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第15話
しおりを挟む「確かに、そうだな。牢獄から出たとなれば、遅かれ速かれ気づかれるだろう」
「まあ、そこは……私の魔法で誤魔化そうと考えています。アシュート様は、実力主義の世界にしたいと話していたんですよね?」
「ああ……そのきっかけとして、平民から騎士になれるようにという話があがっていた。だが、それが決まる頃には、国王は死んでしまい、アシュート様もそれからすぐに牢獄へと放り込まれてしまった。……自分にとって不利益になると考えた何者かの手によって、ね」
「それは……わかっております。ですから、アシュート様が味方につけるべきは少数の貴族と、多数の平民になります」
「……多数の平民。そう、か。確かに平民たちの支持を集められれば、革命を起こした後の世界でもうまくいくかもしれないな」
「はい」
すぐにすべてが解決するわけではないと思うけど、このくらいならちょうどいいんじゃないかな、と思う。
……そして私は、王子の立場を追い詰めることができる。
「……そこまで考えているとは、さすが聖女様ですね」
「いえ、そんなことはありません。……とにかく、アシュート様を一度救助します。その後、この王城まで連れてくるつもりです」
「こ、ここまで!? さすがにそれは……領地でもいいんじゃないのか?」
「この国の現状を見ていただくには、実際に来てもらったほうがいいと思いまして」
「……わかった」
「その間、あなたはロベルト家として平民の支持を集められるようにしてほしいのです」
「そう、だね。アシュート様が動きやすい状況を作っておこうと思う」
「お願いします」
話し合いはそこで終わり、私はすっと一度頭を下げた。
それからすぐに認識阻害魔法を自分にかけてから、その部屋を出た。
……これで、アシュート様を革命軍のリーダーとして動かすことは可能になったわね。
私がうまく救出すればケルズ王子の立場を追い詰めるための第一段階は始まるわね。
あとは他の貴族の動向が気になるところね。
今のケルズ王子に、不満を抱いている人は決して少なくないはず。
私は城を歩き、貴族や使用人に愚痴をこぼしていく。
――王子が原因で聖女様に逃げられて混乱しているそうよ?
――聖女様がいないで、この国はどうなるのかしら?
そんなことを伝えていく。相手もわりと乗り気で、私の愚痴に付き合ってくれる。
……うん、こんな感じでさらにケルズ王子への不満を集めていけばいい。
そうすれば、彼に付き従う貴族自体がどんどん減っていくはずだ。今はただのカエルで、力だってないんだから。
私は十年間、この城で苛め抜かれたんだから、王子にも最低でもそのくらいは味わってもらわないとね?
カエルになっただけで罪が償えるとは思わないでくださいね?
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