転生したけど平民でした！もふもふ達と楽しく暮らす予定です。

しろうさぎのお嬢さん

ここはジュビアの隣国であるアーライ神国の神殿。

神殿に遣える巫女たちは今日もにぎやかだ。

巫女たちの話の中心にいるのは、しろうさぎ獣人の可愛い娘である。

赤いつぶらな瞳に白くてふわふわな毛並み。

小柄で可愛らしい彼女は巫女たちのマスコット的な存在である。

彼女は巫女たちの中では最年少でまだ巫女見習いという立場でありながら光魔法に秀でている事もあり、

神殿で、定期的に行われている医療機関では治せない重病患者を癒す為の儀式には欠かせない存在になっている。

そんなしろうさぎ獣人の娘であるが、生まれながらの婚約者がいることもあり、婚姻可能な１６歳に達した事から巫女になる前に結婚するのではないかと言われていた。

そんな彼女ジュリの婚約者はアーライ神の側近で物腰も柔らかく優しい気性、勤勉な態度で評価も高いしろうさぎ獣人のラビだった事もあり、みんなからうらやましがられていた。

「ジュリ様が本当にうらやましいわ。ラビ様のようなお優しい方が婚約者なのですもの。」

「本当に。ジュリ様はもうそろそろ結婚なさるの？ラビ様はもう成人されましたし、しろうさぎ族は早婚なんでしょ？」

巫女見習い仲間に囲まれて困りながらも幸せそうなジュリである。

というのも、今は隣国で修行中の愛しい婚約者から定期便が届いたのだ。

２週間ごとに、新作のお菓子やジュビアの女性に人気の小物やドレス等を贈ってくれるのだ。

ラビ兄さまは本当にマメだわ。

毎回、近況報告やジュリを気づかう手紙も入っている。

今回は、うさぎ桜の形のクッキーと桜クリームが入った淡いピンクのマカロンが沢山入っていた。

「まぁ！可愛らしいこと！食べるのがもったいないわね。ジュリ様の婚約者は器用でいらっしゃる。流石はアーライ神専属パティシエですわ。」

食べた感想が聞きたいみたいなのでみんなで食べませんか？

ジュビア特産の美味しい紅茶も入ってたんですよ。

「ラビ様はマメですわね。私が紅茶をいれますわ。」

ありがとう！マール様。

しろねこ獣人の族長の娘で、同じ巫女見習いの仲良しであるマールに紅茶の準備を任せてお菓子を配る事にしたジュリである。

総勢10人の巫女見習いの娘たちは美味しいお菓子を食べ、口々に感想を述べ、自分たちの分までお菓子を贈ってくれるジュリの優しい婚約者を褒め称えるのであった。

◇◇◇◇

ラビ‥恋愛に疎いわけじゃなかったみたいだね。

アーライに可愛らしい婚約者がいて結婚の準備も進んでるみたいだし‥


結婚後は、アーライに帰ってしまうの？

それともジュリがこっちに来るのかな？