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第98話『みんなで選ぶ、はじめての“かわいい”』
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「うぉぉぉぉぉ!! ハルカ! これとか絶対似合う!!」
「いや、こっちのシースルーに挑戦だろ!!」
「サエコ先輩は……また違う意味でズルい!!」
試着室の周りで、
ミキたちがフリルだらけの下着を両手に踊り狂っていた。
もはや何の会合だかわからないテンション。
そんな中、
ハルカは手に取った下着をぎゅっと握りしめた。
(……私、いつも流されっぱなしだった)
(ミキたちに押し付けられるまま、
恥ずかしいの嫌だー!って叫んで──)
でも。
今日だけは、
ほんの少しだけ、違った。
ハルカの手の中にあるのは──
柔らかい桜色の、
小さなレースが縁取りされた、
可愛らしいブラジャーとショーツのセット。
派手すぎず、
でも地味すぎず。
そして、なにより──
「……私が、かわいいって思ったやつ」
小さく呟いた。
誰かのためじゃない。
誰かに見せるためでもない。
ただ、
自分が、自分のために、
「かわいいな」って思えたもの。
そんな下着を、
ちゃんと選びたかった。
(……恥ずかしいけど、でも)
(たまには……自分を甘やかしても、いいよね)
***
その様子を、
離れたベンチから、こっそり見ていた人がいた。
ケントだ。
ハルカが小さな袋を胸に抱えて、
くしゃっと恥ずかしそうに笑ったのを見て──
ふっと、
ほんの少しだけ、口元を緩めた。
(……まあ、たまにはいいか)
心の中でそう呟き、
荷物を持ち直す。
誰も気づかないくらい、さりげなく。
でも確かに、
ケントは、微笑んでいた。
***
「よっしゃー! 全員戦利品ゲットォォォ!!」
「カワイイは正義ー!!」
「人生にフリルをー!!」
ミキたちが叫びながら、
大荷物を抱えてレジへなだれ込んでいく。
「も、もう疲れたぁぁぁ……」
ハルカはへろへろになりながら、
それでも、心の中で小さな達成感を抱いていた。
──今日、
ちょっとだけ、大人になれた気がした。
(続く)
「いや、こっちのシースルーに挑戦だろ!!」
「サエコ先輩は……また違う意味でズルい!!」
試着室の周りで、
ミキたちがフリルだらけの下着を両手に踊り狂っていた。
もはや何の会合だかわからないテンション。
そんな中、
ハルカは手に取った下着をぎゅっと握りしめた。
(……私、いつも流されっぱなしだった)
(ミキたちに押し付けられるまま、
恥ずかしいの嫌だー!って叫んで──)
でも。
今日だけは、
ほんの少しだけ、違った。
ハルカの手の中にあるのは──
柔らかい桜色の、
小さなレースが縁取りされた、
可愛らしいブラジャーとショーツのセット。
派手すぎず、
でも地味すぎず。
そして、なにより──
「……私が、かわいいって思ったやつ」
小さく呟いた。
誰かのためじゃない。
誰かに見せるためでもない。
ただ、
自分が、自分のために、
「かわいいな」って思えたもの。
そんな下着を、
ちゃんと選びたかった。
(……恥ずかしいけど、でも)
(たまには……自分を甘やかしても、いいよね)
***
その様子を、
離れたベンチから、こっそり見ていた人がいた。
ケントだ。
ハルカが小さな袋を胸に抱えて、
くしゃっと恥ずかしそうに笑ったのを見て──
ふっと、
ほんの少しだけ、口元を緩めた。
(……まあ、たまにはいいか)
心の中でそう呟き、
荷物を持ち直す。
誰も気づかないくらい、さりげなく。
でも確かに、
ケントは、微笑んでいた。
***
「よっしゃー! 全員戦利品ゲットォォォ!!」
「カワイイは正義ー!!」
「人生にフリルをー!!」
ミキたちが叫びながら、
大荷物を抱えてレジへなだれ込んでいく。
「も、もう疲れたぁぁぁ……」
ハルカはへろへろになりながら、
それでも、心の中で小さな達成感を抱いていた。
──今日、
ちょっとだけ、大人になれた気がした。
(続く)
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