『おしっこパニックで恋が始まる!?』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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【新章・立ちション願望ギャル乱入編】

第133話『エミリ、まさかの最強アイテム持参』

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 翌日、朝の教室。

「──持ってきました!」

 エミリ・セレスタは、
 ランドセルのようにパンパンに膨れたバッグから、
 とんでもない形状の透明パックを堂々と取り出した。

「これは、“女性向けスタンディング・ユリナリーデバイス”です!」

「なっが!!」

「名前、なっが!!」

 ミキが全力でツッコむ。

 ナナとユイは、
 もはや無言で頭を抱えていた。

「えっと、つまり……」

「立ちション……できるやつってこと?」

 ハルカが、おそるおそる確認すると──

「はいっ♡」

 エミリは満面の笑みで頷いた。

「先日、通販番組で紹介されていたのを観て、思わず注文してしまいました!」

「“自由な女性のための革命的ツール”って紹介されてて!」

「なんて素敵なんだと思って!」

「そこまではいいけどぉぉぉ!!」

「なんで学校に持ってきたのぉぉぉぉぉ!!!」

 ハルカは、机に突っ伏して絶叫。

「だって……レイナさん、憧れてましたよね?」

「あと、サバナさんも“草むらに戻りたい”って言ってたし……」

「いやいやいやいや!!!」

「草むらに戻っちゃダメ!!」

「人類は文明を手に入れたの!!」

 ミキが拳を握って叫ぶその横で──

「──マジで!? 見せて見せて見せて!!」

 レイナが、ガッと近寄ってきた。

「うっわ、これほんとに女子用!? ちゃんと前に飛ぶ系!?」

「カーブ角ついてんじゃん! しかもこのシリコン、しなやか~!!」

「すっごぉぉぉい!!!」
「これは便利ぃぃぃぃ!!」

 後ろから、サバナも駆け寄ってくる。

「なにこれ! スゴい! すっごぉぉぉぉぉぉぉい!!」

「……だめだこいつら」

 ナナが無感情に呟き、机に頭を打ちつけた。

 ユイも“逃げたい”とだけ一言つぶやく。

 ***

「これ、使ったら、夢叶っちゃうじゃん……」

 レイナが、感極まった顔で言った。

「アタシ、立ちションできる女になれるかも……!」

「草むら再デビューしてもいいんだ……!」

 サバナが、キラキラした目で語る。

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁめぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 ハルカが、頭を掴んで叫んだ。

「なにその感動展開に持ってこうとしてんの!? 違うでしょ!?」

「グッズの使用目的、絶対に間違ってるぅぅぅ!!」

「でもでも、これがあれば──」

「草むらで立ったまま、風に吹かれながら、サラァ……って」

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

「描写するなぁぁぁぁぁ!!!!」

 ミキ、耳塞ぎながら絶叫。

「え、えっと、じゃあ、練習すればいいの?」

 エミリが手を挙げて提案した。

「今日の放課後、校舎裏とかで、みんなで一緒に立ちション練習会☆」

「開くなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 全員、声を合わせてツッコんだ。

「それ、“女子として一番やっちゃいけないイベント”だからね!?」

「しかも“みんなで”ってなんだよ!?」

「青春をどこへ向かわせようとしてるの!? 誰得!!?」

 ハルカは、
 酸欠寸前の表情で机に突っ伏した。

 ***

「でもさー、せっかく道具あるんだし、使ってみたくない?」

 レイナが、
 グッズを嬉しそうに眺めながら呟く。

「だよねー! この角度とフィット感、試してみたいよね~!」

 サバナも、完全にやる気満々。

「今は無理でも、いつか……立ちションが当たり前の時代、来るかもね!」

「来ない!!!」

 全員、叫んだ。

(……本当に)

(こいつら止めないと……)

 ハルカは、
 膝を抱えて震えた。

「次の授業、真面目に受けようね……?」

「そうだね、真面目にね……」

「とりあえず、グッズはしまおう?」

「それ、ランドセルに入れておこうか?」

「ええ~?」

 レイナとサバナが同時に不満そうな顔をした。

 エミリだけが「ふふっ、楽しいですねっ!」と笑っていた。

(いや、怖いんだよその笑顔がぁぁぁ……!!)

 ──こうして。

 最強アイテムが持ち込まれたことで、
 さらに混沌とした“日常”が幕を開ける。

 青春とは──

 たぶん、こういう方向には転がらない。

 でもこの教室では、確実に転がっていく──!

(続く)









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