『おしっこパニックで恋が始まる!?』

本能寺から始める常陸之介寛浩

文字の大きさ
143 / 203
【新章・尻尾グッズで大混乱編】

第141話『面白がるサバナ、装着トライ!?』

しおりを挟む
 ──封印しかけた、あの問題の「差し込み型尻尾」。

 しかし、
 その場にいた誰よりも、
 輝く瞳を向けた少女が一人。

 サバナ・ムトワ。

 野生育ちの超陽キャ、
 今まさに、命知らずのギアを入れたところだった。

「おしりに入れるんだよね!? ね!? すごい面白そうじゃない!?」

 サバナは、
 目をキラッキラに輝かせながら叫んだ。

 そして──

 尻尾グッズをガシッとつかみ、
 堂々と腰を突き出した。

「いっちょ、やってみっか☆」

「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 ハルカたち、
 全員で同時に叫んだ。

「サバナ!!」

「お前だけは!!」

「今だけは!!」

「本当にやめてぇぇぇぇぇ!!!!」

「えぇ~? なんで~?」

 サバナは、不思議そうに首を傾げる。

「だってさ、動物に戻るってカッコよくない?」

「アタシ、前から思ってたんだ!」

「文明って、ちょっと不自然だなぁって!!」

「その理屈はわかるけどぉぉぉ!!」

「行動に移すなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 ミキが、地面を転げ回りながら絶叫。

 ナナは、「もうやだこの世界……」と天を仰いだ。

 ユイは、「やめたほうがいい」とポツリと助言したが、
 サバナの耳には届かなかった。

 ***

「ほら、こうやってさ!」

 サバナは、スカートをめくりあげようとする。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 ハルカ、超反射神経でサバナに飛びついた。

 バシィィィィ!!

 ふたり、もんどり打って地面に倒れる。

「やめて!!」

「これ以上、青春を犠牲にしないで!!」

「アタシたちの将来が、パーになるからぁぁぁ!!」

 ハルカは、必死に尻尾を取り上げようとする。

 だが──

「アタシ、夢を掴みたいだけなのにぃぃぃ!!」

 サバナも必死。

 壮絶な尻尾の奪い合いが、繰り広げられていた。

「お願い!!」

「夢は夢でいいからぁぁぁぁ!!」

「現実にしないでぇぇぇぇ!!!」

 ミキとナナも、泣きながら引き剥がしにかかる。

「みんな!!」

「冷静になって!!!」

 ユイが静かに言うが、
 誰一人、冷静ではいなかった。

 ***

「えへへっ!」

 サバナは、地面を転がりながら尻尾を掲げた。

「やっぱり、挑戦してみたいんだよね!」

「チャレンジ精神は尊いけどぉぉぉぉぉぉ!!」

「それは違うぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

 ハルカは、地面に突っ伏して泣き叫ぶ。

(なにこの光景……)

(女子高生の放課後って、もっと……こう……)

(オシャレとか恋バナとかするもんじゃないの……!?)

 しかし現実は──

 尻尾を巡って取っ組み合う女子たち。

 その姿を見たら、
 普通の人ならドン引きするに違いなかった。

 ***

「お願い、サバナ」

 ハルカは、必死に訴えた。

「アタシたち──まだ、戻れるから!」

「普通の! 健全な! 未来を生きよう!!」

「う~ん……」

 サバナは、尻尾を見つめたまま悩む。

「でも、せっかくの尻尾だし……」

「せっかくって何!? せっかくってぇぇぇぇぇ!!」

 ミキ、床を転げ回る。

「……次、通販でカチューシャ型の耳を買うから!」

「だから今回は、尻尾は封印しよ?」

 ナナが、涙ながらに懇願した。

「耳付きカチューシャなら、セーフだよ!!」

「誰にも見られても恥ずかしくないから!!」

「ほんとに?」

 サバナが、疑わしげに尋ねる。

「ほんとほんと!!」

「みんなでカチューシャ付けて写真撮ろう!!」

「そっちのほうが、絶対楽しいから!!」

「うーん……じゃあ、我慢してみる!」

 ようやく、サバナが笑顔で尻尾を手放した。

「やったぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ハルカたち、全員でガッツポーズ。

(……危なかった……)

(ギリギリで、青春が守られた……!!!)

 ──だが、その安心も束の間。

 次なるドタバタは、すでに背後に迫っていたのだった──。

(続く)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

処理中です...