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第24話
しおりを挟む「すまない。だいぶ体力が落ちてしまっているようだ」
監獄から出たところで、私は待たせていたワーちゃんと合流したのだが、そこで一度一息つくことにした。
まあ、私たちはどこにいても周りには見えないようになっている。
だから、どこでどう休んでも問題ない。
……私はアシュート様を一度座らせ、それからその体に回復魔法をかけた。
それで、少しでも楽になってくれれば……そう思っての魔法だった。アシュート様の表情が僅かに和らいだようで、私はほっと胸を撫でおろした。
「ありがとう、レベッカ」
「いえ、気にしないでください。……それで、アシュート様。これから私とともにベサと合流したいと考えているのですが、長旅は大丈夫でしょうか? できれば、王都まで移動と考えて居るのですが」
「……脱獄して王都にいく、か」
「私の魔法であれば問題ありませんので」
「とはいえ、さすがに少し緊張してしまうよ。ベサに会う前に少しでも体力を取り戻したい。それに、一度どこかで体を洗って、衣服なども正したい。どこか……個室の風呂がある店などはないだろうか?」
「……わかりました。それでは今日はこの街に泊まり、明日出発としましょうか」
「ああ、すまないな」
街を歩いていく。
……もちろん、私の魔法で誰も聖女にもアシュート様にも気づいていない。
今も、近くを通った騎士が罪人として私の名前をあげていたけど、そんな隣を歩いている私には一切気づいていない。
「……キミは王都では罪人として扱われているのかい?」
「そうですね。王都に戻ればわかることですが、王子をカエルに、他の聖女候補たちを虫や動物に、私のことを猿、と馬鹿にしていた人たちをみんな猿に変えてしまいましたので」
私が頬をかきながらそういうと、アシュート様はくすくすと笑った。
「そうか……それだけ不満がたまっていたんだね」
「……はい。聖女としてのふるまい」
「聖女だって人間なんだ。気にすることはないよ……それにしても、ケルズは――あの性格は治っていないのか?」
「……むしろ、酷くなっています。アシュート様がいなくなってからは誰も彼を止める人はいなくなり、ケルズ王子に付き従う貴族たちもどんどん増長していって、市民は追い詰められています」
「……」
アシュート様は私の言葉を聞いて、拳を握りしめていた。
「……俺の兄――先代国王は、そんなことは望んでいなかった。兄は、腐敗していく貴族たちを理解していたからこそ、血による爵位の襲名をなくし、実力に用いたものに変えようと動いていた」
「……そう、ですね。ですが、いまは……そんなことなど忘れ去られてしまっています」
「そう、みたいだな」
アシュート様は、小さく息を吐いた。
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あとがき
新作書きました! 気になる方は作者名をクリックして読んでくれたら嬉しいです!
『愛する人を国外追放された聖女は国を捨てました。だって、愛する人のために聖女になったんですもの』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/468674289/913384760
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