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第6章 知力100の美少女に転生したので、世界を救ってみた
閑話36 椎葉達臣(エイン帝国軍師)
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完全に囲い込まれていた。
唯一、この状況を打開できる堂島さんは、水と鉄砲で行動をふさがれている。
これがすべて明彦のたくらんだことなのか。
いや、そうに違いない。
こちらの手を読み切った上で、こんなことをしでかして見せたのだ。
川からの挟撃。
それを待つための時間稼ぎが、逆にこちらの兵を弱体化させる時間稼ぎに使われるなんて。
本当にあいつは……。
その時、尾田張人の降伏宣言を聞いた。
あの男らしい。
即決にして即断。
「隊長、我々はいかがしましょう!?」
タニアが慌てた様子で聞いてくる。
その周りにいる部下たちも、動揺した様子でこちらを見てくる。
そうだ。明彦のことなんて今はいい。
この窮地を乗り切る必要がある。
それが部下を預かる上に立つ人間としての役目。
「逃げます。方向はまだ包囲の完成していない西です」
あるいは堂島さんと合流できるかと思った。
だが甘かった。
こちら側にも明彦は手を打っていた。
北西を攻めていた敵が、離脱しようとするこちらを見つけて襲ってきたのだ。
「クロエ隊、突撃!」
敵の騎馬隊。
動きがいい。
このままだと味方の方に押し戻される。
「隊長、今までありがとうございました」
部隊の古参の1人がこちらに向かって、走りながら頭を下げる。
「デュエイン将軍の跡を継いでくださり、ここまでともに戦ってこれたことは我らの誇りであり、感謝でしかありません」
「何を、言って……」
「あれは我らが止めます。隊長は離脱を」
「しかし!」
それは、彼らの命を犠牲にして僕が生き残るということ。
そんなこと、できるわけがない。
「いつか話してくださいました。ジャンヌ・ダルクを討つと。我々もデュエイン将軍を討った仇とも言えるジャンヌ・ダルク。その夢のために我らはあえてここで散ります」
「そんな……」
「まだ我々には教皇様がついております。どうか、教皇様を、帝国を……お願いします!」
皆の顔に涙があふれている。
おそらくこれが今生の別れ。
二度と会うことはない。
「お別れですね」
「タニア……」
そうだ。
そうなると彼女ともお別れになる。
だがそれとは別の男がタニアに告げた。
「いや、タニア。お前はシーバ様を補佐せよ」
「そんな!」
古参の兵に諭され、タニアが驚愕に目を見開く。
その言葉に、どこかホッとしている自分がいた。
「お前はまだ若い。シーバ様をお助けするのだ、いいな?」
「……はい」
タニアの心境は分かる。
助かるという喜びと、これまでともに戦ってきた皆を見捨てるという罪悪感に板挟みになっているのだろう。
なら僕が言うことは1つだ。
「タニア。お前に命じる。僕と共に逃げろ」
「……わかり、ました」
タニアはしぶしぶ、だがはっきりとうなずいた。
これで彼女が罪悪感を抱く必要はない。
僕が命令したから離脱した。
そう思えば、気持ちは楽だ。
「すまない、皆と戦えて、本当に良かった!」
「お元気で!」
仲間たちの檄を背中に受けて、馬を目いっぱい走らせる。
その寸前に、『罪を清める浄化の炎』で敵の前に炎を出現させた。
それが餞別。
あとはもう、遮るものは何もない。
泣かない。
泣いてたまるものか。
もう一度、明彦に対する。
それまで死んでたまるものか。
その想いを胸に、馬をひたすらに走らせた。
唯一、この状況を打開できる堂島さんは、水と鉄砲で行動をふさがれている。
これがすべて明彦のたくらんだことなのか。
いや、そうに違いない。
こちらの手を読み切った上で、こんなことをしでかして見せたのだ。
川からの挟撃。
それを待つための時間稼ぎが、逆にこちらの兵を弱体化させる時間稼ぎに使われるなんて。
本当にあいつは……。
その時、尾田張人の降伏宣言を聞いた。
あの男らしい。
即決にして即断。
「隊長、我々はいかがしましょう!?」
タニアが慌てた様子で聞いてくる。
その周りにいる部下たちも、動揺した様子でこちらを見てくる。
そうだ。明彦のことなんて今はいい。
この窮地を乗り切る必要がある。
それが部下を預かる上に立つ人間としての役目。
「逃げます。方向はまだ包囲の完成していない西です」
あるいは堂島さんと合流できるかと思った。
だが甘かった。
こちら側にも明彦は手を打っていた。
北西を攻めていた敵が、離脱しようとするこちらを見つけて襲ってきたのだ。
「クロエ隊、突撃!」
敵の騎馬隊。
動きがいい。
このままだと味方の方に押し戻される。
「隊長、今までありがとうございました」
部隊の古参の1人がこちらに向かって、走りながら頭を下げる。
「デュエイン将軍の跡を継いでくださり、ここまでともに戦ってこれたことは我らの誇りであり、感謝でしかありません」
「何を、言って……」
「あれは我らが止めます。隊長は離脱を」
「しかし!」
それは、彼らの命を犠牲にして僕が生き残るということ。
そんなこと、できるわけがない。
「いつか話してくださいました。ジャンヌ・ダルクを討つと。我々もデュエイン将軍を討った仇とも言えるジャンヌ・ダルク。その夢のために我らはあえてここで散ります」
「そんな……」
「まだ我々には教皇様がついております。どうか、教皇様を、帝国を……お願いします!」
皆の顔に涙があふれている。
おそらくこれが今生の別れ。
二度と会うことはない。
「お別れですね」
「タニア……」
そうだ。
そうなると彼女ともお別れになる。
だがそれとは別の男がタニアに告げた。
「いや、タニア。お前はシーバ様を補佐せよ」
「そんな!」
古参の兵に諭され、タニアが驚愕に目を見開く。
その言葉に、どこかホッとしている自分がいた。
「お前はまだ若い。シーバ様をお助けするのだ、いいな?」
「……はい」
タニアの心境は分かる。
助かるという喜びと、これまでともに戦ってきた皆を見捨てるという罪悪感に板挟みになっているのだろう。
なら僕が言うことは1つだ。
「タニア。お前に命じる。僕と共に逃げろ」
「……わかり、ました」
タニアはしぶしぶ、だがはっきりとうなずいた。
これで彼女が罪悪感を抱く必要はない。
僕が命令したから離脱した。
そう思えば、気持ちは楽だ。
「すまない、皆と戦えて、本当に良かった!」
「お元気で!」
仲間たちの檄を背中に受けて、馬を目いっぱい走らせる。
その寸前に、『罪を清める浄化の炎』で敵の前に炎を出現させた。
それが餞別。
あとはもう、遮るものは何もない。
泣かない。
泣いてたまるものか。
もう一度、明彦に対する。
それまで死んでたまるものか。
その想いを胸に、馬をひたすらに走らせた。
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