149 / 203
『謎のドリンクで、止まらない!?~トイレへの疾走と青春の限界突破編~』
第147話『差し入れは、危険な味!?』
しおりを挟む
──それは、ごく普通の、なんでもない放課後のはずだった。
「今日も疲れたー!」
「てかさ、今日の英語の小テスト、絶対死んだわ……」
ミキが机に突っ伏してうなだれる中、
ナナとユイもそれぞれの椅子でだらーっと体を伸ばしていた。
ハルカは、自分のノートを閉じながら、ほっと一息。
「明日は週末かぁ……はぁ、やっと休める……」
まさに“終わった人間の群れ”がそこにあった。
しかしその静寂を──
「ちゃちゃちゃ~ん☆ 差し入れで~す!!」
バンッ!!
教室のドアが全力で開き、そこに立っていたのは、
例によって例のごとく、超元気な黒ギャル・レイナ・クロフォードだった。
両手には、カラフルで派手なラベルが印刷されたドリンク缶を大量に持っている。
「見て見てぇ♡ 海外の通販でゲットした“バキバキに効く”エナジードリンク!」
「また変なもん仕入れてきたな……」
ユイが冷ややかに呟くも、ミキは速攻で飛びついた。
「うおーっ、テンション爆上がりって書いてあるじゃん! 飲む飲む!」
「私も、なんかこういうの好き……味の冒険って感じで……」
ナナもラベルをまじまじと見つめ、一本を手に取った。
「……怪しい気もするけど……まあ、一口ぐらいなら」
ハルカも、流れに乗せられるように手を伸ばしてしまう。
ラベルにはこう書いてあった。
【Zrblé X-TREME ENERGY SHOCK!】
《原材料:パッションルート・ハイプレッシャーミント・ミスティカルウォーター・アクティブサイフォンG》
“It makes you UNLEASHED. Instantly.”(解き放て、即時に)
「いやもう訳がわかんないよ……」
缶を振りながらつぶやくハルカに、レイナが満面の笑みで言う。
「ヤバくなる系のやつほど、テンション上がるってことよ♡」
「いや、ヤバいのはテンションじゃなくて中身だからね!?」
そう言いながらも──
プシュッ!
開けてしまう音が、次々と響く。
そして。
ごくっ……ごくっ……。
「ん? 意外と味は悪くない……?」
「なんか……ハーブっぽい?ミント強めで清涼感あるー!」
「微炭酸で飲みやすいじゃん。これ、普通に売れるんじゃね?」
皆がそんな風に口々に言いながら、軽い気持ちで1本を空けたその時──
……数分後。
──異変は、唐突に、全員の下半身を襲った。
「……あれ?」
最初に声を漏らしたのは、ミキだった。
「な、なんか……やたらトイレ行きたくなってきた……」
「……あ、あたしも……」
ナナがもじもじしながら両膝をぎゅっと合わせる。
「ちょっと待って、なんでこんな急に……」
ユイも珍しく眉をひそめ、じわりと額に汗をにじませていた。
「お腹じゃない……完全に……膀胱だこれ……!!」
ハルカが、震える声でそう言った瞬間──
「まさか……」
「これ、めっちゃ利尿作用あるやつなんじゃ……!?」
ミキの顔が青ざめる。
そして、エミリが背後からふらりと現れ、
手にしたタブレットでさっきのドリンク名を検索しながら告げた。
「成分を確認したところ──これ、やはりそうですね」
「超強力な利尿ハーブ“アクティブサイフォンG”が主成分」
「要は、“トイレ我慢”特化型メンタルトレーニングドリンクです♡」
「なんじゃそりゃあああああああああ!!!!」
ハルカたち、教室中で一斉に絶叫。
「だって、そこに“集中力強化”って書いてあったもん!」
「“我慢力が集中を生む”って、どっかの武道家が言ってたらしいよ!」
レイナは能天気に笑う。
「笑ってる場合じゃないぃぃぃぃ!!」
「もう……ヤバい……!」
「トイレ……トイレ行かせてぇぇぇぇぇ!!」
ハルカたち、椅子を蹴飛ばして立ち上がる。
だが──
「おーい、そろそろ次の補習、始めるぞー!」
外から、担任・水嶋先生の声。
「席にいろよ、勝手に廊下に出るなよー!」
「──終わった……」
「ま、まさか……この状況で……!」
尿意×閉じ込め×青春。
すべてが重なった今、教室はもはや──戦場だった。
(続く)
「今日も疲れたー!」
「てかさ、今日の英語の小テスト、絶対死んだわ……」
ミキが机に突っ伏してうなだれる中、
ナナとユイもそれぞれの椅子でだらーっと体を伸ばしていた。
ハルカは、自分のノートを閉じながら、ほっと一息。
「明日は週末かぁ……はぁ、やっと休める……」
まさに“終わった人間の群れ”がそこにあった。
しかしその静寂を──
「ちゃちゃちゃ~ん☆ 差し入れで~す!!」
バンッ!!
教室のドアが全力で開き、そこに立っていたのは、
例によって例のごとく、超元気な黒ギャル・レイナ・クロフォードだった。
両手には、カラフルで派手なラベルが印刷されたドリンク缶を大量に持っている。
「見て見てぇ♡ 海外の通販でゲットした“バキバキに効く”エナジードリンク!」
「また変なもん仕入れてきたな……」
ユイが冷ややかに呟くも、ミキは速攻で飛びついた。
「うおーっ、テンション爆上がりって書いてあるじゃん! 飲む飲む!」
「私も、なんかこういうの好き……味の冒険って感じで……」
ナナもラベルをまじまじと見つめ、一本を手に取った。
「……怪しい気もするけど……まあ、一口ぐらいなら」
ハルカも、流れに乗せられるように手を伸ばしてしまう。
ラベルにはこう書いてあった。
【Zrblé X-TREME ENERGY SHOCK!】
《原材料:パッションルート・ハイプレッシャーミント・ミスティカルウォーター・アクティブサイフォンG》
“It makes you UNLEASHED. Instantly.”(解き放て、即時に)
「いやもう訳がわかんないよ……」
缶を振りながらつぶやくハルカに、レイナが満面の笑みで言う。
「ヤバくなる系のやつほど、テンション上がるってことよ♡」
「いや、ヤバいのはテンションじゃなくて中身だからね!?」
そう言いながらも──
プシュッ!
開けてしまう音が、次々と響く。
そして。
ごくっ……ごくっ……。
「ん? 意外と味は悪くない……?」
「なんか……ハーブっぽい?ミント強めで清涼感あるー!」
「微炭酸で飲みやすいじゃん。これ、普通に売れるんじゃね?」
皆がそんな風に口々に言いながら、軽い気持ちで1本を空けたその時──
……数分後。
──異変は、唐突に、全員の下半身を襲った。
「……あれ?」
最初に声を漏らしたのは、ミキだった。
「な、なんか……やたらトイレ行きたくなってきた……」
「……あ、あたしも……」
ナナがもじもじしながら両膝をぎゅっと合わせる。
「ちょっと待って、なんでこんな急に……」
ユイも珍しく眉をひそめ、じわりと額に汗をにじませていた。
「お腹じゃない……完全に……膀胱だこれ……!!」
ハルカが、震える声でそう言った瞬間──
「まさか……」
「これ、めっちゃ利尿作用あるやつなんじゃ……!?」
ミキの顔が青ざめる。
そして、エミリが背後からふらりと現れ、
手にしたタブレットでさっきのドリンク名を検索しながら告げた。
「成分を確認したところ──これ、やはりそうですね」
「超強力な利尿ハーブ“アクティブサイフォンG”が主成分」
「要は、“トイレ我慢”特化型メンタルトレーニングドリンクです♡」
「なんじゃそりゃあああああああああ!!!!」
ハルカたち、教室中で一斉に絶叫。
「だって、そこに“集中力強化”って書いてあったもん!」
「“我慢力が集中を生む”って、どっかの武道家が言ってたらしいよ!」
レイナは能天気に笑う。
「笑ってる場合じゃないぃぃぃぃ!!」
「もう……ヤバい……!」
「トイレ……トイレ行かせてぇぇぇぇぇ!!」
ハルカたち、椅子を蹴飛ばして立ち上がる。
だが──
「おーい、そろそろ次の補習、始めるぞー!」
外から、担任・水嶋先生の声。
「席にいろよ、勝手に廊下に出るなよー!」
「──終わった……」
「ま、まさか……この状況で……!」
尿意×閉じ込め×青春。
すべてが重なった今、教室はもはや──戦場だった。
(続く)
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる