『おしっこパニックで恋が始まる!?』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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【新章・尻尾グッズで大混乱編】

第142話『興味津々のミキたち女子組』

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 ──尻尾装着未遂事件から、わずか数分後。

 ようやくサバナを説得し、
 グッズを手放させたハルカたち。

(ふぅ……)

(なんとか、これで平穏が──)

 ハルカは、心底ほっとしていた。

 しかし──

「ねぇねぇ、でもさぁ」

 ミキが、
 まるで悪戯っ子のような笑顔で口を開いた。

「ちょっとだけ、試してみたくない?」

「──は?」

 ハルカの脳内で、
 警報ベルが鳴り響いた。

「だってだって!」

「普通のカチューシャとか、猫耳とかじゃわかんないじゃん?」

「こう、リアルなプリッ♡と感?」

 ミキは、
 手で腰のあたりを小さく丸く描くようなジェスチャーをした。

「……なんか……わかる……」

 ナナも、ぼそっと同意。

「ふわふわのしっぽがプリッと揺れたら、かわいい気がする」

「アニマル感というか、素の可愛さっていうか」

「わかる~!」

 レイナまでノリノリ。

「自然体で可愛いって最強だよね!」

「わかるなぁ~!」

「野生の可愛さだよね!」

 サバナも元気に賛同。

(……え?)

(ちょっと待って?)

(なんで今、全員、尻尾礼賛モードに入ってるの!?)

 ハルカは、顔を引きつらせながら、
 ぐるぐる周りを見渡した。

「だ、だめだめだめだめ!!!」

「どんな可愛いかろうが!!」

「どんなプリッとしてようが!!!」

「アレは! “入れる”グッズだから!!」

「普通に考えたらアウトだからぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ハルカ、血管切れそうな勢いで絶叫。

 しかし──

「でもハルカさ」

「お尻って、正直、プリティーじゃん?」

 ミキが、
 きょとんとした顔で言う。

「……アタシ、そんな風に考えたことないよ……」

 ナナも、
 小声で付け足した。

「なんか、こう……リスっぽく、チョコチョコ動いてたら」

「マジで可愛いと思うんだよね」

「チョコチョコ禁止ぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 ハルカ、机をバンバン叩きながら叫ぶ。

「チョコチョコ+プリッは青春破壊兵器だから!!」

「絶対やめろ!!」

「頼むから!!」

 だが。

 ハルカの叫びとは裏腹に、
 ミキもナナもサバナもレイナも、
 完全に「尻尾つけてプリティモード」に入っていた。

「え~、絶対動画映えするのに~」

「文化祭とかで使えたら神だったな~」

「ダンス踊るとき、しっぽ揺らしたらバズるよね絶対!」

 口々にそんなことを言いながら、
 尻尾を囲んでキャッキャと盛り上がっている。

(だ、だめだ……)

(誰も……誰も正気を保ってない……!!)

 ハルカは、
 頭を抱え、
 今にもその場で倒れそうだった。

 ***

 そのとき──

「……ハルカ」

 ぽつりと、誰かが声をかけた。

 見ると、ユイが真顔で立っていた。

 無表情だが、
 その手にはスマホが握られている。

「証拠撮って、後でみんなに見せたら?」

「やめろぉぉぉぉぉぉ!!!」

 ハルカ、
 全力でユイに飛びついた。

「そんなの撮ったら!!」

「黒歴史確定じゃん!!」

「アタシたちの青春、二度と取り戻せないじゃん!!」

「でも……ちょっと……面白いから……」

 ユイも、無表情のまま尻尾をちらちら見ている。

(なにこの地獄の同調圧力!?)

(誰か一人ぐらい!!)

(アタシと同じ“まとも”な感覚持ってる子はいないのぉぉぉぉ!!)

 ハルカ、
 絶望の中、地面に崩れ落ちた。

 ***

「じゃ、誰が一番似合うか大会しよっか!」

 ミキが、
 無邪気な笑顔で提案した。

「優勝者には!」

「プリティアニマルクイーンの称号を授けよう♡」

「わ~!!」

「出たい出たい!!」

 サバナとレイナが、
 大はしゃぎで手を挙げた。

「……どうする? 出る?」

 ナナが、ミキに耳打ちする。

「えへへ、もちろん♡」

「地獄だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 ハルカ、
 ついに絶叫しながら地面に倒れ込んだ。

 青春は、またしても、
 とんでもない方向へ転がり始めていた──!

(続く)
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