前代未聞のトイレ異世界転移ファンタジー~うちのトイレは異次元でした。街中は勘弁してください。いや、そこもちょっと!~

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第240話:ツインリンクもてぎのレースで爆音の戦いがまさかの大混乱!? もう恥ずかしくてピットに隠れたいよ!

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 俺の名前は佐藤太一、18歳。
 コンビニ飯は嫌いじゃないけど、最近は控えめにしてるつもりだ。
 友達の手料理も優しい味を頼みたいのに、つい刺激的なもんに手が伸びちまう。
 それでも俺の胃は、たまの妙な食い物でやられちまう。
 俺の日常は、引っ越し先のアパートに備え付けられた曰く付きトイレのせいで、完全にカオスと化してる。  
 トイレのドアを開けた瞬間、どこか知らない場所に便器ごと転移して、用を足さないと戻れない仕様。
 もう何回目か分からないけど、毎回メンタルが削られる。
 このトイレ、俺の状況とか感情とか完全に無視して転移先決めるっぽいし、引っ越した当初は「駅近で家賃安い、ラッキー!」なんて浮かれてた自分が恨めしい。  
 昨日は茨城県笠間市の笠間焼の工房で、400年の伝統工芸をカオスに変えてしまった。
 その前は戦国時代の塚原卜伝の立ち合いで剣聖の決闘を汚してしまったし、毎回毎回が試練だ。
 なのに、今日もまた腹がゴロゴロ鳴ってる。
 原因は昨夜の飯だ。
 彩花が「太一くん、レースの熱気に合うよ!」って持ってきた手作りスパイシーチキン丼を食ったんだ。
「優しい味にしたから!」って言ってたけど、隠し味のカイエンペッパーが効きすぎてたのか、胃がザワついたみたいだ。
 丼自体はチキンのジューシーさとスパイスのキレが効いてて美味かったけど、食べ終わった後にじわじわ来る感じで、「彩花の優しさにもスパイスが潜んでるのか……」って実感したよ。
 それに加えて、笠間焼の工房でやらかしたショックで胃が弱ってたから、ついコンビニで「腸活サポート!」ってパッケージの乳酸菌タブレット飲んじまった。
「トイレの呪いに勝つぞ!」なんてバカなこと考えたのが間違いだった。
 スパイシーチキン丼のカイエンペッパーと乳酸菌タブレットの腸活パワーが胃の中でケンカしてる感じだ。  
 学校から帰って少しマンガ読んでたけど、我慢の限界が来た。
 胃が「ギュルルル!」って唸ってて、冷や汗が止まらない。
 仕方なくトイレに駆け込んだら、ドアを開けた瞬間――
 ガソリンの匂いと、爆音のエンジン音が鼻と耳に飛び込んできた。
 目の前には茨城県茂木町のツインリンクもてぎ、国際レーシングコースのレース真っ最中。
 俺の便器は、そのサーキットのど真ん中、ホームストレートのグランドスタンド前のトラック脇にポツンと出現。  
「うおっ、ツインリンクもてぎ!? レースのど真ん中かよ!?」  
 サーキットではレーシングカーが「ブオオオン!」と爆音を響かせ、ホームストレートを300km/hで駆け抜けてる。
 観客が「すげえ!」「ファイト!」ってスタンドで大歓声あげてて、カップルが「このスピード、ヤバいね!」って興奮してる。
 ガイドが「ツインリンクもてぎは国際レースの聖地、スーパーGTやMotoGPが開催されます!」ってアナウンスしてるし、タイヤの「キキー!」と風の「ゴオオ!」が響いてる。
 この熱気とスピードに満ちたレースのど真ん中に、俺の便器がドーンと浮いてて、まるで俺がレースの新障害物みたいになってるよ。
 ツインリンクもてぎの爆音と興奮が俺の便器でぶち壊しになってて、どうしていいか分かんねえよ!  
「こんなとこで用を足すとか、マジで無理ゲーだろ……!」  
 腹痛は待ってくれない。
 彩花のスパイシーチキン丼と乳酸菌タブレットの組み合わせが下腹部をギュルギュル締め付けてきて、冷や汗が止まらない。
 でもさ、ツインリンクもてぎのホームストレート脇で、どうやって集中しろって言うんだよ!
 レーシングカーが「ブオオオン!」と目の前を猛スピードで通過してるし、観客が「ゴールだ!」「抜け!」ってスタンドで叫びまくってる。
 カップルが「次はピット行こう!」ってフラッグ振ってるし、ピットの無線が「ピットイン、準備!」と響いてる。
 エンジンの「ブオオ!」とタイヤの「キキー!」が耳に響いてて、熱気すぎるこの状況が逆に焦りを増してくる。
 おばさんが「何か変な気配するね?」って俺の便器の方チラ見してるけど、見えてないはずだよな……?  
「いやいや、落ち着け俺。『俺からは見えてるけど、向こうからは見えない』がルールだろ?」  
 そう自分に言い聞かせて、深呼吸する――って、エンジン音で頭がクラクラする!
 その瞬間、腹が「グゥゥゥ!」ってデカい音立てちまった。
 レースの喧騒が一瞬止まった気がして、カップルが「え、何!?」って振り返る。
「エンジンの音かな?」ってガイドが誤魔化すけど、子供が「変な音だ!」って指さす。
 観客のおっさんが「腹減ったかな?」って笑うけど、俺の腹音がバレかけてて、心臓バクバクだ。
 見えてないはずなのに、こんな熱狂的な場所で注目されるなんて、俺、自分の腹に「レースの興奮壊すなよ!」って心の中で叫んでるよ!  
「やばい、やばい、やばい! 早く終わらせないと精神持たねえ!」  
 腹に全神経を集中させる。
 おっ、おっ、おっ、なんとか出そう……よし、気合入れろ!
 ブッ。  
「……うっ、爆音を破る音がサーキットに響いた!」  
 エンジンの轟音に混じって音が響き、観客が「何だ!?」って一斉にざわつく。
 子供が「何か鳴った!」って笑い出し、おばさんが「何!?」って目を丸くする。
 見えてないはずなのに、音がレースの熱気を切り裂いてバレちまったじゃん!
 カップルが「え、変な音!」って顔見合わせ、ガイドが「皆様、落ち着いて! マシンの響きです!」って誤魔化そうとするけど、すぐに匂いが漂ってきて混乱が広がる。
 おっさんが「この臭い、ガソリンじゃねえぞ!?」って鼻押さえ、観客が「サーキットの匂いじゃないよね?」って騒ぎ出す。
 タイヤの「キキー!」とエンジンの「ブオオ!」が妙に大きく聞こえ、ホームストレートが異様な空気に包まれる。
 サーキット全体が「謎の音と匂い」でカオスになって、俺、このツインリンクもてぎのレースを台無しにしちまった罪悪感で頭おかしくなりそうだよ!
 ガイドが「ツインリンクもてぎは世界のレースの舞台です、応援を!」って叫ぶけど、誰も聞いてねえ。  
「待て待て、俺はレーサーじゃねえって! ……って、どうにもならねえ!」  
 いつもならシュールで笑える状況も、今回はもてぎの爆音とレースの興奮を汚した焦りと羞恥しかない。
 子供が「オナラカーだ!」って走り回り、観客が「これもレースのサプライズ?」って笑ってる。
 カップルが「せっかくの観戦が……」って言い争い、ガイドが「次はピットの見学です、落ち着いて!」って必死に誘導するけど、誰も動かねえ。
 レーシングカーが「ブオオオン!」と通過する中、俺のせいで「オナラレース事件」なんて語られたらどうすんだよ!
 この国際レースの聖地が俺のせいで汚れちまった罪悪感で、笑うどころかピットに隠れたくなるよ!  
「いや、ツインリンクもてぎ、ごめんって! ……って、早く帰らせてくれ!」  
 ポチャン。  
「よっしゃ、出た! 終わった! ……って恥ずかしくて死にそう!」  
 次の瞬間、頭の中にいつもの声が響く。
「ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」  
 光に包まれてアパートのトイレに戻った瞬間、便器の冷たい感触と換気扇の微かな音にホッとする。
 心臓バクバクで息を整えながら、俺は便器に座ったまま放心状態で「うわああ……」って呻く。
 笑う余裕なんてなくて、ツインリンクもてぎのレースを汚した羞恥がまだ体に残ってるよ。  
「本当に何でこんなトイレ付きの部屋に住んじまったんだろ……」  
 汗だくで呟く。
 茨城県茂木町のツインリンクもてぎで国際レースを台無しにするなんて、俺の人生ハードすぎるだろ。
 今回は遥や彩花たちが出てこなくて一人だったけど、観客の歓声とエンジンの爆音が俺を追い詰めた。
 あのホームストレートの前で耐えた俺、よくやったよ……いや、やりたくなかったよ!  
「ったく、次のトイレはどこに飛ばされるんだよ……」  
 腹痛が収まったことに感謝しつつ、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
 次に開けるのが怖い。
 でも彩花のスパイシーチキン丼と乳酸菌タブレットの残りがまだ胃で暴れてる気がするし、またすぐ来るかもしれない。
 コンビニ飯や激辛、トイレにちなんだ食い物は控えめにしたいけど、つい手が伸びちまうんだよな。
 美味いし、友情も嬉しいし、つい食べちゃうんだよ。  
 考えてみれば、このトイレのせいで歴史や観光地をめちゃくちゃにしてきたけど、今回はレースの聖地を汚しちまったよ。
 あのレーシングカーのスピードと観客の熱狂が頭から離れねえよ。
 ツインリンクもてぎ、ごめんな。
 お前の興奮を汚しちまったよ。
 次は頼むから穏やかな場所に飛ばしてくれ……って、期待しても無駄か。  
 少し落ち着いて、深呼吸したいけど、この胃じゃ無理だろうな。
 彩花の隠し味と乳酸菌パワーが俺を離してくれねえ。
 もてぎのエンジン音とタイヤのキレが頭に残ってて、ちょっとアドレナリン感じる気分になるけど、思い出したら羞恥で震えるよ。
 次はどんな場所に飛ばされるか分からないけど、少しでも静かな場所を願いたい……って、無理か。
 このトイレ、絶対また何かやらかす気だよ。  
 スパイシーチキン丼みたいな美味いもん、もうしばらく控えようと思ったけど、彩花がまた持ってきたら断れねえだろうな。
 このトイレのせいで食い物の選択までおかしくなってるんだから、俺の胃とメンタル、どうなってんだよ。
 とりあえず、今日はもうトイレ行きたくない。
 でも腹の調子がそんな願い聞いてくれるわけないか。
 ツインリンクもてぎでやらかしただけでも褒めてくれよ、自分。
 あのサーキットの前でミッションクリアしたんだからさ。
 次はどんな試練が待ってるか分からないけど、もう慣れた……いや、慣れねえよ!  
(続く……のか?)  

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