知力99の美少女に転生したので、孔明しながらジャンヌ・ダルクをしてみた

巫叶月良成

文字の大きさ
69 / 627
第1章 オムカ王国独立戦記

閑話11 尾田張人(エイン帝国将軍)

しおりを挟む
「はぁ!? マジなにやってんの!? あの馬鹿、ほんと使えねー無能すぎんだろ」

 天幕にある椅子やら机に当たり散らすも全く気が収まらない。

 真昼間に奇襲を受けるとかどんだけ無能なんだよ。
 ここから応援出さなかったら全滅もありえたとかマジありえなくね?
 もういいや、あの隊長。殺すか。死なすか。うん、死ね。

「人のせいにばかりしてないで、自分でやったら」

 リーナちゃんの冷静な意見が飛んでくる。
 まぁ実際そうかもしんないけどさ、お前に言われたくないって感じでカチンとくるんですけど。

「つっかさ。そもそもリーナちゃんが昨日暴走しなきゃこんな苦労しなかったわけなんだけど? 牛には確かにビビったし? けど、落ち着きゃ圧倒的な数の差でぶっ殺せたんだよね。仮に逃がしても投石機が少しでも残ってりゃ今朝の段階でぶっ殺せたわけだし。あーあ、もう投石機ないのになぁ。どれもこれもどっかの誰かさんが猛り狂って敵味方構わずに虐殺し始めたからなんですけど」

「そ、それは……」

 論破されて押し黙ってしまう彼女に、さらなる苛立ちを覚える。
 誰だよこいつ連れてきたの。はい、俺でーすってね。

 けどマジねーわ。ここまで役立たずとは思わなかった。
 いつもは野戦で突っ込ませて、敵が半壊したところに本隊をぶつけて勝負を決めるのがこれまでだったから、こうもガチガチに守りを固められると使う場所がない。

 はぁ、マジ誤算。『天士無双てんしむそう』と呼ばれた俺としたことが。ま、呼ばれたことないけど。自称だし。

 ……いや、馬鹿となんとかは使いようってことだと俺は今日学んだ。うん、賢くなった。
 そう考えればまだ全然負けじゃない。

 しかも聞くところによると、あのうろちょろしてた遊撃隊をぶっつぶしてくれたんだって? しかも指揮官を殺したとか。大手柄じゃん。うん、えらいリーナちゃん。誉めてあげよう。言わないけど。

「ふーい、ま、過ぎたことを悔やんでもしょうがないってことで」

「私をダシにして落ち着かないでくれる? 正直、迷惑」

「ふっふ、バレちゃったか。さすがリーナちゃん」

「あんたの部下が怖がってびくびくしてるのも迷惑だわ」

「あっそ。でもそれって俺だけのせいかな? リーナちゃんにも原因あるんじゃない?」

「…………もういい」

 不機嫌そうに言い残すと天幕を出ていってしまった。怒らせちゃったかな。ま、いいけど。

「で? ハカラの部下は来るって?」

 後方に回していた元ハカラの部隊を呼び出していた。
 ここに至っては戦力を分散する必要はないと判断してのことだ。

「は、はい。1万強を連れて出発しましたので、夕方には到着するかと」

「1万!? 砦にいたのは1万4千だろ!? あー、もうばっかだねー。たった4千残してあんな戦略的価値のない砦守ってどうすんのさ。新しく来た1万に攻められたら無駄死にだよ? 退路を断たれる? 全軍で突っ込みゃ簡単にぶっ殺してそれで終わりだろうがよ!」

 苛立ち紛れに机をさらに蹴飛ばす。
 机が板切れになって転がる中、静寂が広がった。

 っといけないいけない。
 これだから怖がられるんだよな、俺。本当は俺、もっと優しいんだぜ。

「それじゃ、奴らが着いたら西と南に半分ずつ割り振って。んで東門の部隊長に伝令。東門を放棄し、北上して新手の1万に当たれって。そいつらとにらみ合って動かさないのがお前らの仕事。次しくじったら今度こそ殺すよ、って言っておいて」

 とりあえず軍の再編はこんな感じかな。

「あと全軍に命令。明日、城を落とすから今日はもう休めって。酒も許可する。あ、でもまた油断して奇襲とかされたら死ぬより辛い目に遭わすお仕置きだから。そこんとこヨロ」

 緊張した面持ちの部下たちが天幕から慌てて出ていく。

 やれやれ、使えないやつらが多いとこっちも困るんだよね。
 ま、それを逆手に必殺の陣形を組んじゃうあたり、俺って天才だな。その効果が出る前に城門を吹っ飛ばしちゃうかもしんないけど。どっちに転んでも俺には関係ないし。

 すべては明日、勝負だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

Re:攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。【第一部新生版】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
剣と魔法が交差する世界——。 ある男女のもとに、一人の赤子が生まれた。 その名は、アスフィ・シーネット。 魔法の才能を持たなければ、生き残ることすら厳しい世界。 彼は運よく、その力を授かった。 だが、それは 攻撃魔法ではなく、回復魔法のみだった。 戦場では、剣を振るうことも、敵を討つこともできない。 ただ味方の傷を癒やし、戦いを見届けるだけの存在。 ——けれど、彼は知っている。 この世界が、どこへ向かうのかを。 いや、正しくは——「思い出しつつある」。 彼は今日も、傷を癒やす。 それが”何度目の選択”なのかを、知ることもなく。 ※これは第一部完結版です。

聖女を追放した国の物語 ~聖女追放小説の『嫌われ役王子』に転生してしまった。~

猫野 にくきゅう
ファンタジー
国を追放された聖女が、隣国で幸せになる。 ――おそらくは、そんな内容の小説に出てくる 『嫌われ役』の王子に、転生してしまったようだ。 俺と俺の暮らすこの国の未来には、 惨めな破滅が待ち構えているだろう。 これは、そんな運命を変えるために、 足掻き続ける俺たちの物語。

追放もの悪役勇者に転生したんだけど、パーティの荷物持ちが雑魚すぎるから追放したい。ざまぁフラグは勘違いした主人公補正で無自覚回避します

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
ざまぁフラグなんて知りません!勘違いした勇者の無双冒険譚  ごく一般的なサラリーマンである主人公は、ある日、異世界に転生してしまう。  しかし、転生したのは「パーティー追放もの」の小説の世界。  なんと、追放して【ざまぁされる予定】の、【悪役勇者】に転生してしまったのだった!  このままだと、ざまぁされてしまうが――とはならず。  なんと主人公は、最近のWeb小説をあまり読んでおらず……。  自分のことを、「勇者なんだから、当然主人公だろ?」と、勝手に主人公だと勘違いしてしまったのだった!  本来の主人公である【荷物持ち】を追放してしまう勇者。  しかし、自分のことを主人公だと信じて疑わない彼は、無自覚に、主人公ムーブで【ざまぁフラグを回避】していくのであった。  本来の主人公が出会うはずだったヒロインと、先に出会ってしまい……。  本来は主人公が覚醒するはずだった【真の勇者の力】にも目覚めてしまい……。  思い込みの力で、主人公補正を自分のものにしていく勇者!  ざまぁフラグなんて知りません!  これは、自分のことを主人公だと信じて疑わない、勘違いした勇者の無双冒険譚。 ・本来の主人公は荷物持ち ・主人公は追放する側の勇者に転生 ・ざまぁフラグを無自覚回避して無双するお話です ・パーティー追放ものの逆側の話 ※カクヨム、ハーメルンにて掲載

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

盛平
ファンタジー
 パティは教会に捨てられた少女。パティは村では珍しい黒い髪と黒い瞳だったため、村人からは忌子といわれ、孤独な生活をおくっていた。この世界では十歳になると、神さまから一つだけ魔法を授かる事ができる。パティは神さまに願った。ずっと側にいてくれる友達をくださいと。  神さまが与えてくれた友達は、犬、猫、インコ、カメだった。友達は魔法でパティのお願いを何でも叶えてくれた。  パティは友達と一緒に冒険の旅に出た。パティの生活環境は激変した。パティは究極の妹属性だったのだ。冒険者協会の美人受付嬢と美女の女剣士が、どっちがパティの姉にふさわしいかケンカするし、永遠の美少女にも気に入られてしまう。  ぼっち少女の愛されまくりな旅が始まる。    

勇者をしている者なんですけど、キモデブ装甲のモブAにチェンジ魔法を使われて、身体が入れ替わった!? ありがとうモブA!やっと解放された!

くらげさん
ファンタジー
 雑草のように湧いてくる魔王の討伐を1000年のあいだ勇者としてこなしてきたら、キモデブ装甲のモブAに身体を取られてしまった。  モブAは「チェンジ魔法」のユニークスキル持ちだった。  勇者は勇者を辞めたかったから丁度良かったと、モブAに変わり、この姿でのんびり平和に暮らして行こうと思った。  さっそく家に帰り、妹に理由を話すと、あっさりと信じて、勇者は妹が見たかった景色を見せてやりたいと、1000年を取り戻すような旅に出掛けた。  勇者は勇者の名前を捨てて、モブオと名乗った。  最初の街で、一人のエルフに出会う。  そしてモブオはエルフが街の人たちを殺そうとしていると気付いた。  もう勇者じゃないモブオは気付いても、止めはしなかった。  モブオは自分たちに関係がないならどうでもいいと言って、エルフの魔王から二週間の猶予を貰った。  モブオは妹以外には興味なかったのである。  それから妹はエルフの魔王と仲良くなり、エルフと別れる夜には泣き止むのに一晩かかった。  魔王は勇者に殺される。それは確定している。

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

処理中です...