員たちが、驚愕と共に呟いた。
──そして。
敗北を喫したクラリーチェは、唇を噛み締めながら立ち上がった。
「あなたたちは……なぜ、男をそんなにも“対等に扱う”の?」
それに答えたのは、アリシアだった。
「簡単よ。“愛する”っていうのは、“支配する”ことじゃないから」
「……!」
「癒しは、選ぶもの。快楽もまた、“相手の尊厳”があって初めて成立する。あなたたちのやっていることは、“快楽の独裁”なのよ」
騎士団員たちが、次第に言葉を失っていく。
その隙に、ミレーユが地図の奥を指差した。
「……結界の本体は、神殿の最奥部。“教主の間”と呼ばれる区域にあるはず。そこに、“神を騙る夢魔”がいる」
「行こう。終わらせに」
流星は、剣を握ったまま、まっすぐ前を見た。
彼の瞳に、迷いはなかった。
──快楽も、癒しも、選ぶ権利がある。
それを守るために、俺は剣を振るう。
それが、“風俗を愛する男”の矜持だった。
淡い海風が吹き抜ける広場には、きっちりと整列した女性戦士たちの列があった。
銀の鎧。肌を露出した神官風の礼装。腰には儀式剣、そして胸には神紋の刻まれた紋章。
彼女たちは、“神殿騎士団”──この島の“秩序”を守る存在であり、風俗禁止法の背後にいた武装組織だった。
「いいか、諸君。忘れるな。我らの使命はこの島の平穏。男どもが欲に溺れて争いを起こす前に、彼らを“導き”、抑え込むことにある──」
先頭に立つのは、神殿騎士団長《クラリーチェ》。
艶のある長い黒髪をなびかせながら、冷ややかな視線で戦士たちを見渡す。
「快楽は罪ではない。だが、男がそれを自ら制御できるとでも? だからこそ──支配する必要があるのよ」
「「はいっ!!」」
一糸乱れぬ返事が広場に響いた。
その一方で──
「……なんか、すごい世界観出してるわね……」
神殿裏の高台から双眼鏡を覗いていたヴァネッサが、腕を組みながらうなった。
隣で、ミレーユが資料をパラパラとめくりながら答える。
「この島の政治構造は、神官団と神殿騎士団による二重支配。名目上は“男女平等”の聖域らしいけど……実態は“男を従わせる”システムの上に成り立ってる」
「支配と癒しのセット売りってやつか……」
流星がぼそっと呟いた。
すでに彼の記憶には、レイナの甘い香と膝枕──“選べない癒し”の余韻がまだ残っている。
「それじゃあ結局、癒しも快楽も、“統治ツール”にされてるだけじゃねぇか」
「ええ。……そして、騎士団の背後にいるのは、“夢魔系の上位種”らしいのよ」
アリシアが地図にマーキングを入れながら言った。
「この島にはかつて“聖霊の祈り”という結界術があって、純粋な心を保つ者しか入れないはずだった。でも、今は……」
「快楽で服従させて、その純粋さを演出してるってわけだな。外側だけ取り繕って、中身は奴隷化か」
流星が肩を落とした。
──だが、ヴァネッサはニヤリと笑っていた。
「わかりやすいじゃない。“男は支配されるべき”って思想? 上等よ」
腰の剣を抜きながら、どこか楽しげに声を弾ませる。
「筋肉も信念も、殴って通じる相手なら話が早い! ぶちのめして、わからせてあげましょう♡」
「お前、そういうところだけは頼もしいな……!」
流星が笑い、仲間たちもうなずいた。
──だが、その瞬間。
「そこまでです、旅の方々」
声と同時に、空気が一変した。
砂利を踏み鳴らす足音。立ち塞がるように現れたのは──
神殿騎士団の部隊。正規装備の女性戦士たちが十数名。
彼女たちは剣を構え、しかし礼儀正しく、威圧的に告げた。
「この島は“精神の安寧を第一とする場所”。異なる価値観を持ち込む者は、“保護対象”として拘束させていただきます」
「……へぇ、拘束プレイから来るとは。新しいじゃない?」
ヴァネッサが鼻で笑い、剣を肩に乗せた。
「悪いけど、私は“従属”より“対等”が好みなの。……来なさいよ、“自称女騎士団”さんよォ!」
「交戦許可──出ました!」
騎士団長クラリーチェの号令とともに、女たちが一斉に動き出す。
「ちょ、待て!? 話し合いとか──あっ!?」
流星は止めようとしたが、すでに遅かった。
剣と魔法と、そして乳揺れと太ももがぶつかり合う、“神殿騎士団vs爆走ハーレムパーティー”の戦いが幕を開けた。
◆ ◆ ◆
──結果から言おう。
初撃の衝突こそ拮抗したが、ヴァネッサのパワーファイト、アリシアの正確な魔術制圧、リリアの高速剣術、そしてミレーユの戦術支援により、騎士団部隊はものの数分で制圧された。
「な、なんなの……あの人たち……」
「男を……あんなにも真っ直ぐ、庇うなんて……」
倒れ込む騎士団員たちが、驚愕と共に呟いた。
──そして。
敗北を喫したクラリーチェは、唇を噛み締めながら立ち上がった。
「あなたたちは……なぜ、男をそんなにも“対等に扱う”の?」
それに答えたのは、アリシアだった。
「簡単よ。“愛する”っていうのは、“支配する”ことじゃないから」
「……!」
「癒しは、選ぶもの。快楽もまた、“相手の尊厳”があって初めて成立する。あなたたちのやっていることは、“快楽の独裁”なのよ」
騎士団員たちが、次第に言葉を失っていく。
その隙に、ミレーユが地図の奥を指差した。
「……結界の本体は、神殿の最奥部。“教主の間”と呼ばれる区域にあるはず。そこに、“神を騙る夢魔”がいる」
「行こう。終わらせに」
流星は、剣を握ったまま、まっすぐ前を見た。
彼の瞳に、迷いはなかった。
──快楽も、癒しも、選ぶ権利がある。
それを守るために、俺は剣を振るう。
それが、“風俗を愛する男”の矜持だった。
24
あなたにおすすめの小説
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
書道が『神級』に昇格!?女神の失敗で異世界転移して竜皇女と商売してたら勇者!聖女!魔王!「次々と現れるので対応してたら世界を救ってました」
銀塊 メウ
ファンタジー
書道が大好き(強制)なごくごく普通の
一般高校生真田蒼字、しかし実際は家の
関係で、幽霊や妖怪を倒す陰陽師的な仕事
を裏でしていた。ある日のこと学校を
出たら目の前は薄暗い檻の中なんじゃ
こりゃーと思っていると、女神(駄)が
現れ異世界に転移されていた。魔王を
倒してほしんですか?いえ違います。
失敗しちゃった。テヘ!ふざけんな!
さっさと元の世界に帰せ‼
これは運悪く異世界に飛ばされた青年が
仲間のリル、レイチェルと楽しくほのぼの
と商売をして暮らしているところで、
様々な事件に巻き込まれながらも、この
世界に来て手に入れたスキル『書道神級』
の力で無双し敵をバッタバッタと倒し
解決していく中で、魔王と勇者達の戦いに
巻き込まれ時にはカッコよく(モテる)、
時には面白く敵を倒して(笑える)いつの
間にか世界を救う話です。
異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件
おおりく
ファンタジー
高校生の桜木 悠人は、不慮の事故で命を落とすが、神のミスにより異世界『テラ・ルクス』で第二の生を得る。彼に与えられたスキルは、他者の能力を模倣する『コピーキャット』。
最初は最弱だった悠人だが、光・闇・炎・氷の属性と、防御・知識・物理の能力を次々とコピーし、誰も成し得なかった多重複合スキルを使いこなす究極のチートへと進化する!
しかし、その異常な強さは、悠人を巡る三人の美少女たちの激しい争奪戦を引き起こすことになる。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる