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第2章 南郡平定戦
第14話 蒼天の決意
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水の音が蒼天に木霊する。
ニーアのたてる音だ。
シータ王国の王宮の一角。例のプールに俺はいた。
ここを使わせてもらいたいとの申し出を、九神は快く受けてくれたので、(作らせたのだろう)ビーチチェアーに寝転がってぼうっとしている。
そろそろ暦の上では秋になるはずなのに、厳しい陽光は衰えずビーチパラソル(これも作らせたのだろう)がないとおちおち寝てもいられないほど暑い。
さすがに礼服を着るには暑すぎるし、水着になる気もないので、部屋着用に持ってきたシャツとハーフパンツといった格好だ。
それでここ5日。
蒼い空を見上げながらプールサイドで寝ころがっている。
何をしているか。
何もしていない。
考えることもめんどくさく、何かをするほどやる気もなく、ただただぼうっとして寝転がって、ご飯を食べて、陽が落ちたら寝るを繰り返していた。
その間、ニーアは元気そうにプールで泳いでいる。
『またミカっちと戦いになった時、ちゃんと水中でボコれるようにしとかないとね。あと水軍の偉い人? にも今度勝負を挑まれたし。今のうちに水中で動けるようになっとかないと』
お前はどこに行くつもりなんだ。霊長類最強でも目指すつもりか。
けどそんな向上心に溢れたニーアが、今の俺には眩しく見える。
結局、帝国領にいたのは1日にも満たなかった。
戦いは一方的な流れとなり、逃亡した敵兵は砦を放棄して逃亡。その砦を天は火をつけて破却。さらに東に転じてもう1つの砦を破壊して川辺の陣に戻り城塞化を始めた。
橋頭保を作り、1万ほどの敵を撃退して砦を2つ破壊したのだ。被害もそれほど大きくはなく、着々と守備を固めることに専念できるという。
戦果としては上々で、むしろこれ以上望むものがないものだったが、陣に戻った時に聞かされた言葉は苦言だった。
『貴女のことは信じていたので、何の疑いもなかったのですが。あれはやりすぎですよ。下手すれば後続の兵に殺されていたかもしれないんですよ』
丁寧な口調だが、天は本気で怒っているようだった。
でも違うよ天。他国の人間がいくら言っても、それを信じさせるためには率先して動かないと意味がない。
だから俺は先頭で旗を振らなくちゃ。それが旗を振る者として俺が生きる意味なんだから。
その後に俺はシータの首都ケイン・ウギに戻された。
今回の戦闘で恩返しは十分です、と言われたこともあるし、何より九神に戦況を報告するためにはある程度情報に精通している人がいかなくてはならない。
天は城塞化で手一杯だし、淡英は水軍を指揮する必要がある。
だから他国の人間ながら天の相談役としての地位を得ていた俺がその任に当たったわけだ。
俺からもそれを望んだ。
というより、あの現象を説明できるのは俺しかいなかった。プレイヤーのスキルという概念を説明するのは。
「ここいいかな?」
ふと近くで声がした。
「お前の王宮だろ。勝手にすればいいさ」
顔をあげることなく頷く。
相手は分かってる。九神だ。
2つ並びのビーチチェアー。
俺は変わらず空を見上げていたから九神の顔は分からない。
「あれから5日経って、2度ほど帝国軍が攻めてきたけど、例の幻影の軍団は現れなかったって」
どれだけ時間が経ったのか、半ばうとうとしかけていたが九神の声にハッと意識が覚醒した。
そこで初めて顔を横に向けた。
ビーチチェアーに寝転がるのはいつものスーツ姿の九神ではない。アロハシャツに短パンにサングラスというラフすぎる格好の九神と、その奥には水着姿の水鏡がいて自前らしい折り畳み椅子を広げて座っていた。こいつら、似合いすぎだろ。
「そう、か……」
「そう悲嘆することはないんじゃないかな。君は敵を倒した、それだけだ」
「別に悲嘆してるわけじゃない。ただ……虚しいだけだ」
そう、虚しい。
幻影の軍団が現れないということは、そのプレイヤーが重傷を負って後方に搬送されたか、あるいは……死んだか。
その男か女かも分からない、顔も知らなければ名前も知らない。そんな相手をどうして俺は気に掛けるのだろう。
だってプレイヤーだろうが、一個の人間であり命だ。
そしてこの世界に生きる人たちも、一個の人間であり命だ。
その命に何の差があるのだろうか。
それでも俺はそこに差を見出してしまっているのだ。
つまりこの仮初の世界に生きる命はどうでもよくて、帰るべき世界に存在していた命は重いのかということになる。
じゃあジルやニーアたちが死んだらどうなのか。それはそれで今よりもっと深く悲しむだろう。ついこの間まで名前も知らなかったイッガーやメルも今は別だ。
そんな悲しむべき命の取捨選択が行われていいのだろうか。
知り合いだから死ぬのが嫌です。知らない人だから死んでもいいです。同郷の人間だから死ぬのが嫌です。別世界の人間だから死んでもいいです。名前を知ってるから死ぬのが嫌です。名前を知らないから死んでもいいです。
なんてひどい考えだ。独善、自己中心的、利己主義、自分勝手。最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だひどすぎる人でなしだエゴの塊だ。
ここまで考えるとどうしても虚しい気分になってしまうのだ。
だからこうして何もやる気が起きず何日もただ浪費して過ごしていた。
「そんなにプレイヤーを殺したのが悲しい? おかしいね、君の目的は元の世界に戻るんだろ? なら敵の1人が減ってよっしゃーじゃないの?」
「そんな簡単に割り切れないんだよ。よくわかんないけどさ。もっとやり方あったんじゃないかって」
「ふーん? アッキーは話し合いの場でも作れば満足? あっちは嬉々としてナイフを突き出すだろうね。だまし討ちで君を討てればこれ以上ないってほど大戦果だ」
「そんな卑怯な真似、するやついるかよ」
「君ってあくどいほどに恐ろしい策を練るのに、そういうところは純粋だよね。なんでそう言い切れるんだい? 裏切り、騙し、他人を排除する。それが人だよ? 日本でもそうだっただろ? 学校の中ではヒエラルキーが決められ、勉強の出来不出来で善し悪しが決まって、受験戦争に就職競争に勝ち抜いても、働いてからはノルマノルマノルマノルマ。ひたすら他人を蹴落として叩き潰して踏みにじって生き抜いていく弱肉強食の世界だ」
「それは……」
「僕も色々な目にあったよ。大学行かずに就職したんだけど、こりゃまたひどいところで。もっとはきはき喋れとか、コピーの取り方がなってないとか、ノルマが悪いだとか、性別を理由にあーだこーだ言われてた」
「性別でって、そんな男には風当りが辛かったのか? 珍しい職場だな」
「ん? そりゃね。女ってだけで僕は色んな仕打ちを受けたよ。それは世界が変わっても人間のやることは変わらない。性別も、生まれも、育ちも関係なく他人を蹴落とす。じゃなきゃ戦争なんてやってられないさ」
「ちょ、ちょっと、待って! 今なんて言った?」
「ん、何が?」
「何がって……いや、衝撃の告白を聞かされた気分なんだけど……お前って………………女なの?」
「そうだよ。元の世界で僕は女。だから甘く見られちゃって、カチンと来たね。パワハラモラハラ案件なんだけど、そういったものすら排除する社風だったからねぇ。ん、どうしたの、固まっちゃって」
「い、いや……なんて言ったらいいか」
「あはは、ま、そうだよね。でも前に言っただろう? 君と僕は似ているって」
そういえばそんなことを言われた気がするけど、そんな伏線誰が回収できるか!
改めて九神を見る。
……いや、男だろ。
違うか。
俺と一緒ってことは、こいつは男をアバターとして選んだってことか。
それがどういう決意のもとで行われたのか、俺には推測しかできない。
まぁ俺の場合はあれこれ悩みすぎてあのクソ女神のせいでランダムさせられたわけだけど。
「水鏡には数日でばれたよねー。でもあれから? 水鏡の当たりが辛くなったの」
「それは明が女であることをやめたからでしょ。生きるのに逃げ出したことに変わりないわ」
「辛辣だねー、というかストイック? てゆうかそんな水鏡だから好きなんだけど」
「う、うるさい。黙れし」
水鏡が赤らめた顔を背ける。足ががくがく動く。貧乏ゆすりだ。
「なんかイラついたからちょっと泳いでくる」
おもむろに立ち上がった水鏡は、数歩だけ歩くと顔だけこちらに向き直り、
「あとそれからアッキー」
俺を見下ろす視線には険があった。
そして続く言葉にも。
「しゃくだけどこの明が言う事も真理よ。あんたにも夢が、戻るべき場所があるんでしょ。それを諦めて自暴自棄になるなんて最低。自分の夢を簡単に諦める人間をわたしは認めない。夢を追い始めたなら最後まで責任持って走れ。死ぬときは前のめり。それが生きるってことでしょ。さもなきゃ死んだ相手に失礼だわ」
これはまた……激しい思いを持ってるんだな、水鏡も。
いや、そういえばオリンピック候補とか言ってたっけか。そんな舞台に立とうとする人間だから、そういうことにはストイックなのかもしれない。
「分かったよ。心配してくれてありがとう、水鏡」
「っ! べ、別に心配とかじゃなくイライラするの! とにかく! ちょっとは笑いなさい! さもなきゃ誰が何と言おうと国に帰さないから!」
などと言い捨てて水鏡は脱兎のごとく逃げ去るとそのままプールに飛び込んだ。
プールサイドを走るな水鏡。そして飛び込み危険。
「あっ、来やがったな! 今日こそ水中で……ってなんで真っ赤?」
「うるさいうるさいうるさいうるさーーーい! 問答無用の『大人魚姫』!」
「ぎゃあーーーーー!」
盛大に水柱が上がり、放りあげられるニーア。
なにやってんだ、あいつら。
「いやー、あんな水鏡を見たのは初めてだよ」
「そうなのか」
「そりゃもう。いつも『は?』『うざ』『死ね』の単語でしか話してくれないからさ。いやいや、あんな水鏡……ちょっとエロくない?」
「お前って本当に女かよ。てかどれだけ水鏡の風当り強いんだよ」
「まぁまぁ。そういう気分の時もあるってことで」
結局こいつは女なのか。それとも男なのかよく分からなくなってきた。
もしかしたらからかわれているのかとも思わなくもない。
「ま、元の世界とか、性別とかそういうのはもう関係ないんだよ。僕らは今、ここでこうやって生きてるんだから」
「ここで……」
ラインツ大陸の、オムカ王国という場所で。
ジルやサカキやニーアやマリアやリンやクロエやブリーダやサリナやハワードやカルキュールやメルや王都の人々。
日本に生きた写楽明彦ではなく、この世界に生きるジャンヌ・ダルクと共に生きた人たち。
「元の世界に帰りたいって思うのは別に責めないよ。いきなり死んで終わり、なんてやっぱ納得いかないよね。だから元の世界に帰るために努力するのはいいと思う。でも、それはこの世界を切り捨てるのとは違うと思うんだ」
「……この世界を切り捨てるのではなく、この世界で生き、そしてこの世界をまっとうして元の世界に帰る」
「そういうこと。てか僕たちってすごい得してるんだよ。日本という世界で生きた。この違った世界で生きた。2つの異なる世界を体験できるなんて、欲張りだと思わない?」
確かにこんな体験をした人間なんて、今ここにいるプレイヤーくらいのものだろう。
得難い経験であることは確かだが、それが欲張りってことになるのだろうか。
そういえばあの女神に言われた覚えがある。
俺は強欲だと。
死にたくない、元の世界に戻りたい、里奈に会いたい。
そう思うことが強欲だと指摘された。
今考えると、さらに欲が強化されたような気がする。
オムカで出会った人たちを守りたい。
このシータで出会った人たちと戦いたくない。
名も知らぬプレイヤーたちを死なせることはなくしたい。
あぁ、あの女神の言う通りじゃないか。
俺は強欲だ。
どんどんと欲が増えていき、とりとめのないものになってしまっている。
いや、もうそれでいいんじゃないか。
突き詰めるところまで突き詰めて、あの女神すらも呆れるほどの強欲になってしまえばいい。
オムカで出会った人たちを守り、シータの人たちとも戦わず、プレイヤーたちが誰も死ぬことなく、そして元の世界に戻って里奈と再会する。
結果だけ言えばできる。できてしまうのだ。
あの女神は言った。
誰か1人ではなく、統一した国にいるプレイヤー全員戻すと。
なら裏を返せば、プレイヤーが1つの国にまとまってしまえば全員帰れることになる。
今のオムカでは到底ありえない。
エイン帝国でも無理だろう。
ここには俺たち以外の、この世界に住む人間たちの思惑も絡んでくるからだ。
それでも――
「よっし」
ビーチチェアーから跳ねるように起き上がり、空を見上げる。
蒼い。
雲ひとつない空。
それがなんだか、今までとは違って見えた。
「お、なんか考えがまとまったかな?」
「ああ……なんか見えた気がした」
それは空に手を届かせようとする無謀な試みかもしれない。
それでもいつかは届く。そう信じるからこそ、人間は頑張って生きるわけで。それが夢を追いかけるということで。
そうすれば、きっとこの世界でも悔いなくお別れもできる、そんな気もした。
「ふふ、やはり君はいい。前を見て走り出そうとしている目はキラキラしている。そしてその頭脳からどんな言葉が飛び出すのか、とても楽しみだよ」
「悪いな。今は言えない。けどいつか、お前らとは戦わずに手を携えて元の世界に戻れると信じてる」
「期待しないで待ってるよ」
ああそうだ。
走る前から諦めたら何も叶わない。
追い始めたなら最後まで責任をもって走りきる。
原作では『死ぬときはどぶの中でも前のめりで死にたい』だったか。
それもまたいい。
だって、一度死んでるんだ。
二度目の死なんて、どうなるものか。
だから、進もう。
なに、なんとかなるさ。
だって俺は知力99、いや知力100の大天才なんだから。
青空の下、もっともっと青い理想がこの時には確かに芽生えた。
――――が、
「あーもー! てかミカっち水の中早すぎ! 捕まえらんないじゃん!」
「いや、あんたに捕まったら終わりだから。てかそのミカっちっていうのやめてくれる?」
「えー、ミカっちはミカっちじゃん。って、あ、ジャンヌが元気になってる」
プールからあがった2人が水をぽたぽたと垂らしながらこちらに来る。
覚悟を決めた途端に空気をぶち壊す奴が来たか。壊す以前に読んだこともないだろうけど。
「なんだ、気づいてたのか。俺のこと」
「そりゃもう。ジャンヌはあたしの中で一番だからね。同率一位で女王様」
はいはい、そりゃありがたいこって。
相変わらずの獣の嗅覚だな、こいつ。
「君、ニーアって言ったっけ? それならこの数日、彼女のことが心配じゃなかったのかな?」
九神がニーアに問いかける。
「そりゃ心配だったよ。でもオムカではずっと誰かといたから、こうやって独りでぼーっとするのも必要かなって」
珍しく俺に干渉してこないと思ったけど、そんなことを考えてたのか。
柄にもなくありがたいことしやがって。
「へぇ、ここまで思ってくれるなんて。幸せだね、君は。そんな世界をどうでもいいなんて思うのは可哀そうだよ」
「もういいんだよ、踏ん切りついたし。というわけで九神、俺はそろそろ帰る」
前々から決めていたものの、どうも気分が乗らずにここまで伸ばしてきたが、もういい加減リミットだった。
オムカを救ってくれた恩も返せたと思うし、ここに留まる理由もなくなったのだ。
「そうか、寂しくなるね。なら今日はお祭りにしよう。それで明日の昼に出ればいい」
「さ、寂しかったらいつでも来なさいよ!」
どんなツンデレだよ、水鏡。
でも残念だけどそう気軽には来れない。
それは決意。あるいは覚悟。
さぁ帰ったらやることが山積みだぞ。
「ん、帰るの? ……ってことはあれね。今まで無暗に抱き着いたり襲ったりできなかったけど……今なら強制送還されても実質チャラ!? よし、ジャンヌ! 今日夜這いするから!」
「おやおや、熱いね」
「ど、同性同士で……変態! いや、もともとを考えれば男女だし平常……? いや、とにかく許さないわ!」
「むむむ! じゃあジャンヌはこうじゃ! ほりゃ、一緒にざぶーん!」
「ちょ、俺は水着が……うわぁぁぁ!」
思いきり引っ張られた俺は、ニーアと共にプールへと落ちていった。
……感心したと思ったらこれだ。
結局ニーアは最後までニーアだったということ。
というわけで、俺の初のシータ王国訪問記はなんともしまらない終わり方をした。
ニーアのたてる音だ。
シータ王国の王宮の一角。例のプールに俺はいた。
ここを使わせてもらいたいとの申し出を、九神は快く受けてくれたので、(作らせたのだろう)ビーチチェアーに寝転がってぼうっとしている。
そろそろ暦の上では秋になるはずなのに、厳しい陽光は衰えずビーチパラソル(これも作らせたのだろう)がないとおちおち寝てもいられないほど暑い。
さすがに礼服を着るには暑すぎるし、水着になる気もないので、部屋着用に持ってきたシャツとハーフパンツといった格好だ。
それでここ5日。
蒼い空を見上げながらプールサイドで寝ころがっている。
何をしているか。
何もしていない。
考えることもめんどくさく、何かをするほどやる気もなく、ただただぼうっとして寝転がって、ご飯を食べて、陽が落ちたら寝るを繰り返していた。
その間、ニーアは元気そうにプールで泳いでいる。
『またミカっちと戦いになった時、ちゃんと水中でボコれるようにしとかないとね。あと水軍の偉い人? にも今度勝負を挑まれたし。今のうちに水中で動けるようになっとかないと』
お前はどこに行くつもりなんだ。霊長類最強でも目指すつもりか。
けどそんな向上心に溢れたニーアが、今の俺には眩しく見える。
結局、帝国領にいたのは1日にも満たなかった。
戦いは一方的な流れとなり、逃亡した敵兵は砦を放棄して逃亡。その砦を天は火をつけて破却。さらに東に転じてもう1つの砦を破壊して川辺の陣に戻り城塞化を始めた。
橋頭保を作り、1万ほどの敵を撃退して砦を2つ破壊したのだ。被害もそれほど大きくはなく、着々と守備を固めることに専念できるという。
戦果としては上々で、むしろこれ以上望むものがないものだったが、陣に戻った時に聞かされた言葉は苦言だった。
『貴女のことは信じていたので、何の疑いもなかったのですが。あれはやりすぎですよ。下手すれば後続の兵に殺されていたかもしれないんですよ』
丁寧な口調だが、天は本気で怒っているようだった。
でも違うよ天。他国の人間がいくら言っても、それを信じさせるためには率先して動かないと意味がない。
だから俺は先頭で旗を振らなくちゃ。それが旗を振る者として俺が生きる意味なんだから。
その後に俺はシータの首都ケイン・ウギに戻された。
今回の戦闘で恩返しは十分です、と言われたこともあるし、何より九神に戦況を報告するためにはある程度情報に精通している人がいかなくてはならない。
天は城塞化で手一杯だし、淡英は水軍を指揮する必要がある。
だから他国の人間ながら天の相談役としての地位を得ていた俺がその任に当たったわけだ。
俺からもそれを望んだ。
というより、あの現象を説明できるのは俺しかいなかった。プレイヤーのスキルという概念を説明するのは。
「ここいいかな?」
ふと近くで声がした。
「お前の王宮だろ。勝手にすればいいさ」
顔をあげることなく頷く。
相手は分かってる。九神だ。
2つ並びのビーチチェアー。
俺は変わらず空を見上げていたから九神の顔は分からない。
「あれから5日経って、2度ほど帝国軍が攻めてきたけど、例の幻影の軍団は現れなかったって」
どれだけ時間が経ったのか、半ばうとうとしかけていたが九神の声にハッと意識が覚醒した。
そこで初めて顔を横に向けた。
ビーチチェアーに寝転がるのはいつものスーツ姿の九神ではない。アロハシャツに短パンにサングラスというラフすぎる格好の九神と、その奥には水着姿の水鏡がいて自前らしい折り畳み椅子を広げて座っていた。こいつら、似合いすぎだろ。
「そう、か……」
「そう悲嘆することはないんじゃないかな。君は敵を倒した、それだけだ」
「別に悲嘆してるわけじゃない。ただ……虚しいだけだ」
そう、虚しい。
幻影の軍団が現れないということは、そのプレイヤーが重傷を負って後方に搬送されたか、あるいは……死んだか。
その男か女かも分からない、顔も知らなければ名前も知らない。そんな相手をどうして俺は気に掛けるのだろう。
だってプレイヤーだろうが、一個の人間であり命だ。
そしてこの世界に生きる人たちも、一個の人間であり命だ。
その命に何の差があるのだろうか。
それでも俺はそこに差を見出してしまっているのだ。
つまりこの仮初の世界に生きる命はどうでもよくて、帰るべき世界に存在していた命は重いのかということになる。
じゃあジルやニーアたちが死んだらどうなのか。それはそれで今よりもっと深く悲しむだろう。ついこの間まで名前も知らなかったイッガーやメルも今は別だ。
そんな悲しむべき命の取捨選択が行われていいのだろうか。
知り合いだから死ぬのが嫌です。知らない人だから死んでもいいです。同郷の人間だから死ぬのが嫌です。別世界の人間だから死んでもいいです。名前を知ってるから死ぬのが嫌です。名前を知らないから死んでもいいです。
なんてひどい考えだ。独善、自己中心的、利己主義、自分勝手。最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だひどすぎる人でなしだエゴの塊だ。
ここまで考えるとどうしても虚しい気分になってしまうのだ。
だからこうして何もやる気が起きず何日もただ浪費して過ごしていた。
「そんなにプレイヤーを殺したのが悲しい? おかしいね、君の目的は元の世界に戻るんだろ? なら敵の1人が減ってよっしゃーじゃないの?」
「そんな簡単に割り切れないんだよ。よくわかんないけどさ。もっとやり方あったんじゃないかって」
「ふーん? アッキーは話し合いの場でも作れば満足? あっちは嬉々としてナイフを突き出すだろうね。だまし討ちで君を討てればこれ以上ないってほど大戦果だ」
「そんな卑怯な真似、するやついるかよ」
「君ってあくどいほどに恐ろしい策を練るのに、そういうところは純粋だよね。なんでそう言い切れるんだい? 裏切り、騙し、他人を排除する。それが人だよ? 日本でもそうだっただろ? 学校の中ではヒエラルキーが決められ、勉強の出来不出来で善し悪しが決まって、受験戦争に就職競争に勝ち抜いても、働いてからはノルマノルマノルマノルマ。ひたすら他人を蹴落として叩き潰して踏みにじって生き抜いていく弱肉強食の世界だ」
「それは……」
「僕も色々な目にあったよ。大学行かずに就職したんだけど、こりゃまたひどいところで。もっとはきはき喋れとか、コピーの取り方がなってないとか、ノルマが悪いだとか、性別を理由にあーだこーだ言われてた」
「性別でって、そんな男には風当りが辛かったのか? 珍しい職場だな」
「ん? そりゃね。女ってだけで僕は色んな仕打ちを受けたよ。それは世界が変わっても人間のやることは変わらない。性別も、生まれも、育ちも関係なく他人を蹴落とす。じゃなきゃ戦争なんてやってられないさ」
「ちょ、ちょっと、待って! 今なんて言った?」
「ん、何が?」
「何がって……いや、衝撃の告白を聞かされた気分なんだけど……お前って………………女なの?」
「そうだよ。元の世界で僕は女。だから甘く見られちゃって、カチンと来たね。パワハラモラハラ案件なんだけど、そういったものすら排除する社風だったからねぇ。ん、どうしたの、固まっちゃって」
「い、いや……なんて言ったらいいか」
「あはは、ま、そうだよね。でも前に言っただろう? 君と僕は似ているって」
そういえばそんなことを言われた気がするけど、そんな伏線誰が回収できるか!
改めて九神を見る。
……いや、男だろ。
違うか。
俺と一緒ってことは、こいつは男をアバターとして選んだってことか。
それがどういう決意のもとで行われたのか、俺には推測しかできない。
まぁ俺の場合はあれこれ悩みすぎてあのクソ女神のせいでランダムさせられたわけだけど。
「水鏡には数日でばれたよねー。でもあれから? 水鏡の当たりが辛くなったの」
「それは明が女であることをやめたからでしょ。生きるのに逃げ出したことに変わりないわ」
「辛辣だねー、というかストイック? てゆうかそんな水鏡だから好きなんだけど」
「う、うるさい。黙れし」
水鏡が赤らめた顔を背ける。足ががくがく動く。貧乏ゆすりだ。
「なんかイラついたからちょっと泳いでくる」
おもむろに立ち上がった水鏡は、数歩だけ歩くと顔だけこちらに向き直り、
「あとそれからアッキー」
俺を見下ろす視線には険があった。
そして続く言葉にも。
「しゃくだけどこの明が言う事も真理よ。あんたにも夢が、戻るべき場所があるんでしょ。それを諦めて自暴自棄になるなんて最低。自分の夢を簡単に諦める人間をわたしは認めない。夢を追い始めたなら最後まで責任持って走れ。死ぬときは前のめり。それが生きるってことでしょ。さもなきゃ死んだ相手に失礼だわ」
これはまた……激しい思いを持ってるんだな、水鏡も。
いや、そういえばオリンピック候補とか言ってたっけか。そんな舞台に立とうとする人間だから、そういうことにはストイックなのかもしれない。
「分かったよ。心配してくれてありがとう、水鏡」
「っ! べ、別に心配とかじゃなくイライラするの! とにかく! ちょっとは笑いなさい! さもなきゃ誰が何と言おうと国に帰さないから!」
などと言い捨てて水鏡は脱兎のごとく逃げ去るとそのままプールに飛び込んだ。
プールサイドを走るな水鏡。そして飛び込み危険。
「あっ、来やがったな! 今日こそ水中で……ってなんで真っ赤?」
「うるさいうるさいうるさいうるさーーーい! 問答無用の『大人魚姫』!」
「ぎゃあーーーーー!」
盛大に水柱が上がり、放りあげられるニーア。
なにやってんだ、あいつら。
「いやー、あんな水鏡を見たのは初めてだよ」
「そうなのか」
「そりゃもう。いつも『は?』『うざ』『死ね』の単語でしか話してくれないからさ。いやいや、あんな水鏡……ちょっとエロくない?」
「お前って本当に女かよ。てかどれだけ水鏡の風当り強いんだよ」
「まぁまぁ。そういう気分の時もあるってことで」
結局こいつは女なのか。それとも男なのかよく分からなくなってきた。
もしかしたらからかわれているのかとも思わなくもない。
「ま、元の世界とか、性別とかそういうのはもう関係ないんだよ。僕らは今、ここでこうやって生きてるんだから」
「ここで……」
ラインツ大陸の、オムカ王国という場所で。
ジルやサカキやニーアやマリアやリンやクロエやブリーダやサリナやハワードやカルキュールやメルや王都の人々。
日本に生きた写楽明彦ではなく、この世界に生きるジャンヌ・ダルクと共に生きた人たち。
「元の世界に帰りたいって思うのは別に責めないよ。いきなり死んで終わり、なんてやっぱ納得いかないよね。だから元の世界に帰るために努力するのはいいと思う。でも、それはこの世界を切り捨てるのとは違うと思うんだ」
「……この世界を切り捨てるのではなく、この世界で生き、そしてこの世界をまっとうして元の世界に帰る」
「そういうこと。てか僕たちってすごい得してるんだよ。日本という世界で生きた。この違った世界で生きた。2つの異なる世界を体験できるなんて、欲張りだと思わない?」
確かにこんな体験をした人間なんて、今ここにいるプレイヤーくらいのものだろう。
得難い経験であることは確かだが、それが欲張りってことになるのだろうか。
そういえばあの女神に言われた覚えがある。
俺は強欲だと。
死にたくない、元の世界に戻りたい、里奈に会いたい。
そう思うことが強欲だと指摘された。
今考えると、さらに欲が強化されたような気がする。
オムカで出会った人たちを守りたい。
このシータで出会った人たちと戦いたくない。
名も知らぬプレイヤーたちを死なせることはなくしたい。
あぁ、あの女神の言う通りじゃないか。
俺は強欲だ。
どんどんと欲が増えていき、とりとめのないものになってしまっている。
いや、もうそれでいいんじゃないか。
突き詰めるところまで突き詰めて、あの女神すらも呆れるほどの強欲になってしまえばいい。
オムカで出会った人たちを守り、シータの人たちとも戦わず、プレイヤーたちが誰も死ぬことなく、そして元の世界に戻って里奈と再会する。
結果だけ言えばできる。できてしまうのだ。
あの女神は言った。
誰か1人ではなく、統一した国にいるプレイヤー全員戻すと。
なら裏を返せば、プレイヤーが1つの国にまとまってしまえば全員帰れることになる。
今のオムカでは到底ありえない。
エイン帝国でも無理だろう。
ここには俺たち以外の、この世界に住む人間たちの思惑も絡んでくるからだ。
それでも――
「よっし」
ビーチチェアーから跳ねるように起き上がり、空を見上げる。
蒼い。
雲ひとつない空。
それがなんだか、今までとは違って見えた。
「お、なんか考えがまとまったかな?」
「ああ……なんか見えた気がした」
それは空に手を届かせようとする無謀な試みかもしれない。
それでもいつかは届く。そう信じるからこそ、人間は頑張って生きるわけで。それが夢を追いかけるということで。
そうすれば、きっとこの世界でも悔いなくお別れもできる、そんな気もした。
「ふふ、やはり君はいい。前を見て走り出そうとしている目はキラキラしている。そしてその頭脳からどんな言葉が飛び出すのか、とても楽しみだよ」
「悪いな。今は言えない。けどいつか、お前らとは戦わずに手を携えて元の世界に戻れると信じてる」
「期待しないで待ってるよ」
ああそうだ。
走る前から諦めたら何も叶わない。
追い始めたなら最後まで責任をもって走りきる。
原作では『死ぬときはどぶの中でも前のめりで死にたい』だったか。
それもまたいい。
だって、一度死んでるんだ。
二度目の死なんて、どうなるものか。
だから、進もう。
なに、なんとかなるさ。
だって俺は知力99、いや知力100の大天才なんだから。
青空の下、もっともっと青い理想がこの時には確かに芽生えた。
――――が、
「あーもー! てかミカっち水の中早すぎ! 捕まえらんないじゃん!」
「いや、あんたに捕まったら終わりだから。てかそのミカっちっていうのやめてくれる?」
「えー、ミカっちはミカっちじゃん。って、あ、ジャンヌが元気になってる」
プールからあがった2人が水をぽたぽたと垂らしながらこちらに来る。
覚悟を決めた途端に空気をぶち壊す奴が来たか。壊す以前に読んだこともないだろうけど。
「なんだ、気づいてたのか。俺のこと」
「そりゃもう。ジャンヌはあたしの中で一番だからね。同率一位で女王様」
はいはい、そりゃありがたいこって。
相変わらずの獣の嗅覚だな、こいつ。
「君、ニーアって言ったっけ? それならこの数日、彼女のことが心配じゃなかったのかな?」
九神がニーアに問いかける。
「そりゃ心配だったよ。でもオムカではずっと誰かといたから、こうやって独りでぼーっとするのも必要かなって」
珍しく俺に干渉してこないと思ったけど、そんなことを考えてたのか。
柄にもなくありがたいことしやがって。
「へぇ、ここまで思ってくれるなんて。幸せだね、君は。そんな世界をどうでもいいなんて思うのは可哀そうだよ」
「もういいんだよ、踏ん切りついたし。というわけで九神、俺はそろそろ帰る」
前々から決めていたものの、どうも気分が乗らずにここまで伸ばしてきたが、もういい加減リミットだった。
オムカを救ってくれた恩も返せたと思うし、ここに留まる理由もなくなったのだ。
「そうか、寂しくなるね。なら今日はお祭りにしよう。それで明日の昼に出ればいい」
「さ、寂しかったらいつでも来なさいよ!」
どんなツンデレだよ、水鏡。
でも残念だけどそう気軽には来れない。
それは決意。あるいは覚悟。
さぁ帰ったらやることが山積みだぞ。
「ん、帰るの? ……ってことはあれね。今まで無暗に抱き着いたり襲ったりできなかったけど……今なら強制送還されても実質チャラ!? よし、ジャンヌ! 今日夜這いするから!」
「おやおや、熱いね」
「ど、同性同士で……変態! いや、もともとを考えれば男女だし平常……? いや、とにかく許さないわ!」
「むむむ! じゃあジャンヌはこうじゃ! ほりゃ、一緒にざぶーん!」
「ちょ、俺は水着が……うわぁぁぁ!」
思いきり引っ張られた俺は、ニーアと共にプールへと落ちていった。
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というわけで、俺の初のシータ王国訪問記はなんともしまらない終わり方をした。
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