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第2章 南郡平定戦
第21話 復活の女神
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一目見て分かった。
これは夢だ。
しかも悪夢の部類。
光1つない真っ暗な視界。そして自身の体があるかないかの不確かな世界。
そしてそんな世界に存在するのならば、それこそ悪魔か魑魅魍魎の類だろう。
「誰が悪魔よ、失礼ね」
出た。
転生の女神とか自称している悪魔だ。
「だから女神って言ってるでしょうがー!」
「はぁ、うるさいな。何の用だよ。こっちは忙しいんだ」
「嘘おっしゃい、疲れてぶっ倒れてるくせに」
こいつ、どこまで見てるんだよ。
「ま、それが女神の仕事だし? それくらいはね」
「で、何の用だよ」
「ん? 用? …………えっと、元気?」
「見てたんじゃねーのかよ!」
「うぅ、そりゃそうだけど! ほら、やっぱ近況報告って大事じゃない?」
とか言って、何か月放置してたんだよ。
もうお前の存在半分忘れてたからな。
「うわー、キッツー。てかそれよ! 貴方が私を忘れてないか見に来たの! てかもっと出番頂戴!」
知らねーよ。
てかなに、出番って?
「あー、アッキーがぐれたー。ここまで手塩かけて育てたって言うのに……そんな子に育てた覚えはありません!」
「アッキー言うな! てか育ててもらった記憶はねぇよ!」
それとも、こんな姿に生んでくれてありがとう、なんて言うと思ったか!?
「あっ、それ言葉で出したツッコミと心の中でのツッコミのダブルツッコミってこと? 新しいわね」
こいつ、本当フリーダムだな。
ニーア以上だぞ。
「いや、あれと比べられても……」
さすがの女神もドン引きだった。哀れ、ニーア。
「で? 本当にそれだけかよ?」
「え、うん……あ、ウソウソ。本当はねー。たくさんあるようなないようなそんな気分だったらいいよね」
知らねーよ。
「てか今うんって頷いたじゃねーか。ないんだろ。どーせ」
「いやだってさー。アッキーがぐだぐだしてるんだもん。いつになったらアッキーの軍師一代物語の大躍進編が始まるのかって、視聴者のみんなも待ちくたびれてるんだよ?」
俺のせいかよ。
しかもなんだそのつまらなそうな物語。
「ってか視聴者って誰だ?」
「え? そりゃ番組を見てるお客様だけど? もしかしてアッキー知らない? 知力100もあるのに馬鹿?」
イラっと来る言い方だな。
ま、どうせ比喩表現だろ。
というかこいつ自身がそう思ってるのかもしれない。
「それはあるかなー。なんてったってアッキーは台風の目だからね。どう動いてくれるかとっても楽しみ」
「勝手にそう思っててくれよ。俺は俺のペースで進める」
「本当にそれで全員一緒にクリアみたいなことできるのかなー?」
「っ、どこでそれを――」
ってそうか。俺の言動は全部筒抜けなのか。
「そういうこと」
プライベートもくそもないな。
「まさか邪魔しないよな。それからそれで統一しても全員は生き返らせないとかもないよな?」
「しないしない。そういうところはちゃんとするよ。女神も信用商売だからね。約束は守るよ」
いまいち信用しきれないが、今はその言葉を信じるしかない、か。
「それなんだけど、ちんたらしてていいの? そうこうしているうちに、プレイヤー同士が殺し合ってどんどん消えていくよ?」
「それは……」
「ふーん、じゃあ分かった。私がもっと頑張れるようにしてあげよう」
「頑張れる?」
「そ、ノルマ。出来なかったら即死亡! 的な」
「やめろよ、そういうの……それに俺は俺のペースでやるって――」
「はいじゃあ最初のノルマ発表でーす」
「聞けよ」
最近俺の周り、俺の言う事聞かないやつ多くなったなぁ。
いや、こいつが初代か。
「じゃじゃーん。アッキーは今年中にエイン帝国南郡のいずれかの土地を支配してくださーい。出来なかったら即死亡、とは言わないけどちょっとしたペナルティ受けてもらいます!」
今年中って、あと4カ月しかないぞ。
「大丈夫大丈夫。火種はもう撒かれてるから。きっとあっちから接触来るよ」
「疑わしいな」
「そんなこと言っちゃってー。成功したらご褒美あげようとおもったのに」
「ご褒美?」
「お、食いついたー? いいねいいね。そういうの大事だよ」
「うるさいな、さっさと言えよ」
「はいじゃあご褒美の発表ー! なんとアッキーの知力を1下げちゃいまーす!」
「罰ゲームじゃねぇか!」
やっぱりこいつに期待した俺がバカだった。
いや、そもそもこいつなんかに期待するものなんてない。
「本当にそう思うー? じゃあ別のものにしていいけど。あーあ、もったいないなー。せっかくパラメータ100ボーナスがもう1回使えるようになるってのにー」
「パラメータ100ボーナス?」
そういえばそんなのがあるとか言ってたな。
使ったことないけど。
「いや、使ったよ。あの王都防衛戦の最終日。アッキーが願ったんだよ。サカキくんは生きている。シータ軍の援軍が来るって。それを知力のパラメータ100ボーナス天啓が叶えた。だからサカキくんは生き返って、シータ軍が援軍に来たの」
「そんな馬鹿な」
それじゃあやっぱりサカキは死んでたっていうのか?
「そ。天啓は因果律を変えて発動者の望みを結果に現すスキルだからね。もちろん現実に起こりえる可能性があること、かつ不平等にならない程度のことくらいしかその限りじゃないけど。例えば隕石が降ってきて敵軍に直撃して大逆転とか、アッキーが巨大化して敵を蹂躙するとかできないわけ。死者蘇生とか、援軍が少し早く来るとかその程度」
その2つを同列に並ぶのはおかしな話だけどな。
「なんで? 私を誰だと思ってるの? 転生の女神は伊達じゃないわ」
そうやって人の命を軽々と扱う。
女神じゃなくて悪魔だよ。
「じゃあサカキくんは死んでた方がいいってことね。ならそのように因果律を戻そうか?」
「いや、ちょっと待て。それは……」
「ふっふー、やっぱなんだかんだ言ってそういうことなんだよね? もうアッキーは強欲だなぁ」
「…………」
俺の女神に対する殺意が10上がったのを、こいつは知っているのだろうか。
「冗談だよ。さすがに私も起きた事象に関与はできない。不平等になっちゃうからね。さ、それより決めて頂戴? このご褒美でやる? それとも変える?」
「そのノルマを受けないって選択肢は?」
「ありませーん。やることは決定済みで、あとはご褒美をどうするかでーす。さぁ決める決める。はい、ごー、よんー、さんー」
「分かったよ。やるよやる。やってやるさ」
「やります、やれます、やってみせますって? さすが男の子。潔いね!」
今は女だけどな。
「はい、じゃあ今回の出番はこれまでー。あー、久しぶりにアッキーを苛めてスッとしたー。明日も仕事頑張るぞー」
どこの会社員だよ。
てか今、苛めるって言った? 言ったよな?
「うだうだと言う男の子は嫌われるよー。ほら、起きた起きた!」
「あ、そのハンマー……まさか、やめろ!」
「はいゴッチーン!」
存在しない頭を激しく殴打された感覚。
視界から何もかもがなくなり、そして――
これは夢だ。
しかも悪夢の部類。
光1つない真っ暗な視界。そして自身の体があるかないかの不確かな世界。
そしてそんな世界に存在するのならば、それこそ悪魔か魑魅魍魎の類だろう。
「誰が悪魔よ、失礼ね」
出た。
転生の女神とか自称している悪魔だ。
「だから女神って言ってるでしょうがー!」
「はぁ、うるさいな。何の用だよ。こっちは忙しいんだ」
「嘘おっしゃい、疲れてぶっ倒れてるくせに」
こいつ、どこまで見てるんだよ。
「ま、それが女神の仕事だし? それくらいはね」
「で、何の用だよ」
「ん? 用? …………えっと、元気?」
「見てたんじゃねーのかよ!」
「うぅ、そりゃそうだけど! ほら、やっぱ近況報告って大事じゃない?」
とか言って、何か月放置してたんだよ。
もうお前の存在半分忘れてたからな。
「うわー、キッツー。てかそれよ! 貴方が私を忘れてないか見に来たの! てかもっと出番頂戴!」
知らねーよ。
てかなに、出番って?
「あー、アッキーがぐれたー。ここまで手塩かけて育てたって言うのに……そんな子に育てた覚えはありません!」
「アッキー言うな! てか育ててもらった記憶はねぇよ!」
それとも、こんな姿に生んでくれてありがとう、なんて言うと思ったか!?
「あっ、それ言葉で出したツッコミと心の中でのツッコミのダブルツッコミってこと? 新しいわね」
こいつ、本当フリーダムだな。
ニーア以上だぞ。
「いや、あれと比べられても……」
さすがの女神もドン引きだった。哀れ、ニーア。
「で? 本当にそれだけかよ?」
「え、うん……あ、ウソウソ。本当はねー。たくさんあるようなないようなそんな気分だったらいいよね」
知らねーよ。
「てか今うんって頷いたじゃねーか。ないんだろ。どーせ」
「いやだってさー。アッキーがぐだぐだしてるんだもん。いつになったらアッキーの軍師一代物語の大躍進編が始まるのかって、視聴者のみんなも待ちくたびれてるんだよ?」
俺のせいかよ。
しかもなんだそのつまらなそうな物語。
「ってか視聴者って誰だ?」
「え? そりゃ番組を見てるお客様だけど? もしかしてアッキー知らない? 知力100もあるのに馬鹿?」
イラっと来る言い方だな。
ま、どうせ比喩表現だろ。
というかこいつ自身がそう思ってるのかもしれない。
「それはあるかなー。なんてったってアッキーは台風の目だからね。どう動いてくれるかとっても楽しみ」
「勝手にそう思っててくれよ。俺は俺のペースで進める」
「本当にそれで全員一緒にクリアみたいなことできるのかなー?」
「っ、どこでそれを――」
ってそうか。俺の言動は全部筒抜けなのか。
「そういうこと」
プライベートもくそもないな。
「まさか邪魔しないよな。それからそれで統一しても全員は生き返らせないとかもないよな?」
「しないしない。そういうところはちゃんとするよ。女神も信用商売だからね。約束は守るよ」
いまいち信用しきれないが、今はその言葉を信じるしかない、か。
「それなんだけど、ちんたらしてていいの? そうこうしているうちに、プレイヤー同士が殺し合ってどんどん消えていくよ?」
「それは……」
「ふーん、じゃあ分かった。私がもっと頑張れるようにしてあげよう」
「頑張れる?」
「そ、ノルマ。出来なかったら即死亡! 的な」
「やめろよ、そういうの……それに俺は俺のペースでやるって――」
「はいじゃあ最初のノルマ発表でーす」
「聞けよ」
最近俺の周り、俺の言う事聞かないやつ多くなったなぁ。
いや、こいつが初代か。
「じゃじゃーん。アッキーは今年中にエイン帝国南郡のいずれかの土地を支配してくださーい。出来なかったら即死亡、とは言わないけどちょっとしたペナルティ受けてもらいます!」
今年中って、あと4カ月しかないぞ。
「大丈夫大丈夫。火種はもう撒かれてるから。きっとあっちから接触来るよ」
「疑わしいな」
「そんなこと言っちゃってー。成功したらご褒美あげようとおもったのに」
「ご褒美?」
「お、食いついたー? いいねいいね。そういうの大事だよ」
「うるさいな、さっさと言えよ」
「はいじゃあご褒美の発表ー! なんとアッキーの知力を1下げちゃいまーす!」
「罰ゲームじゃねぇか!」
やっぱりこいつに期待した俺がバカだった。
いや、そもそもこいつなんかに期待するものなんてない。
「本当にそう思うー? じゃあ別のものにしていいけど。あーあ、もったいないなー。せっかくパラメータ100ボーナスがもう1回使えるようになるってのにー」
「パラメータ100ボーナス?」
そういえばそんなのがあるとか言ってたな。
使ったことないけど。
「いや、使ったよ。あの王都防衛戦の最終日。アッキーが願ったんだよ。サカキくんは生きている。シータ軍の援軍が来るって。それを知力のパラメータ100ボーナス天啓が叶えた。だからサカキくんは生き返って、シータ軍が援軍に来たの」
「そんな馬鹿な」
それじゃあやっぱりサカキは死んでたっていうのか?
「そ。天啓は因果律を変えて発動者の望みを結果に現すスキルだからね。もちろん現実に起こりえる可能性があること、かつ不平等にならない程度のことくらいしかその限りじゃないけど。例えば隕石が降ってきて敵軍に直撃して大逆転とか、アッキーが巨大化して敵を蹂躙するとかできないわけ。死者蘇生とか、援軍が少し早く来るとかその程度」
その2つを同列に並ぶのはおかしな話だけどな。
「なんで? 私を誰だと思ってるの? 転生の女神は伊達じゃないわ」
そうやって人の命を軽々と扱う。
女神じゃなくて悪魔だよ。
「じゃあサカキくんは死んでた方がいいってことね。ならそのように因果律を戻そうか?」
「いや、ちょっと待て。それは……」
「ふっふー、やっぱなんだかんだ言ってそういうことなんだよね? もうアッキーは強欲だなぁ」
「…………」
俺の女神に対する殺意が10上がったのを、こいつは知っているのだろうか。
「冗談だよ。さすがに私も起きた事象に関与はできない。不平等になっちゃうからね。さ、それより決めて頂戴? このご褒美でやる? それとも変える?」
「そのノルマを受けないって選択肢は?」
「ありませーん。やることは決定済みで、あとはご褒美をどうするかでーす。さぁ決める決める。はい、ごー、よんー、さんー」
「分かったよ。やるよやる。やってやるさ」
「やります、やれます、やってみせますって? さすが男の子。潔いね!」
今は女だけどな。
「はい、じゃあ今回の出番はこれまでー。あー、久しぶりにアッキーを苛めてスッとしたー。明日も仕事頑張るぞー」
どこの会社員だよ。
てか今、苛めるって言った? 言ったよな?
「うだうだと言う男の子は嫌われるよー。ほら、起きた起きた!」
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