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第16話
しおりを挟む私は適当な部屋を借りてその日の夜を明かした。
次の日。私が部屋の外に出ると、何やら城内は慌ただしかった。
とりあえず、情報を集めましょうか。
まずは城内を歩く。と、騎士たちが何か話をしているのが分かった。
「……なんでも、魔物が大量発生しちまったらしいぞ?」
「マジかよ……これも聖女の祈りがなくなったからだよな?」
「ああ、たぶんな……聖女様が勝手にどこかに行って」
「で、でもよ……オレは聞いたんだけどよ。これまで散々聖女様をいじめていたゲイル王子やその聖女候補たちが悪いんじゃないか?」
「ば、馬鹿! そ、それは……そうかもしれないが、もしもそんなこと言っているのを誰かに聞かれたら、殺されるぞ!?」
「……わ、わかってるけどよ」
騎士たちはため息をついてから、その場を後にした。
……まあ、騎士たちは上の指示に黙って従うしかないから仕方ないでしょうね。
ということは、今もしかしたら王子たちは緊急会議を開いているかもしれない。
私は会議室へと移動すると、ちょうど王子を含めた重鎮たちが会議室へと向かっているのを見つけた。
やっぱりいたわね。猿とカエルが仲良く歩いている姿を眺めながら、私もその後を追って会議室へと入った。
私がいても誰も何も言わない。会議に参加する一人間だと皆が認識してくれていて、非常に便利だった。
「……それで、状況はどうなっているんだ?」
同席した騎士が王子に問いかけられて答えた。
「は、はい……その。アルストの街周辺に大量の魔物が発生していまして、現地の騎士だけでは対応が困難になっております。また、近くの村までも危険にさらされています……」
「村? ああ、平民しかいない村などどうでもいい。だが、アルストの街は何としても守り抜かないとな。あそこはベルット伯爵の領地だからな……っ!」
確かそれなりに納税してくれているという伯爵様だ。王子からすれば、仲良くしたい相手でしょうね。
「……一番隊の隊長に指示を出して、魔物狩りへと行かせろ!」
「い、一番隊隊長は現在猿です! 指揮は難しいと思います!」
「……だれでもいい、指示を出せる人間に軍を向かわせろ!」
「は、はい……ただいま! アルストの街周辺の村々は……そのままで、よいのでしょうか?」
「ああ、我々、上級民族が生き残ることが大事だ!」
「で、ですが――かしこまりました」
男はすっと頭を下げてから、すぐに会議室を後にした。
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