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6章(5)
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碧の淹れてくれたコーヒーは温かく、飲むと胃の底から寒さがほどけていった。
何気なく電源がついたままのモニターを見る。画面上では文書作成ソフトが立ち上がっており、書きかけと思われる原稿の一部が表示されていた。
「新しい小説、書いてるんですか?」
「まだ落書きみたいなものだよ。小説と呼べるほどのものではない」
碧が前を通り過ぎると、あの苦いキャラメルのような匂いがした。それはコンビニ前で嗅ぐ嫌なタバコの臭いと変わらないのに、碧からただよってくる匂いは不思議と嫌な感じがしなかった。ただ苦くて、碧は確実に自分より大人なのだと感じただけだ。
「十束くんに言われたことを、僕なりに考えた」
コーヒーを一口啜り、椅子に座った碧は布団の端に腰掛けている旭陽に向かって切り出した。
「家を空けて、夢見しずくとなにをしていたか……それは今は言えない」
でも、と碧が続ける。
「夢見しずくとは仕事上の付き合いしかない。それだけは、信じてほしい」
旭陽は碧の顔を見上げた。眼鏡の奥の目はすうっと澄んでいて、嘘をついているようには見えない。碧にはまだ言っていないが、旭陽は夢見しずくと会っている。彼が言ったことも加味すれば、碧は嘘をついていないのだろう。今の旭陽なら、そう信じられる。
なぜ碧はわざわざ夢見しずくとのことを釈明したのだろう。それはまるで、恋人に言い訳をする時のようなもので――。
「僕は正直、男を好きになるという気持ちはまだわからない。そもそも僕は女の子と付き合ったことすらないが……。けれど、十束くんには……そばにいてほしいと思っている」
ぐっと湧き出してきた感情に、突き動かされそうになった。立ち上がり、思わず碧を抱きしめそうになって、手に持ったコーヒーカップの存在を思い出した。デスクの端にカップを置き、椅子に座って固まっている碧を見下ろす。
「あの……」
「なんだい」
「抱きしめて、いいすか」
碧が手に持っていたコーヒーカップをデスクの上に置いた。なにも言わないが、旭陽に向かって腕を広げる。OKということなのか?
旭陽は恐る恐る腕を伸ばして、碧の身体を抱きしめた。腕の中にある碧の身体は力を込めたら折れてしまいそうなほど頼りない。そっと背中に回ってきた腕も細く、力がなくて枯れ木のようだ。
それでも、温かい。ぎゅっと抱きしめているとトクトク、と一定のリズムを刻む心音が伝わってくる。特別なことはなにもいらなかった。こうして抱き合っているだけで、すべてが満たされていくような気がした。
「俺、次の大会頑張りますから」
「……期待しているよ」
「見に来てください、大会」
「わかった。予定を調整しよう」
旭陽は最後にぎゅうっと腕に力を込めてから、身体を離した。碧の顔は、ほんのりと頬が赤くなっていた。それが寒さからなのか、照れなのかはわからない。もしかしたら旭陽も同じような顔をしていたかもしれない。
顔の熱さをごまかすように、旭陽はカップを取り上げると残っていたコーヒーを一気に飲み干した。まだ熱くて苦い液体が、喉を滑り落ちていく。
「十束くんが、嫌じゃなければ――」
ふいに碧が呟く。旭陽は空になったカップをキッチンのシンクに置きに行ってから、戻って碧の言葉の続きを待った。
「その……」
碧は言葉に詰まっている。カップを掴む手にはぎゅっと力が込められていて、これからなにか重大なことを言おうとしているのではないかと思わせる。
旭陽は根気強く、碧が言いたいことを形にするのを待った。碧のためなら、いくらでも待てる。
「キス、してくれないか」
「……は?」
「いや! 嫌ならいいんだ、すまない。このことは忘れてもらって構わな――」
片手で碧の顎を捉える。旭陽は彼が言いかけた言葉を飲み込んだ。旭陽にとって、はじめてのキスだった。碧の唇は冷たくて、タバコとコーヒーの味がした。ファーストキスはレモンの味、なんて言った人がいたけれど、まったくもってそんなことはなかった。けれど苦くて、すこし甘い。
たった数秒の触れ合いだったが、旭陽にとっては忘れられない数秒になった。きっとこの先、何十年と生きていったとしても、この瞬間のことを忘れることはないだろう。碧も同じ気持ちでいてくれたらいい、と思って彼の顔を見ると、碧は見たこともないほど顔を真っ赤にしてうつむいていた。
「キスしてくれって言ったの、そっちじゃないすか」
「それは、そうだが……」
碧は旭陽から視線を逸らすと、立ち上がり、そそくさと浴室に消えていった。
電気のついた浴室からポンポンと脱いだ服が廊下に放り出され、そのうちシャワーの流れる音が響いてきた。
布団の上に寝転がり、そっと指先で唇に触れる。まだキスの感触が残っている。一生、残り続ければいいのに。旭陽はふと思った。碧が触れてくれるなんて、これが最初で最後かもしれないのだから。
碧に肩を揺すられて、自分が寝入っていたことに気づいた。碧はシャワーを終え、髪の毛も乾かして寝間着を着て、さっぱりとした顔をしている。
「君もシャワーがまだなら入ってくるといい。服は……君のサイズには合わなさそうだ」
「どうせ隣なんで、部屋から着替え持って来ますよ」
旭陽は脱兎のごとく部屋を飛び出し、ベッドの上でスマホに夢中な妹を尻目に大急ぎで寝間着と下着をクローゼットから引っ張り出した。
そして碧の部屋に戻り、まだ温かさの残っている浴室でシャワーを浴びる。寝間着に着替え、髪を乾かすと碧は間接照明をひとつだけつけて、他の電気はすべて消してしまった。
「すまないが、布団はひとつしかない」
「いいですよ、俺は床でも寝れるんで」
「そうではなく……その、狭いかもしれないが」
碧はまた、口ごもってしまった。長くなった毛先を指先でいじり、次の言葉を探している。
「一緒に寝ていい、ってことすか?」
こくり、と碧がうなずくのを見て、旭陽は布団の端に身体を横たえた。掛け布団を持ち上げるとその隙間に碧が猫のようにするりと滑り込んでくる。
旭陽は後ろから、碧の細い身体を抱きしめた。碧は抵抗することもなく、大人しく旭陽の腕の中にすっぽりと収まった。
「今日は……よく眠れる気がする」
腕の中で碧が呟いた。その呟きを聞いた時、旭陽はすでに半分、夢の中だった。
何気なく電源がついたままのモニターを見る。画面上では文書作成ソフトが立ち上がっており、書きかけと思われる原稿の一部が表示されていた。
「新しい小説、書いてるんですか?」
「まだ落書きみたいなものだよ。小説と呼べるほどのものではない」
碧が前を通り過ぎると、あの苦いキャラメルのような匂いがした。それはコンビニ前で嗅ぐ嫌なタバコの臭いと変わらないのに、碧からただよってくる匂いは不思議と嫌な感じがしなかった。ただ苦くて、碧は確実に自分より大人なのだと感じただけだ。
「十束くんに言われたことを、僕なりに考えた」
コーヒーを一口啜り、椅子に座った碧は布団の端に腰掛けている旭陽に向かって切り出した。
「家を空けて、夢見しずくとなにをしていたか……それは今は言えない」
でも、と碧が続ける。
「夢見しずくとは仕事上の付き合いしかない。それだけは、信じてほしい」
旭陽は碧の顔を見上げた。眼鏡の奥の目はすうっと澄んでいて、嘘をついているようには見えない。碧にはまだ言っていないが、旭陽は夢見しずくと会っている。彼が言ったことも加味すれば、碧は嘘をついていないのだろう。今の旭陽なら、そう信じられる。
なぜ碧はわざわざ夢見しずくとのことを釈明したのだろう。それはまるで、恋人に言い訳をする時のようなもので――。
「僕は正直、男を好きになるという気持ちはまだわからない。そもそも僕は女の子と付き合ったことすらないが……。けれど、十束くんには……そばにいてほしいと思っている」
ぐっと湧き出してきた感情に、突き動かされそうになった。立ち上がり、思わず碧を抱きしめそうになって、手に持ったコーヒーカップの存在を思い出した。デスクの端にカップを置き、椅子に座って固まっている碧を見下ろす。
「あの……」
「なんだい」
「抱きしめて、いいすか」
碧が手に持っていたコーヒーカップをデスクの上に置いた。なにも言わないが、旭陽に向かって腕を広げる。OKということなのか?
旭陽は恐る恐る腕を伸ばして、碧の身体を抱きしめた。腕の中にある碧の身体は力を込めたら折れてしまいそうなほど頼りない。そっと背中に回ってきた腕も細く、力がなくて枯れ木のようだ。
それでも、温かい。ぎゅっと抱きしめているとトクトク、と一定のリズムを刻む心音が伝わってくる。特別なことはなにもいらなかった。こうして抱き合っているだけで、すべてが満たされていくような気がした。
「俺、次の大会頑張りますから」
「……期待しているよ」
「見に来てください、大会」
「わかった。予定を調整しよう」
旭陽は最後にぎゅうっと腕に力を込めてから、身体を離した。碧の顔は、ほんのりと頬が赤くなっていた。それが寒さからなのか、照れなのかはわからない。もしかしたら旭陽も同じような顔をしていたかもしれない。
顔の熱さをごまかすように、旭陽はカップを取り上げると残っていたコーヒーを一気に飲み干した。まだ熱くて苦い液体が、喉を滑り落ちていく。
「十束くんが、嫌じゃなければ――」
ふいに碧が呟く。旭陽は空になったカップをキッチンのシンクに置きに行ってから、戻って碧の言葉の続きを待った。
「その……」
碧は言葉に詰まっている。カップを掴む手にはぎゅっと力が込められていて、これからなにか重大なことを言おうとしているのではないかと思わせる。
旭陽は根気強く、碧が言いたいことを形にするのを待った。碧のためなら、いくらでも待てる。
「キス、してくれないか」
「……は?」
「いや! 嫌ならいいんだ、すまない。このことは忘れてもらって構わな――」
片手で碧の顎を捉える。旭陽は彼が言いかけた言葉を飲み込んだ。旭陽にとって、はじめてのキスだった。碧の唇は冷たくて、タバコとコーヒーの味がした。ファーストキスはレモンの味、なんて言った人がいたけれど、まったくもってそんなことはなかった。けれど苦くて、すこし甘い。
たった数秒の触れ合いだったが、旭陽にとっては忘れられない数秒になった。きっとこの先、何十年と生きていったとしても、この瞬間のことを忘れることはないだろう。碧も同じ気持ちでいてくれたらいい、と思って彼の顔を見ると、碧は見たこともないほど顔を真っ赤にしてうつむいていた。
「キスしてくれって言ったの、そっちじゃないすか」
「それは、そうだが……」
碧は旭陽から視線を逸らすと、立ち上がり、そそくさと浴室に消えていった。
電気のついた浴室からポンポンと脱いだ服が廊下に放り出され、そのうちシャワーの流れる音が響いてきた。
布団の上に寝転がり、そっと指先で唇に触れる。まだキスの感触が残っている。一生、残り続ければいいのに。旭陽はふと思った。碧が触れてくれるなんて、これが最初で最後かもしれないのだから。
碧に肩を揺すられて、自分が寝入っていたことに気づいた。碧はシャワーを終え、髪の毛も乾かして寝間着を着て、さっぱりとした顔をしている。
「君もシャワーがまだなら入ってくるといい。服は……君のサイズには合わなさそうだ」
「どうせ隣なんで、部屋から着替え持って来ますよ」
旭陽は脱兎のごとく部屋を飛び出し、ベッドの上でスマホに夢中な妹を尻目に大急ぎで寝間着と下着をクローゼットから引っ張り出した。
そして碧の部屋に戻り、まだ温かさの残っている浴室でシャワーを浴びる。寝間着に着替え、髪を乾かすと碧は間接照明をひとつだけつけて、他の電気はすべて消してしまった。
「すまないが、布団はひとつしかない」
「いいですよ、俺は床でも寝れるんで」
「そうではなく……その、狭いかもしれないが」
碧はまた、口ごもってしまった。長くなった毛先を指先でいじり、次の言葉を探している。
「一緒に寝ていい、ってことすか?」
こくり、と碧がうなずくのを見て、旭陽は布団の端に身体を横たえた。掛け布団を持ち上げるとその隙間に碧が猫のようにするりと滑り込んでくる。
旭陽は後ろから、碧の細い身体を抱きしめた。碧は抵抗することもなく、大人しく旭陽の腕の中にすっぽりと収まった。
「今日は……よく眠れる気がする」
腕の中で碧が呟いた。その呟きを聞いた時、旭陽はすでに半分、夢の中だった。
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