あなたが捨てた花冠と后の愛

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私は、愛というものがわからなくなってしまった。
今まで抱いていた感情は、音を立てるように崩れ落ち、泡のように消えてしまった。

それでも私は皇太子妃、国のためになることをしなくてはいけない。まずは跡継ぎを産むことが一番！

どうしたら子が授かるのかしら。
そういえば、森の奥深くに願いを叶える魔女がいると聞いたことがある。そこに行ってみよう。

夜、皆が寝静まる中、森の魔女がいると言われる場所までお兄様と向かった。

「本当に行くのか」

お兄様は心配そうにこちらを見ている

「うん。行ってくる」

お兄様に伝え、魔女のいるところまで向かった。



「いらっしゃい。おや、珍しいお客様だね。」

魔女がわたくしの方を見ている

「はじめまして。リリエンヌと申します。魔女様にお願いがあって来ました。」

「お願い。なんだい」

「子が欲しいのです。魔女様なら願いを叶えてくださると聞き、来ました。お願いいたします。」

「なぜ、そんなに子が欲しいんだい。」

「わたくしは、この国の皇太子妃です。どうしても跡継ぎが欲しいのです。」

「なるほどね。その願い、叶えてやろう。」

「本当ですか」

「ただし、条件がある」

「条件とは、なんでしょうか」

「お前の大切なものをもらう」

「大切なもの。わかりました。お渡しできるものならお渡しいたします。」

「お前の大切な人を想う気持ちをもらう。ほら、これが妊娠しやすくなる薬だ。」

「ありがとうございます。魔女様」

魔女様にお礼を伝えて王宮に向かって帰っていった。

「リリィ、会えたか。」

「えぇ、会えましたよ」

どうしたんだ？　いつものリリィらしくない

「お兄様、帰りましょう」

「あ、あぁ」