『おしっこパニックで恋が始まる!?』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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【新章・立ちション願望ギャル乱入編】

第134話『立ちション体験会(仮)、開催!?』

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 ──放課後。

 夕日が校舎を赤く染める頃。

 ハルカたちは、
 血の気の引く思いでその場面を目撃した。

 校舎裏。

 人気のないその場所で、
 黒ギャル・レイナと野生児・サバナが、
 堂々と立ちションの練習準備をしていた。

「オッケー☆」

「まずはこの“スタンディング・ユリナリーデバイス”を装着して──」

 レイナが、海外通販で取り寄せた怪しい器具を手にして、
 わくわく顔で構える。

「アタシ、憧れてたんだよね~!」

「こう、スッと立って、シュバッと放って──」

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 ハルカたち、全力絶叫&猛ダッシュ。

「なんで練習してんのぉぉぉぉぉ!!」

「校舎裏でなにしてんのぉぉぉ!!」

 ミキが息を切らしながら叫ぶ。

「立ちションは……」

「青春じゃないぃぃぃぃぃ!!」

 ナナは泣きながら突撃する。

「犯罪寸前だから!!」

「通報されるから!!」

「人生詰むからぁぁぁぁ!!」

 ユイも、珍しく声を荒げながら突進した。

(お願いだから、普通に放課後を過ごさせてぇぇぇぇ!!!)

 ハルカは、
 ほとんど涙目だった。

 ***

「え~?」

 レイナが、
 グッズを手に首を傾げた。

「だって、使ってみたくない?」

「夢、叶うんだよ?」

「風を感じながら──」

「自由に生きるって、こういうことだと思うんだよね!!」

「違うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

 ハルカ、机バンバン叩きたくなるレベルで絶叫。

「しかもこれ!」

「ちゃんと女性向けだし!」

「この角度とカーブ、完璧っしょ☆」

 レイナは得意げに、
 グッズをくるくる回しながら説明しようとする。

 その横では、
 サバナが「すごいー! かっこいいー!」と目を輝かせていた。

(やばい……この二人……)

(どっちも止められない暴走機関車じゃん……!)

 ハルカたちは、
 必死で説得を試みた。

「だからぁ!!」

「日本では、“そういうこと”は屋内のトイレでやるの!!」

「たとえ立ちションしたくても!!」

「青春でも自由でも!!」

「校舎裏で練習するのは違うぅぅぅ!!」

「でもさぁ~」

 レイナが、
 ふと思い出したように言った。

「……これ、使い方、正しいのかな?」

「え?」

「ほら、これさ──」

 レイナが取り出した説明書を広げる。

 そこに書かれていたのは──

 完全な外国語。

 英語? フランス語? いや、ドイツ語?
 とにかく読めない。

「な、なにこれ……!」

「一文字もわかんないんだけど!!」

 ミキが顔面蒼白。

「もしかして……」

「このグッズ、正式な使い方、誰も知らない……?」

 ナナが呆然と呟く。

「えへへ……」

 エミリが、
 申し訳なさそうに笑った。

「通販番組だと、なんとなくこんな感じ~って紹介されてたんですけど……」

「細かい使い方は、現地サイト見ろって書いてあって……」

「現地サイト、どこ!!?」

「読めないってば!!」

 ハルカは、
 魂の底から絶叫した。

 ***

「まぁ、なんとかなるっしょ☆」

 レイナは、
 超ポジティブに笑った。

「感覚で使えばイケるって!」

「人生、ノリと勢い!!」

「ノリと勢いで生きるなぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 ハルカたちは、
 地面に崩れ落ちた。

(……この子たちを……)

(本当に止められるのか……!?)

 前途多難どころか、
 ほぼ詰みの予感しかしない。

 だが。

 それでも。

「──絶対に、止めてみせる!!」

 ハルカは、
 心の中で拳を握り締めた。

(こんなところで青春を終わらせてたまるかぁぁぁ!!)

 ──立ちション体験会(仮)。

 それは、誰も望まなかった青春の暴走。

 だが、
 ドタバタは、これからさらに加速する──!!

(続く)
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