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第6章 知力100の美少女に転生したので、世界を救ってみた
閑話18 玖門竜胆(オムカ王国プレイヤー)
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暗闇の中、自分の鼓動だけが激しく聞こえる。
「ぐっ……あぁ……」
苦しい。胸から心臓が飛び出しそう。
何より、熱い。体が燃えるように。痛みが全身を駆け巡る。
「竜胆!?」
大丈夫、と答えたくても言葉が出ない。
出るのはただ雄たけびだけ。
「あああああああ!」
何かが変わった。
自分の中で、ガチリ、と歯車が切り替わった感覚。
再び視界が戻ったとき、空にいた。
ただ浮いている感じはない。視界がすごい高い。あの巨大ロボ、その顔を真正面から見ることができているから。その手のひらにいるお嬢様的な人も、目を見開いて見上げてくる。
あれ? これってどういうやつです? 巨大化しちゃった?
だが、そういうことではなさそうだった。
「ド、ドラゴンだぁー! 逃げろ、総司! 総司? どこ行った、総司!?」
「か、怪獣大決戦とか……はは……」
遥か下の地面に新沢さんと愛良さん。
え? ドラゴン? 怪獣? もしかして――
「なんじゃこりゃー!」
手を見る。
あのぷにぷにして柔らかいのがひそかに自慢の私の手が、ごつごつして何より手入れしてた爪も、なんか無駄に長くて尖っててすごく不格好。てか腕が太い。ごんぶと。
さらに下を見れば、服なんてものはなく、なんか見たことのないごつごつした肌をして何よりやっぱりごんぶとだ。
えっと、これってもしかしてあれですか?
私がドラゴンでドラゴンが私で?
「ええい、アラン! やっておしまいなさい!」
っと、そんなことを言っている場合じゃなかったです。
巨大ロボがこちらを睨み、その瞳が怪しく光る。
あのビーム!
そう思ったら体が動いていた。
10メートルは離れていたはずの距離を、3歩でゼロにする。
早い。違う。歩幅が大きいんだ。でも間に合った。手。短い。なんで! ええい、めんどくさい!
「正義!」
勢いそのままぶつかった。
「あぁぁぁ! アラン!」
あ、女の人がいたんだ気を付けないと。
でもロボが態勢を崩したことで、目からのビームは角度を変えて、遥か上空へと飛んで消えた。
「……ジャスティスって、その声、竜胆!?」
「何!? 総司なのか!?」
下から愛良さんたちが叫ぶ。
よかった。分かってくれた。
けどどこか踏みつぶしそうで怖い。
「危ないから下がっててください! ここは私が正義します!」
「わ、わかった……」
どこか後ろ髪引かれる様子の愛良さんも、新沢さんが引っ張って連れて行った。
よし、これで存分に戦えます。
ふふ、やはり正義の最終決戦は巨大化ですよね!
まぁ人型じゃないのが気になりますが。
「く、そんな図体だからって舐めないでよ。アラン!」
と、ロボが動き、女の人を乗せた腕を、近くの民家の屋上につける。
ひらりとジャンプで飛び移るお嬢様。意外と身軽だ。
「さらに! アラン! オフェンシブモード!」
お嬢様的な人を避難させ、両腕が自由になったロボ。
両腕を腰だめに。すると顔の目の部分が吊り上がるように変わり、さらに両肩が変形し1メートルほどの羽みたいなものが生えた。
何これ、変形した、超カッコいい!
「GO! アラン!」
っと、感心している場合じゃないですね。
真正面から来るなら受けるしかない。
右のパンチが来る。よけれない。木刀もない。
だから手で、いまいち大きさのない左手を突き出す。受け止めた。痛みは少し。いける!
左も来た。だから右手で受け止めた。がっちりと両手で押し合い形。膠着した。
なら!
両手の力を少し抜く。
すると相手はつんのめるように前がかりになる。チャンス!
「正義ヘッドボンバー正義ハンマー頭突き!」
思いっきり頭を突き出し、相手の頭部にぶつけた。
ガンっと激しい痛みが頭部に来るけど、相手の方がダメージが大きい。
ここは畳みかける!
「正義パーンチ! 正義キック! 正義ボディアターック! 正義シャイニングウィザード!」
連撃に耐え切れず、ロボが後退する。
「何をやってるんですの、アラン! 装備追加ですわ! アラングレートZハイMk-2カスタム改ブラストバーニングウェポンシステム・オフェンシブモードネオ!!」
ロボの周囲の時空が歪み、そこから出てきたのはパーツらしきもの。
背中にブースターみたいなものがつき、そこからせり出た砲台が肩に乗る。さらに両手にどでかいライフルが現れ、それを装着。4つの巨大な砲がこちらに向いた。
そんなのってありです!?
「ファイアー!」
4つの砲門から来る。巨大なビームの塊。
これはまずいです。
避けようと思えばできそうだけど、そうすると背後にある王宮に直撃する。
しなくてもまた北門のあたりで悲惨なことになる。
なら、迎え撃つしかない。
できる。この九紋の竜、その力なら!
「正義ブラスター!!」
口からなんか出た!
それは一直線に伸び、ロボの放った4門のビームと激突。
スパークを起こし、爆散する。
「きゃあ!」
悲鳴。
見れば、民家の屋上でお嬢様的な人が倒れている。
衝撃波に吹き飛ばされたのだろう。
そして爆炎が宙に消えた向こう。
命令する人を失い、ねじが切れたおもちゃのように、たたずむロボがいる。
これが最後の一撃です。
こんなはた迷惑なものは破壊してしまいましょう。
そして怪獣の決め技と言えばこれ。
「正義スーパーワンダフルミラクル正義口からビーム!」
口から出た何かはロボに直撃し、そして爆散――することなく、砂のように、さらさらと崩れていってしまった。
後には何も残らない。まるでこれまでのことが嘘だったかのように、静か。いや、事実が1つ。
それは自分の体で――
「竜胆! 大丈夫なのか!?」
「総司、無事か!」
ロボの消失を知り、2人が戻ってくるのが見えた。
なんとか、間に合ってよかった。
安堵が全身を満たす。
「新沢さん、そこの屋上にさっきのお嬢様的な人がいます。気を失っているみたいなので、確保お願いします」
「分かった。よし、この近藤勇こと俺をボコった落とし前をつけてやろう」
走り出す新沢さんを見て苦笑する。
やっぱり彼女、もといあの執事にやられてたんですね。
ズキリ、胸が痛む。
あー、タイマーが。というか、時間切れですね。
「竜胆、お前……」
「お別れです、愛良さん」
「え!?」
「この九紋は、使ったらもう、戻れないみたいで」
「そ、そんな……嘘だろ。いつも見たく、正義で復活するんだろ!?」
「……だったら、良かったんですけどね」
正義は必ず勝つ。
けど、本当に正義って何だろう。
今の私は、正義なのか。
正義だから勝ったのか。
いや、勝ったと言っていいのか。
分からない。
けど、そんなことはもう、どうでもよかった。
「ちょ、ちょっと待ってろ。今、医者……か? ええい、なんでもいい。連れてくるから」
あぁ、もう。本当にこの人は。
本当は、優しいんだから。
だから私相手に本気は出さないし、非道を見限ってこっちについてくれた。
だからきっとあとは任せられる。
もう、満足だった。
王都を守れて、皆を守れて、あのお嬢様も気絶で済んで、さらに、後を頼む人もいて。
うん、それだけ見れば、正義の勝利って言ってもいいんじゃないかな?
ぐらっと、体のバランスが崩れる。
見れば、足首の先が砕けていた。手も先の方からボロボロと崩れていく。
あー、こういう終わりですか。
ま、いっか。何もかもなくなっても、私は皆の心に残ると思えば。
立っていられなくなり、膝をつく。その膝も、砕けた。
「竜胆! おい、しっかりしろよ!」
崩れた膝にすがりつくように、愛良さん。泣いているのかもしれない。
「いんです。それより、あとを……孤児院を。そして、先輩を……お願いします」
「馬鹿……野郎」
腰が文字通り砕けた。腕も肩から先がない。
もう、感覚も何もない。
さようなら、先輩。
竜胆はここまでです。
でも、出会ってから今まで。とても楽しかった。
最期に正義も示すことができたし。
満足、なんですよ。
これ以上ない、充足の中にいます。
だから、頑張って……くださいね。
そして――すべてが砕けた。
「べぇーっくしょん!」
思い切りくしゃみをした。
あれ? 死後の世界でくしゃみするの?
目を開けた。
目の前に、愛良さんがいた。
「り、竜胆……」
涙と鼻水でぐしょぐしょの愛良さん。
一拍を置いて、そのまま抱き着いてきた。
「え? あれ? 私……べぇっくし!」
なんで寒いかと思ったら、何も着てなかった。
春先とはいえ、さすがに裸は肌寒い。
えっと、てかなんで?
変身したら、死ぬんじゃないの? 本当に生きてる?
死後の世界が、実はこれまでの世界の延長線上にあるとか?
それってもう死後とかなくない?
『生きてる生きてる。それに死ぬとは言ってないからねー、それもまた正義! なんてね! ではではーにゃははー。以上、女神ちゃんでしたー』
誰かの声。
誰でも構わない。
生きている。それならもう、それでいい。
「よかった。もう、本当に……馬鹿なんだよ」
「うぅ、なんか褒められてる気がしないです」
「当たり前だ。怒ってんだよ。あんな無茶しやがって」
けど愛良さんは笑顔だった。
心の底から、笑ってくれていた。
それが嬉しくて、自分もまた笑う。
破壊と崩壊の世界の中、2人して笑う。
やがて愛良さんは肩の力を落とし、そして、降参というように両手を挙げた。
「オレの負けだ。煮るなり焼くなり、好きにしてくれ」
どうにでもしてくれって様子。
けどそんなことは許さない。
死ぬなんて、もったいない。
「はい! 煮るなり焼くなり、生きてもらいます! 愛良さん! それが正義ですから!」
そして笑顔を見せる。
想いが愛良さんへ届くと信じて。
そして愛良さんも、苦笑気味にだけど、笑ってくれた。
やっぱり正義だから勝つんじゃない。
勝つから正義でもない。
みんな頑張ってハッピーなエンド。
それこそが正義なんです!
「ぐっ……あぁ……」
苦しい。胸から心臓が飛び出しそう。
何より、熱い。体が燃えるように。痛みが全身を駆け巡る。
「竜胆!?」
大丈夫、と答えたくても言葉が出ない。
出るのはただ雄たけびだけ。
「あああああああ!」
何かが変わった。
自分の中で、ガチリ、と歯車が切り替わった感覚。
再び視界が戻ったとき、空にいた。
ただ浮いている感じはない。視界がすごい高い。あの巨大ロボ、その顔を真正面から見ることができているから。その手のひらにいるお嬢様的な人も、目を見開いて見上げてくる。
あれ? これってどういうやつです? 巨大化しちゃった?
だが、そういうことではなさそうだった。
「ド、ドラゴンだぁー! 逃げろ、総司! 総司? どこ行った、総司!?」
「か、怪獣大決戦とか……はは……」
遥か下の地面に新沢さんと愛良さん。
え? ドラゴン? 怪獣? もしかして――
「なんじゃこりゃー!」
手を見る。
あのぷにぷにして柔らかいのがひそかに自慢の私の手が、ごつごつして何より手入れしてた爪も、なんか無駄に長くて尖っててすごく不格好。てか腕が太い。ごんぶと。
さらに下を見れば、服なんてものはなく、なんか見たことのないごつごつした肌をして何よりやっぱりごんぶとだ。
えっと、これってもしかしてあれですか?
私がドラゴンでドラゴンが私で?
「ええい、アラン! やっておしまいなさい!」
っと、そんなことを言っている場合じゃなかったです。
巨大ロボがこちらを睨み、その瞳が怪しく光る。
あのビーム!
そう思ったら体が動いていた。
10メートルは離れていたはずの距離を、3歩でゼロにする。
早い。違う。歩幅が大きいんだ。でも間に合った。手。短い。なんで! ええい、めんどくさい!
「正義!」
勢いそのままぶつかった。
「あぁぁぁ! アラン!」
あ、女の人がいたんだ気を付けないと。
でもロボが態勢を崩したことで、目からのビームは角度を変えて、遥か上空へと飛んで消えた。
「……ジャスティスって、その声、竜胆!?」
「何!? 総司なのか!?」
下から愛良さんたちが叫ぶ。
よかった。分かってくれた。
けどどこか踏みつぶしそうで怖い。
「危ないから下がっててください! ここは私が正義します!」
「わ、わかった……」
どこか後ろ髪引かれる様子の愛良さんも、新沢さんが引っ張って連れて行った。
よし、これで存分に戦えます。
ふふ、やはり正義の最終決戦は巨大化ですよね!
まぁ人型じゃないのが気になりますが。
「く、そんな図体だからって舐めないでよ。アラン!」
と、ロボが動き、女の人を乗せた腕を、近くの民家の屋上につける。
ひらりとジャンプで飛び移るお嬢様。意外と身軽だ。
「さらに! アラン! オフェンシブモード!」
お嬢様的な人を避難させ、両腕が自由になったロボ。
両腕を腰だめに。すると顔の目の部分が吊り上がるように変わり、さらに両肩が変形し1メートルほどの羽みたいなものが生えた。
何これ、変形した、超カッコいい!
「GO! アラン!」
っと、感心している場合じゃないですね。
真正面から来るなら受けるしかない。
右のパンチが来る。よけれない。木刀もない。
だから手で、いまいち大きさのない左手を突き出す。受け止めた。痛みは少し。いける!
左も来た。だから右手で受け止めた。がっちりと両手で押し合い形。膠着した。
なら!
両手の力を少し抜く。
すると相手はつんのめるように前がかりになる。チャンス!
「正義ヘッドボンバー正義ハンマー頭突き!」
思いっきり頭を突き出し、相手の頭部にぶつけた。
ガンっと激しい痛みが頭部に来るけど、相手の方がダメージが大きい。
ここは畳みかける!
「正義パーンチ! 正義キック! 正義ボディアターック! 正義シャイニングウィザード!」
連撃に耐え切れず、ロボが後退する。
「何をやってるんですの、アラン! 装備追加ですわ! アラングレートZハイMk-2カスタム改ブラストバーニングウェポンシステム・オフェンシブモードネオ!!」
ロボの周囲の時空が歪み、そこから出てきたのはパーツらしきもの。
背中にブースターみたいなものがつき、そこからせり出た砲台が肩に乗る。さらに両手にどでかいライフルが現れ、それを装着。4つの巨大な砲がこちらに向いた。
そんなのってありです!?
「ファイアー!」
4つの砲門から来る。巨大なビームの塊。
これはまずいです。
避けようと思えばできそうだけど、そうすると背後にある王宮に直撃する。
しなくてもまた北門のあたりで悲惨なことになる。
なら、迎え撃つしかない。
できる。この九紋の竜、その力なら!
「正義ブラスター!!」
口からなんか出た!
それは一直線に伸び、ロボの放った4門のビームと激突。
スパークを起こし、爆散する。
「きゃあ!」
悲鳴。
見れば、民家の屋上でお嬢様的な人が倒れている。
衝撃波に吹き飛ばされたのだろう。
そして爆炎が宙に消えた向こう。
命令する人を失い、ねじが切れたおもちゃのように、たたずむロボがいる。
これが最後の一撃です。
こんなはた迷惑なものは破壊してしまいましょう。
そして怪獣の決め技と言えばこれ。
「正義スーパーワンダフルミラクル正義口からビーム!」
口から出た何かはロボに直撃し、そして爆散――することなく、砂のように、さらさらと崩れていってしまった。
後には何も残らない。まるでこれまでのことが嘘だったかのように、静か。いや、事実が1つ。
それは自分の体で――
「竜胆! 大丈夫なのか!?」
「総司、無事か!」
ロボの消失を知り、2人が戻ってくるのが見えた。
なんとか、間に合ってよかった。
安堵が全身を満たす。
「新沢さん、そこの屋上にさっきのお嬢様的な人がいます。気を失っているみたいなので、確保お願いします」
「分かった。よし、この近藤勇こと俺をボコった落とし前をつけてやろう」
走り出す新沢さんを見て苦笑する。
やっぱり彼女、もといあの執事にやられてたんですね。
ズキリ、胸が痛む。
あー、タイマーが。というか、時間切れですね。
「竜胆、お前……」
「お別れです、愛良さん」
「え!?」
「この九紋は、使ったらもう、戻れないみたいで」
「そ、そんな……嘘だろ。いつも見たく、正義で復活するんだろ!?」
「……だったら、良かったんですけどね」
正義は必ず勝つ。
けど、本当に正義って何だろう。
今の私は、正義なのか。
正義だから勝ったのか。
いや、勝ったと言っていいのか。
分からない。
けど、そんなことはもう、どうでもよかった。
「ちょ、ちょっと待ってろ。今、医者……か? ええい、なんでもいい。連れてくるから」
あぁ、もう。本当にこの人は。
本当は、優しいんだから。
だから私相手に本気は出さないし、非道を見限ってこっちについてくれた。
だからきっとあとは任せられる。
もう、満足だった。
王都を守れて、皆を守れて、あのお嬢様も気絶で済んで、さらに、後を頼む人もいて。
うん、それだけ見れば、正義の勝利って言ってもいいんじゃないかな?
ぐらっと、体のバランスが崩れる。
見れば、足首の先が砕けていた。手も先の方からボロボロと崩れていく。
あー、こういう終わりですか。
ま、いっか。何もかもなくなっても、私は皆の心に残ると思えば。
立っていられなくなり、膝をつく。その膝も、砕けた。
「竜胆! おい、しっかりしろよ!」
崩れた膝にすがりつくように、愛良さん。泣いているのかもしれない。
「いんです。それより、あとを……孤児院を。そして、先輩を……お願いします」
「馬鹿……野郎」
腰が文字通り砕けた。腕も肩から先がない。
もう、感覚も何もない。
さようなら、先輩。
竜胆はここまでです。
でも、出会ってから今まで。とても楽しかった。
最期に正義も示すことができたし。
満足、なんですよ。
これ以上ない、充足の中にいます。
だから、頑張って……くださいね。
そして――すべてが砕けた。
「べぇーっくしょん!」
思い切りくしゃみをした。
あれ? 死後の世界でくしゃみするの?
目を開けた。
目の前に、愛良さんがいた。
「り、竜胆……」
涙と鼻水でぐしょぐしょの愛良さん。
一拍を置いて、そのまま抱き着いてきた。
「え? あれ? 私……べぇっくし!」
なんで寒いかと思ったら、何も着てなかった。
春先とはいえ、さすがに裸は肌寒い。
えっと、てかなんで?
変身したら、死ぬんじゃないの? 本当に生きてる?
死後の世界が、実はこれまでの世界の延長線上にあるとか?
それってもう死後とかなくない?
『生きてる生きてる。それに死ぬとは言ってないからねー、それもまた正義! なんてね! ではではーにゃははー。以上、女神ちゃんでしたー』
誰かの声。
誰でも構わない。
生きている。それならもう、それでいい。
「よかった。もう、本当に……馬鹿なんだよ」
「うぅ、なんか褒められてる気がしないです」
「当たり前だ。怒ってんだよ。あんな無茶しやがって」
けど愛良さんは笑顔だった。
心の底から、笑ってくれていた。
それが嬉しくて、自分もまた笑う。
破壊と崩壊の世界の中、2人して笑う。
やがて愛良さんは肩の力を落とし、そして、降参というように両手を挙げた。
「オレの負けだ。煮るなり焼くなり、好きにしてくれ」
どうにでもしてくれって様子。
けどそんなことは許さない。
死ぬなんて、もったいない。
「はい! 煮るなり焼くなり、生きてもらいます! 愛良さん! それが正義ですから!」
そして笑顔を見せる。
想いが愛良さんへ届くと信じて。
そして愛良さんも、苦笑気味にだけど、笑ってくれた。
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勝つから正義でもない。
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