【完結】婚約破棄され国外追放された姫は隣国で最強冒険者になる

まゆら

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番外編 水晶玉が語るのは…

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たらふく昼食を食べたミディ一行はギルドへ。

ギルマスの執務室に転移しただけなんだけどね。

「はーい!

来たわよ!先程ぶり!」

「さきほど、ぶりぶりぃ」

「こんにちは!

冒険者登録しに来ました!

宜しくお願いします!」

「いらっしゃい!

こちらこそ、宜しく!

先にこの紙に書いてある質問に答えてくれるかな?

その間に登録の準備をするからね。

この椅子に座って」


ミディとパミラがテンション高めなのに対し…

ギルマスのテンションは低いようだ。

ミルティーヌは緊張しているらしく、頬が赤くなっていて動きがぎこちない。

後ろでミルティーヌを見守るふたりはニヤニヤしている。


魔力鑑定用の水晶玉は、魔力量が多くても割れない仕様の物を出して来たようだ。

「名前は、ミルティーヌ・ノティス。

ええーっ。ディオン様のお孫さんでアイリス様の姪なのですね。

私…おふたりを敬愛しております!」

ギルドの登録用紙に書き込まれた名前に過剰反応するギルマスに…

「ちょっと!

私だってディオンの孫で、アイリスの娘なんですけど?」

「知っているよ?

なんだ?今更!」

「2人とも、空気悪くしちゃ…

メッだよ?」

「「すみません!」」

「ぷっ…もう…笑わせないでよ!

次は、何をするの?

この水晶玉に手をかざしたらよいのかしら?」

「はい!左手でお願いします」

ミルティーヌが水晶玉に手をかざすと…

七色に輝き出した。

「あなたは、光属性が強いです!

あなたは回復魔法に優れています!

ヒーラーで登録してもよいですか?」

「「「えっ?」」」

「水晶玉喋るの?」

「水晶玉キレイ!虹みたい!」

「水晶玉が賢くなってる!」

「凄いだろ?

昨日ディオン様から届いたんだよ。

ミルティーヌが来たら使って欲しいと言われて…

ノティス商会から来月発売されるみたいだぞ?

犯罪者が偽名で登録しようとすると、登録不可になりみたいだな」


「「御祖父様すごい!」」

「ディオンやるね!」

「そうだよ?

ディオン様は素晴らしい方なんだからな!」

ディオン崇拝者なのか、ディオンとディオンが発明してきた魔道具について熱く語るギルマス。

「ちょっと!

御祖父様の話はいいから、カード発行してよ?」

「ミルティーヌさんが、登録しますって水晶玉に話しかけたら発行されるよ?」

「えっ?

凄いじゃん!

ギルドがいらなくなるんじゃ…」

「おい!

俺の仕事とるなよ!」

「あっ。

カード出てきた!

凄い!これで私、冒険者なんだね」

「このカードが身分証になるから、何処にでも行けるよ?

光属性は稀少だから、直ぐにパーティーに入って活躍も可能だし…

優れたヒーラーでおまけに美人なら大人気になるよ」

「ミル…どうしたい?

依頼を受けたいなら、私とパミラと行ってみる?」

「私…職人ギルドに登録したい!

私も御祖父様みたいに誰かに役立つ魔道具を作るの!

癒しに特化した魔道具を作ってみたい!

ミディ姉様…

私、ゼルダとお仕事がしたいの。

ゼルダが野薔薇姫ってブランドを作るって言ってたから、私が作る商会で専属契約をしたいの。

ダメかしら?」

魔力鑑定を受けてあなたは回復魔法に優れていると言われた時にハッキリとわかったんだ。

私がやりたい事は何かって。

アイリス様が大神殿から去ったように、私は花嫁修行は辞めて自分の店を持ちたいのだ。

尊敬する祖父のように!

「ダメじゃないわよ?

ゼルダと話し合ったらよいわ。

その前に職人ギルドに登録して、開業届けを出さないとね。

ギルマス悪いけど、連絡してよ?

私、今のギルマスが誰か知らないのよね」

「人使いが荒すぎないか?

仕方ないから連絡するけど…

場所はわかるよな?

隣だからな?

気をつけていけよ。

あっちは曲者だらけだからな」

「有難うございます!」

「有難うな、また来るよ」

「ありがとう!バイバイッ」

三人が去って行く後ろ姿を見てため息をつくギルマスの頭皮がさっきより、薄く感じるのは気のせいなのか、どうなのか…











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