知力99の美少女に転生したので、孔明しながらジャンヌ・ダルクをしてみた

巫叶月良成

文字の大きさ
198 / 627
第3章 帝都潜入作戦

第7話 オビシ三国軍事会談

しおりを挟む
 窓から見下ろす王都の風景。
 そこは今やお祭り騒ぎだ。

「第二種目は格闘大会、第三種目は競馬。そして第四種目は100メートル走とか……これ考えたやつ、絶対ギャンブラーだろ」

「発案者はあきらだから。文句はあっちに言ってよね」

「ふーん、てかもう終わりでよくない? 飽きちゃったんだけど」

 俺は今、大運動会から離れて、王宮の2階部分にいる。
 ここに来たばかりの時に、倒れた俺が寝ていた空き部屋だ。

 そこに水鏡と喜志田、2人を招いてテーブルを囲っている。

「てかその体操着。ぷっ、いい年した大人がコスプレとか、超笑える」

「あなたもでしょうが……てかアッキー、後で一緒に写真撮らない?」

「誰が撮るか!」

 もちろん雑談するためじゃない。
 これこそが大運動会を開催した真の目的。

「てかさー、俺たちが話すとか意味あんの? 適当にやればよくない?」

「そういうわけにはいかないだろ。さすがにあの巨大国家を相手に単独は厳しい」

「ふーん、まいいけど。首脳会談とかちょっち面白そうだし?」

 そう、俺たちが集まった理由。
 それはオムカ、ビンゴ、シータの3カ国首脳会談だ。本来は王直々ないし宰相が行うようなものだが、議題が議題だけにこの3人となったわけだ。

 もちろん、エイン帝国への侵攻についての話だ。

 さすがに表立ってこの3人が顔を合わせるのは危険だ。
 おそらく帝国の間諜がいるだろうし、帝国侵攻の時期を悟られる可能性がある。

 だから修好のために大運動会という隠れ蓑を開催して、それを俺たちが集まる名目にしたのだ。それで100%騙せるとは思えないが、何もしないよりはマシだということでこの運びとなった。
 まぁ、一応各国の融和を求めての理由もあったけど、さっきのビンゴ王国の人を考えるとそれも無駄だったかもしれない。

「とりあえずおさらいだ。今、オムカが動かせる兵力は最大で2万。南郡とは友好な関係を築けてはいるけど、そこから兵力を持ってくるのはまだ厳しい。去年の戦はかなり激戦だったんだ」

「シータは北部戦線にある3万、いえ、南郡への備えがなくなったのと海岸線の警備を投入すれば5万はいけるわ」

「ビンゴはどうかなぁ。まぁなんとかやりくりして7万とかくらいじゃない?」

「合計14万か……」

 数だけ聞けば大したものだ。
 だが、それだけでは全く足りない。

「対してエイン帝国軍200万、か」

 そう、エイン帝国軍は200万もの兵を持つとうたっている。
 3カ国連合の10倍以上の兵力ということだ。

「そんな数、帝国領の収穫高と経済状態、人口から算出してもあり得ないわ。ただの過剰訴求よ。実際は70いれば良い方。その中で帝都の守りと各地の守備、それから北の異民族の防衛を考えると実質動かせるのは多くて40万くらいのはずよ」

「そうそう、てかそんなに兵がいたら今頃俺たち滅んでるって。ま、それでも3倍はいるんだけどね」

「そうか……ところで喜志田。前に言ってたのは本当なのか? 返してもらえるって話」

「んー、あぁアレ? マジマジ。もう出血大サービスでプレゼントしちゃうよ」

 この会議が始まる前、喜志田が言った内容に俺は耳を疑った。

『王様がね。あの砦、オムカに返していいって』

 あの砦とは、俺がこの世界に来た時にビンゴ王国がオムカ国から奪った砦で、去年行われたオムカとビンゴの連合軍とエイン帝国軍が戦った時に争点となった砦だ。

 それをビンゴ王国は無償でオムカに返還するという。
 そんな虫のいい話、何か裏があるに決まっている。

「んんー? なに? 疑ってるの?」

「そりゃあな。去年、俺たちから奪っておいて、さらに救援要請までして守った砦だ。なんで今さら俺たちに返す?」

「そんなこと言われてもなぁ。俺、ただの使いっパシリだし?」

「んなわけねーだろ」

「おっと、怖いなぁ。ねぇ水鏡くん。ジャンヌ・ダルクってたまに怖くない?」

「え、私? いや、その……」

 関係のない話から急に振られて焦った様子の水鏡だが、すぐに冷静な顔に戻ると、

「私も気になるわ。そんな領土問題をあっさり放棄するなんて、ちょっと信じられない」

「んー、じゃあクイズにしようか。返還する理由は次のうちどれでしょー? 1番、保持するのがめんどくさかったから。2番、女王即位の結納品。3番、単なる義侠心ぎきょうしんの現れ。さぁどれ!?」

 この男。どこまで本気だよ。
 てか全部嘘くさい。

 まぁいい。
 これも狐の化かし合いだ。
 少し切り込んでみるのも悪くない。

「答えは4番。砦を狙うエイン帝国の主力を俺たちが受け持っている間に西から一気に北上して帝都をつく。そのための餌を俺たちにやれってことだろ」

「うわー、そんな意地悪すると思う? もっと人を信じたほうがいいよ、君?」

「生憎、お前らには痛い目に遭わされてるんでね。今日の第一種目でも、危ないところだった」

「ふーん、あっそ」

「こらこら、ここに私事を持ち込まないの。で? 答えはどれなの、喜志田さん?」

 水鏡が俺と喜志田の間に入って仲介してくる。
 うぅん。どうも、去年のことがあるからか熱くなってしまうな。

「答え? うーんと、うーんと……あはは、答えなんてないや」

「お前ふざけんなよ!?」

「アッキー!」

 水鏡からの叱責。
 そうだ、落ち着け。

「へぇ、アッキーってもしかして本名? 俺もそう呼んでいい?」

「お前がふざけるのをやめたらな」

「分かった。じゃあ真面目に答えるよ。答えはアッキーの言う通りさ。去年、アッキーたちが戦ってきた敵の総大将と会ったって話だよね。尾田張人おだはるとって言ったっけ? ねぇ、アッキー? 実は彼、前に内通を持ち掛けてきた将軍でね。調べてみたところあれは教皇の左腕って話だよアッキー。つまり帝国軍の主力の1つなんだアッキー。今は数は少ないけど、帝国が本気出したら十万単位で攻めて来るよ、アッキー。そんなところにいたら危ないから、うちは引っ込んで後はアッキーにお任せってこと。分かった、アッキー?」

 こいつ、急に真面目なトーンで何を……。
 てかアッキーアッキーうるさい。

「いい性格してるわね。初めから答えのない3択なんて」

「べっつにー。ただアッキーならそれくらい読んでくれるとは思ったわけだけど」

「おい、俺はまだその呼び名を許したわけじゃないぞ」

「ええー? ふざけるのをやめたら呼んで良いって言ったよ? アッキーはこうやって国の代表やってるのに、二枚舌使うつもり? ふーん、それって外交的にまずくない?」

「いいんだよ、俺の政治力なんてたかがしれてる。てかお前、俺の知ってるやつに似てるぞ」

「それはきっと八面玲瓏はちめんれいろうで清廉潔白な素晴らしい人間なんだろうね」

「いや、言葉で人を操って自分は傷つかないところにいる、サディスティックで最低で下種で最低で策士で最低で裏切り者で最低で自己中で最低で最低な人間だよ」

「それはおかしいな。俺に似た人間がそんな極悪非道な便所虫みたいな人間のわけがないし」

「いや、そっくりだね。だってお前と――」

「はいはい。いつまでやりあってるの。私から見たら2人とも似た者同士よ」

 水鏡、それはかなりひどい評価だぞ。

 だが……確かに。頭を冷やせ。
 ここで喜志田とやりあってもしょうがない。
 どのみち、3国が連合してようやく土俵に立てるレベルの戦力差なのだから。

「分かった。どういう裏があるにせよ、元の領土を返してもらうに越したことはない。オムカはその要請を受諾する」

 一応、マリアからは全権を任されている。
 国益を損なわない限り、俺の判断がすべてになるのだ。

「はいせいりーつ。じゃあ受け渡しとかは……いや、面倒だ。グロス・クロスにでもやらせるから勝手にして」

「ああ、うちも宰相に任せる。そういうのは面倒だ」

「あなたたち、本当に似た者同士だわ」

 水鏡が肩を落とすように嘆息した。
 本当心外だからやめてくれるかなぁ。

「それで? 領土問題は解決したとして、いつやるの?」

 そう、それが一番の問題だ。
 それぞれが個別に出撃したとして、戦力差で圧倒的に劣っているのだから各個撃破されて終わりだ。

 3方面同時進行によって相手の頭脳を麻痺させ、劣勢を互角に持ち込むことこそが肝要。
 そのためには出陣する時期を他国と合わせなければならない。

「今が4月でしょー? これから戻ってなんだかんだして、早くて6月とかじゃないかな。でもやっぱり収穫の終わった9月とか10月がいいけどね」

「あっそ。で、アッキーは?」

「うちはいつでもいい」

「へぇ、自信満々だ」

 そういうわけじゃない。
 どちらかと言えば“いつでもダメ”が正しい。
 オムカは去年、戦続きだった。農民と兵士は分業されているから、収穫が減るということはないが、そもそも1年間無税という誰かさんが作った法案のせいで6月までは全く実入りがないのだ。

 今は貯蓄を食いつぶしながら南郡からの収益で食いつないでいるが、出せて2万の出兵が1度だけ可能というレベルだろう。

「んー、とはいえだよ。年末に宣戦布告してきた帝国が、そこまで待ってもらえるかな」

「そこだな。正直、今でさえ危ういと見てる。いつ来てもおかしくない。叶うなら来月にでも出兵したいくらいだ」

「好戦的ね、アッキー」

「そういうわけじゃないさ、水鏡。ただ、やらないとやられるってだけだ」

「ふーん。ま、いいけど。じゃあこのお祭りが終わったらすぐに兵を出せるわね。うちが先にいただいてるけど」

「へ?」

「偽装よ。国王と水軍都督がいない状態で攻勢には出ないはず。その隙をついて今、あまつ時雨しぐれが帝国領に進行中よ」

「はぁ!?」

 い、いつの間にそんな手を……。

「あ、奇遇だね。うちもそう。先鋒のクリッドを連れてきてるけど、本国からは本命の将軍が北上中。いやー、嘘ついて黙ってようと思ったけど、シータ王国って意外にも好戦的なんだね」

「はあぁ!?」

 こいつら。やることがえげつない。
 軍の主力や代表がオムカでこんなことをやってるうちに、まさか攻めて来るなんて誰も思わないだろう。

「そういうわけだからアッキーも出兵よろしくー。ま、これなら少しは楽に勝てるよね」

「あ、あぁ……」

 話がいきなり飛びすぎて、俺ですら話についていけなかった。
 てかもう出兵時期とか関係ないじゃん。開戦してるじゃん。

 その時、外から空砲の音が響いてきた。
 それが競技終了の合図だと知っている。

「ん……終わったみたいだね」

「そうね、きっと明がバカみたいにはしゃいでると思うから、殴ってでもさっさと帰らないと」

「てか君の国の王様、フットワーク軽いね?」

「嫌になっちゃうけどね」

「んじゃ、俺も帰るかなぁ。最悪そのまま北方戦線に直行だわー。めんどくさいけど、『一撃必殺ワンターンキル』が必要になるかもしれないし」

「それ、あなたのスキル? 物騒な名前ね」

「ん、水鏡ってゲームとかやらない系? ま、条件さえ揃えば問答無用で敵将をぶっ殺すことができるって優れものなんだよ。まぁ、その条件がめっちゃめんどいんだけど」

 やれやれ、この2人。
 頼もしいというかマイペースというか。

 それでもこちらが先手を取れたのは大きい。
 帝国が本気を出す前に、なんとか優位な態勢を作るしか生き延びる方法はない。

 せっかく独立して南郡にも地盤が作れたというのに、まったく楽にならない。
 やれやれ、今年もまた大変そうだ。

//////////////////////////////////////
ここまで読んでいただきありがとうございます。
そしていよいよ、3つほど閑話を挟んだ後に北伐開始となります。新たに出現する強敵との戦いまで今少しお待ちください。

また、いいねやお気に入りをいただけると励みになります。軽い気持ちでもいただけると嬉しく思いますので、どうぞよろしくお願いします。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

聖女を追放した国の物語 ~聖女追放小説の『嫌われ役王子』に転生してしまった。~

猫野 にくきゅう
ファンタジー
国を追放された聖女が、隣国で幸せになる。 ――おそらくは、そんな内容の小説に出てくる 『嫌われ役』の王子に、転生してしまったようだ。 俺と俺の暮らすこの国の未来には、 惨めな破滅が待ち構えているだろう。 これは、そんな運命を変えるために、 足掻き続ける俺たちの物語。

追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい

桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-

ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!! 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。 しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。 え、鑑定サーチてなに? ストレージで収納防御て? お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。 スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。 ※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。 またカクヨム様にも掲載しております。

婚約破棄された上に、追放された伯爵家三男カールは、実は剣聖だった!これからしっかり復讐します!婚約破棄から始まる追放生活!!

山田 バルス
ファンタジー
カールは学園の卒業式を終え、心の中で晴れやかな気持ちを抱えていた。長年の努力が実を結び、婚約者リリスとの結婚式の日が近づいていたからだ。しかし、その期待は一瞬で裏切られた。 「カール、私たちの婚約は解消するわ。」 リリスの冷たい声がカール…

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

追放もの悪役勇者に転生したんだけど、パーティの荷物持ちが雑魚すぎるから追放したい。ざまぁフラグは勘違いした主人公補正で無自覚回避します

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
ざまぁフラグなんて知りません!勘違いした勇者の無双冒険譚  ごく一般的なサラリーマンである主人公は、ある日、異世界に転生してしまう。  しかし、転生したのは「パーティー追放もの」の小説の世界。  なんと、追放して【ざまぁされる予定】の、【悪役勇者】に転生してしまったのだった!  このままだと、ざまぁされてしまうが――とはならず。  なんと主人公は、最近のWeb小説をあまり読んでおらず……。  自分のことを、「勇者なんだから、当然主人公だろ?」と、勝手に主人公だと勘違いしてしまったのだった!  本来の主人公である【荷物持ち】を追放してしまう勇者。  しかし、自分のことを主人公だと信じて疑わない彼は、無自覚に、主人公ムーブで【ざまぁフラグを回避】していくのであった。  本来の主人公が出会うはずだったヒロインと、先に出会ってしまい……。  本来は主人公が覚醒するはずだった【真の勇者の力】にも目覚めてしまい……。  思い込みの力で、主人公補正を自分のものにしていく勇者!  ざまぁフラグなんて知りません!  これは、自分のことを主人公だと信じて疑わない、勘違いした勇者の無双冒険譚。 ・本来の主人公は荷物持ち ・主人公は追放する側の勇者に転生 ・ざまぁフラグを無自覚回避して無双するお話です ・パーティー追放ものの逆側の話 ※カクヨム、ハーメルンにて掲載

勇者をしている者なんですけど、キモデブ装甲のモブAにチェンジ魔法を使われて、身体が入れ替わった!? ありがとうモブA!やっと解放された!

くらげさん
ファンタジー
 雑草のように湧いてくる魔王の討伐を1000年のあいだ勇者としてこなしてきたら、キモデブ装甲のモブAに身体を取られてしまった。  モブAは「チェンジ魔法」のユニークスキル持ちだった。  勇者は勇者を辞めたかったから丁度良かったと、モブAに変わり、この姿でのんびり平和に暮らして行こうと思った。  さっそく家に帰り、妹に理由を話すと、あっさりと信じて、勇者は妹が見たかった景色を見せてやりたいと、1000年を取り戻すような旅に出掛けた。  勇者は勇者の名前を捨てて、モブオと名乗った。  最初の街で、一人のエルフに出会う。  そしてモブオはエルフが街の人たちを殺そうとしていると気付いた。  もう勇者じゃないモブオは気付いても、止めはしなかった。  モブオは自分たちに関係がないならどうでもいいと言って、エルフの魔王から二週間の猶予を貰った。  モブオは妹以外には興味なかったのである。  それから妹はエルフの魔王と仲良くなり、エルフと別れる夜には泣き止むのに一晩かかった。  魔王は勇者に殺される。それは確定している。

処理中です...