前代未聞のトイレ異世界転移ファンタジー~うちのトイレは異次元でした。街中は勘弁してください。いや、そこもちょっと!~

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第241話:ゴールデンウィークのいろは坂で大渋滞がまさかの大混乱!? もう恥ずかしくて車の下に隠れたいよ!

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 俺の名前は佐藤太一、18歳。
 コンビニ飯は嫌いじゃないけど、最近は控えめにしてるつもりだ。
 友達の手料理も優しい味を頼みたいのに、つい刺激的なもんに手が伸びちまう。
 それでも俺の胃は、たまの妙な食い物でやられちまう。
 俺の日常は、引っ越し先のアパートに備え付けられた曰く付きトイレのせいで、完全にカオスと化してる。  
 トイレのドアを開けた瞬間、どこか知らない場所に便器ごと転移して、用を足さないと戻れない仕様。
 もう何回目か分からないけど、毎回メンタルが削られる。
 このトイレ、俺の状況とか感情とか完全に無視して転移先決めるっぽいし、引っ越した当初は「駅近で家賃安い、ラッキー!」なんて浮かれてた自分が恨めしい。  
 昨日は茨城県茂木町のツインリンクもてぎで、国際レースの熱気をカオスに変えてしまった。
 その前は笠間市の笠間焼の工房で伝統工芸を汚してしまったし、毎回毎回が試練だ。
 なのに、今日もまた腹がゴロゴロ鳴ってる。
 原因は昨夜の飯だ。
 美月が「太一、ゴールデンウィークのドライブに合うよ!」って持ってきた手作りタケノコご飯を食ったんだ。
「優しい味にしたよ!」って言ってたけど、隠し味の山椒が効きすぎてたのか、胃がザワついたみたいだ。
 ご飯自体はタケノコのシャキシャキ感と出汁の香りが効いてて美味かったけど、食べ終わった後にじわじわ来る感じで、「美月の優しさにもスパイスが潜んでるのか……」って実感したよ。
 それに加えて、もてぎのレースでやらかしたショックで胃が弱ってたから、ついコンビニで「腸活サポート!」ってパッケージの乳酸菌タブレット飲んじまった。
「トイレの呪いに勝つぞ!」なんてバカなこと考えたのが間違いだった。
 タケノコご飯の山椒と乳酸菌タブレットの腸活パワーが胃の中でケンカしてる感じだ。  
 学校から帰って少し音楽聞いてたけど、我慢の限界が来た。
 胃が「ギュルルル!」って唸ってて、冷や汗が止まらない。
 仕方なくトイレに駆け込んだら、ドアを開けた瞬間――
 車のクラクションと新緑の森の匂いが鼻と耳に飛び込んできた。
 目の前には栃木県日光市のいろは坂、ゴールデンウィークの大渋滞の真っ最中。
 俺の便器は、その坂のど真ん中、車がびっしり詰まった第二いろは坂の路肩にポツンと出現。  
「うおっ、いろは坂!? ゴールデンウィークの大渋滞かよ!?」  
 いろは坂の急カーブには車が「ピーッ!」とクラクションを鳴らしながらノロノロ進み、新緑の木々が鮮やかに茂ってる。
 観光客が「まだ動かねえ!」ってイライラしながら窓から顔出してて、カップルが「中禅寺湖、遠いね……」ってため息ついてる。
 ガイドバスが「いろは坂は48のカーブ、日光の名所です!」ってスピーカーで説明してるし、車のエンジンが「ブーン!」と唸ってる。
 この混雑と新緑の風情に満ちたいろは坂のど真ん中に、俺の便器がドーンと浮いてて、まるで俺が渋滞の新名物みたいになってるよ。
 いろは坂の喧騒と自然美が俺の便器でぶち壊しになってて、どうしていいか分かんねえよ!  
「こんなとこで用を足すとか、マジで無理ゲーだろ……!」  
 腹痛は待ってくれない。
 美月のタケノコご飯と乳酸菌タブレットの組み合わせが下腹部をギュルギュル締め付けてきて、冷や汗が止まらない。
 でもさ、ゴールデンウィークのいろは坂の大渋滞で、どうやって集中しろって言うんだよ!
 ドライバーが「早く進めよ!」ってクラクション連打してるし、観光客が「この渋滞、いつ終わるの?」って車内で愚痴ってる。
 カップルが「せっかくの日光旅行なのに……」ってケンカ始めてるし、子供が「トイレ行きたい!」って泣き叫んでる。
 クラクションの「ピーッ!」とエンジンの「ブーン!」が耳に響いてて、混雑すぎるこの状況が逆に焦りを増してくる。
 おばさんが「何か変な気配するね?」って俺の便器の方チラ見してるけど、見えてないはずだよな……?  
「いやいや、落ち着け俺。『俺からは見えてるけど、向こうからは見えない』がルールだろ?」  
 そう自分に言い聞かせて、深呼吸する――って、排気ガスで咳き込んじまった!
 その瞬間、腹が「グゥゥゥ!」ってデカい音立てちまった。
 渋滞の喧騒が一瞬止まって、カップルが「え、何!?」って車から顔出す。
「クラクションか?」ってドライバーが誤魔化すけど、子供が「変な音だ!」って指さす。
 おっさんが「腹減ったかな?」って笑うけど、俺の腹音がバレかけてて、心臓バクバクだ。
 見えてないはずなのに、こんなカオスな場所で注目されるなんて、俺、自分の腹に「いろは坂の渋滞壊すなよ!」って心の中で叫んでるよ!  
「やばい、やばい、やばい! 早く終わらせないと精神持たねえ!」  
 腹に全神経を集中させる。
 おっ、おっ、おっ、なんとか出そう……よし、気合入れろ!
 ブッ。  
「……うっ、渋滞を破る音がいろは坂に響いた!」  
 クラクションの喧騒に音が反響して、観光客が「何だ!?」って一斉にざわつく。
 子供が「何か鳴った!」って笑い出し、おばさんが「何!?」って目を丸くする。
 見えてないはずなのに、音が渋滞のイライラを切り裂いてバレちまったじゃん!
 カップルが「え、変な音!」って顔見合わせ、ガイドが「皆様、落ち着いて! 車の響きです!」ってスピーカーで誤魔化そうとするけど、すぐに匂いが漂ってきて混乱が広がる。
 おっさんが「この臭い、ガソリンじゃねえぞ!?」って鼻押さえ、観光客が「渋滞の匂いじゃないよね?」って騒ぎ出す。
 クラクションが「ピーッ!」と鳴り響き、エンジンが「ブーン!」と唸る。
 いろは坂全体が「謎の音と匂い」でカオスになって、俺、このゴールデンウィークの風情を台無しにしちまった罪悪感で頭おかしくなりそうだよ!
 ガイドが「いろは坂は日光の名所、楽しんで!」って叫ぶけど、誰も聞いてねえ。  
「待て待て、俺はドライバーじゃねえって! ……って、どうにもならねえ!」  
 いつもならシュールで笑える状況も、今回はいろは坂の大渋滞と新緑の風情を汚した焦りと羞恥しかない。
 子供が「オナラ坂だ!」って車内で騒ぎ、観光客が「これも渋滞のスパイス?」って笑ってる。
 カップルが「せっかくの旅行が……」って言い争い、ドライバーが「何だこの臭い!」ってクラクション連打してカオス増幅。
 いろは坂の新緑が静かに揺れる中、俺のせいで「オナラ渋滞事件」なんて語られたらどうすんだよ!
 この日光の名所の聖地が俺のせいで汚れちまった罪悪感で、笑うどころか車の下に隠れたくなるよ!  
「いや、いろは坂、ごめんって! ……って、早く帰らせてくれ!」  
 ポチャン。  
「よっしゃ、出た! 終わった! ……って恥ずかしくて死にそう!」  
 次の瞬間、頭の中にいつもの声が響く。
「ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」  
 光に包まれてアパートのトイレに戻った瞬間、便器の冷たい感触と換気扇の微かな音にホッとする。
 心臓バクバクで息を整えながら、俺は便器に座ったまま放心状態で「うわああ……」って呻く。
 笑う余裕なんてなくて、いろは坂の渋滞を汚した羞恥がまだ体に残ってるよ。  
「本当に何でこんなトイレ付きの部屋に住んじまったんだろ……」  
 汗だくで呟く。
 栃木県日光市のいろは坂でゴールデンウィークの大渋滞を台無しにするなんて、俺の人生ハードすぎるだろ。
 今回は遥や美月たちが出てこなくて一人だったけど、クラクションの喧騒と観光客のイライラが俺を追い詰めた。
 あの路肩の前で耐えた俺、よくやったよ……いや、やりたくなかったよ!  
「ったく、次のトイレはどこに飛ばされるんだよ……」  
 腹痛が収まったことに感謝しつつ、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
 次に開けるのが怖い。
 でも美月のタケノコご飯と乳酸菌タブレットの残りがまだ胃で暴れてる気がするし、またすぐ来るかもしれない。
 コンビニ飯や激辛、トイレにちなんだ食い物は控えめにしたいけど、つい手が伸びちまうんだよな。
 美味いし、友情も嬉しいし、つい食べちゃうんだよ。  
 考えてみれば、このトイレのせいで歴史や観光地をめちゃくちゃにしてきたけど、今回は日光の名所を汚しちまったよ。
 あのいろは坂の新緑とカーブの風景が頭から離れねえよ。
 いろは坂、ごめんな。
 お前の風情を汚しちまったよ。
 次は頼むから穏やかな場所に飛ばしてくれ……って、期待しても無駄か。  
 少し落ち着いて、深呼吸したいけど、この胃じゃ無理だろうな。
 美月の隠し味と乳酸菌パワーが俺を離してくれねえ。
 いろは坂のクラクションと新緑の匂いが頭に残ってて、ちょっとドライブ気分になるけど、思い出したら羞恥で震えるよ。
 次はどんな場所に飛ばされるか分からないけど、少しでも静かな場所を願いたい……って、無理か。
 このトイレ、絶対また何かやらかす気だよ。  
 タケノコご飯みたいな美味いもん、もうしばらく控えようと思ったけど、美月がまた持ってきたら断れねえだろうな。
 このトイレのせいで食い物の選択までおかしくなってるんだから、俺の胃とメンタル、どうなってんだよ。
 とりあえず、今日はもうトイレ行きたくない。
 でも腹の調子がそんな願い聞いてくれるわけないか。
 いろは坂でやらかしただけでも褒めてくれよ、自分。
 あの渋滞の前でミッションクリアしたんだからさ。
 次はどんな試練が待ってるか分からないけど、もう慣れた……いや、慣れねえよ!  
(続く……のか?)  

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