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【神の名を騙る島──南海の隠された禁風俗と、神官戦争編】
第76話『消える男たち──神の聖域の正体』
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──男たちは、どこへ消えたのか?
それが、この島に流れる最も根深い“疑問”だった。
風俗禁止法施行からすでに三年。
表向きは「神の加護により、性の堕落を防ぐ」とされているが──
実際には、規制以降のほうが「男たちの行方不明」が急増していた。
そして今、ついにその“真相”に、一行は辿り着こうとしていた。
◆
「ここです……島の奥地にある、“花嫁の谷”──」
先導したのは、かつてこの島で密かに潜入調査を行っていた元・神殿関係者の老婆だった。
「神の名のもとに選ばれた男たちは、この谷で“奉仕の儀式”を受けるのです……」
「奉仕……?」
リリアが訝しげに眉をひそめた。
老婆は首を振る。「……違います。“花嫁”としての奉仕です」
「つまり、“女性として”男を扱い、彼ら自身を“男でなくする”──そういうこと」
「なっ……!」
流星が、思わず言葉を詰まらせた。
「“無性化”です」
と、横にいたアリシアが静かに補足した。
「魔力と香、薬草を用いて性機能を停止し、“快楽”に対する自主性を喪失させる……」
「それって……もう、“洗脳”じゃねえか……!」
流星が、震える拳を握りしめる。
「自分の意思も失って……神のために“尽くす”しかない? そんなのって……」
「これが、“神の聖域”の正体なのよ」
アリシアの声は、冷えきっていた。
ミレーユが息を呑んだ。
「この島の“神託”って……まさか、そうやって“造られた男たち”が発してるの?」
老婆は、静かに頷いた。
「──神の言葉を伝えるのは、“花嫁”となった男たちです」
「彼らは……自らの喜びも、痛みも、意志すらも捨てて……ただ、“理想”の存在として振る舞う」
「それが、ここの“聖なる奉仕”なのです」
誰も、すぐには言葉を返せなかった。
しばしの沈黙の後──
ヴァネッサが、ぽつりと呟いた。
「私、てっきり……そういうプレイかと……」
「お前……」
「いや、なんかちょっと違うのよね……服従が演技じゃないっていうか……あれは、やばいわ」
彼女の眉が、珍しく真面目にしかめられていた。
「で……そいつらが、“花嫁”になった男たち?」
そう言って、ヴァネッサが指差したのは、谷の奥にある祭壇のような広場だった。
そこには、純白のローブをまとった青年たちが整列していた。
一見して中性的で、誰もが薄い笑みを浮かべ、虚ろな目をしている。
その中央で祈りを捧げていたのは──
あの《セリナ》だった。
「──神は言いました。“男は悦びに仕えることで、真の幸福を得る”と──」
その言葉に、一斉に青年たちがひざまずく。
「わたしは、神の花嫁……悦びを捧げる者……」
「悦びを捧げる者……」
「悦びを……」
「悦び……」
「こわっ……!」
リリアが思わず一歩引いた。
「これはもう、宗教ってより“肉体奉仕型の集団催眠”よ!」
アリシアが吐き捨てるように言った。
流星は……その光景を、黙って見つめていた。
拳を震わせながら、静かに言葉を吐く。
「──なあ、アリシア」
「なに?」
「こういうの見てると……逆に俺の“風俗愛”って、超健全じゃね?」
「……そこ!?」
思わずアリシアがツッコミを入れる。
しかし、彼の言葉に、皆もどこか納得してしまう。
「少なくとも、無理やり従わせたりしないからね、流星は……」
「合意と尊重があるのが風俗だ!って、めっちゃ主張するし……」
「──お前、本当に“風俗の騎士”だな」
ヴァネッサが肩を叩いてきた。
◆
その夜、祭壇裏の山道に、一行は忍び込んだ。
「奥に、“本殿”があるらしいの……“神に最も近い空間”って呼ばれてる」
老婆の言葉を頼りに、流星たちは“神の花嫁”たちの行進に紛れ、地下空間へと潜入する。
だが、その奥に待っていたのは──
「──ようこそ、“真なる神の花園”へ」
銀髪の美女。
艶やかな肢体、光を帯びた瞳。
そして背中には、夢魔特有の黒い蝙蝠の羽──
現れたのは、島の最高権力者。
“神官長”と呼ばれていた女神官の、真の姿──
《夢魔神官・レイナ》
彼女は微笑んでいた。
「すべての人々に、癒しを与えるために。私は、“神の名”を借りただけです」
「男が“自ら望んで”快楽に堕ちていくなら、それは“幸せ”なのではなくて?」
流星が、剣を抜いた。
「違うな。──俺が求めるのは、“選べる癒し”だ」
「そいつらは、選ばされてるだけだろ?」
剣が光を放つ。
「俺の癒しは、戦って掴むモンなんだよ!!」
それが、この島に流れる最も根深い“疑問”だった。
風俗禁止法施行からすでに三年。
表向きは「神の加護により、性の堕落を防ぐ」とされているが──
実際には、規制以降のほうが「男たちの行方不明」が急増していた。
そして今、ついにその“真相”に、一行は辿り着こうとしていた。
◆
「ここです……島の奥地にある、“花嫁の谷”──」
先導したのは、かつてこの島で密かに潜入調査を行っていた元・神殿関係者の老婆だった。
「神の名のもとに選ばれた男たちは、この谷で“奉仕の儀式”を受けるのです……」
「奉仕……?」
リリアが訝しげに眉をひそめた。
老婆は首を振る。「……違います。“花嫁”としての奉仕です」
「つまり、“女性として”男を扱い、彼ら自身を“男でなくする”──そういうこと」
「なっ……!」
流星が、思わず言葉を詰まらせた。
「“無性化”です」
と、横にいたアリシアが静かに補足した。
「魔力と香、薬草を用いて性機能を停止し、“快楽”に対する自主性を喪失させる……」
「それって……もう、“洗脳”じゃねえか……!」
流星が、震える拳を握りしめる。
「自分の意思も失って……神のために“尽くす”しかない? そんなのって……」
「これが、“神の聖域”の正体なのよ」
アリシアの声は、冷えきっていた。
ミレーユが息を呑んだ。
「この島の“神託”って……まさか、そうやって“造られた男たち”が発してるの?」
老婆は、静かに頷いた。
「──神の言葉を伝えるのは、“花嫁”となった男たちです」
「彼らは……自らの喜びも、痛みも、意志すらも捨てて……ただ、“理想”の存在として振る舞う」
「それが、ここの“聖なる奉仕”なのです」
誰も、すぐには言葉を返せなかった。
しばしの沈黙の後──
ヴァネッサが、ぽつりと呟いた。
「私、てっきり……そういうプレイかと……」
「お前……」
「いや、なんかちょっと違うのよね……服従が演技じゃないっていうか……あれは、やばいわ」
彼女の眉が、珍しく真面目にしかめられていた。
「で……そいつらが、“花嫁”になった男たち?」
そう言って、ヴァネッサが指差したのは、谷の奥にある祭壇のような広場だった。
そこには、純白のローブをまとった青年たちが整列していた。
一見して中性的で、誰もが薄い笑みを浮かべ、虚ろな目をしている。
その中央で祈りを捧げていたのは──
あの《セリナ》だった。
「──神は言いました。“男は悦びに仕えることで、真の幸福を得る”と──」
その言葉に、一斉に青年たちがひざまずく。
「わたしは、神の花嫁……悦びを捧げる者……」
「悦びを捧げる者……」
「悦びを……」
「悦び……」
「こわっ……!」
リリアが思わず一歩引いた。
「これはもう、宗教ってより“肉体奉仕型の集団催眠”よ!」
アリシアが吐き捨てるように言った。
流星は……その光景を、黙って見つめていた。
拳を震わせながら、静かに言葉を吐く。
「──なあ、アリシア」
「なに?」
「こういうの見てると……逆に俺の“風俗愛”って、超健全じゃね?」
「……そこ!?」
思わずアリシアがツッコミを入れる。
しかし、彼の言葉に、皆もどこか納得してしまう。
「少なくとも、無理やり従わせたりしないからね、流星は……」
「合意と尊重があるのが風俗だ!って、めっちゃ主張するし……」
「──お前、本当に“風俗の騎士”だな」
ヴァネッサが肩を叩いてきた。
◆
その夜、祭壇裏の山道に、一行は忍び込んだ。
「奥に、“本殿”があるらしいの……“神に最も近い空間”って呼ばれてる」
老婆の言葉を頼りに、流星たちは“神の花嫁”たちの行進に紛れ、地下空間へと潜入する。
だが、その奥に待っていたのは──
「──ようこそ、“真なる神の花園”へ」
銀髪の美女。
艶やかな肢体、光を帯びた瞳。
そして背中には、夢魔特有の黒い蝙蝠の羽──
現れたのは、島の最高権力者。
“神官長”と呼ばれていた女神官の、真の姿──
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彼女は微笑んでいた。
「すべての人々に、癒しを与えるために。私は、“神の名”を借りただけです」
「男が“自ら望んで”快楽に堕ちていくなら、それは“幸せ”なのではなくて?」
流星が、剣を抜いた。
「違うな。──俺が求めるのは、“選べる癒し”だ」
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