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第23話
しおりを挟む「……えーと、よくは分からないが、キミの力でどうにかできる、というのだな?」
「はい。とりあえず、まずは……こちらの騎士の一人に監獄長の座を与えます」
「……ん?」
それから私は騎士の体に触れ、変化させた。
魔法を放ち、彼を監獄長へと姿を変えた。
そして……次に彼に洗脳魔法をかけた。
これで、彼は自分を監獄長だと思い込むことだろう。
「……す、すまじいなそれも聖女の力、なのか?」
「そう、みたいですね……ただ、あまりほめられた力ではありませんが」
それから次に、もう一人の騎士に洗脳魔法を使用する。これで、ここにきた騎士は一人、という情報に書き換えた。
……最後は監獄長だ。
私は監獄長の体をアシュート様そっくりに変化させた。
「……」
アシュート様はそれから自分の体と監獄長を見比べ、がくりと肩を落とした。
「随分と老けたな。それに筋肉もなくなってしまっている……」
「……大丈夫ですよ。また鍛えなおせばすぐに取り戻せるはずです」
「……そう、だな。これで、完成……か?」
「はい」
「だが、監獄長には洗脳魔法を使わないのか?」
「もちろんです。ただ、彼が何をいっても周囲には真実とは取られないように魔法をかけました」
「……ん? どういうことだ?」
「彼が、どれだけ自分のことを監獄長だといっても、絶対に信じてもらえない呪いです。ですから、彼は自分の意識を持ったまま、アシュート様として扱われ、鞭で叩かれるようになるということです」
「……なかなか、えげつないことを考えるね」
「……これまで、色々と大変だったもので」
私がそういうと、アシュート様は唇を噛んだ。
「……俺が捕まってからも、やはり酷い扱いを?」
「……はい」
私は自分とアシュート様に透明化の魔法を使用する。
私たち自身には見えるように調整したあと、騎士と監獄長を起こした。
「ん? おいアシュート! さっさと飯を食わないか!」
「へ!? き、貴様!? ただの騎士の分際でなぜ――!」
「黙れ! さっさと飯を食わないか!」
監獄長(騎士)は叫ぶアシュート様(監獄長)を鞭で叩いた。
……アシュート様(監獄長)は困惑したような顔で、騎士に鞭で叩かれていた。
「か、体が……アシュートの体になっている!? ま、待て騎士! これは聖女が放った罠に違いない! 奴は他者の体を変化させられるとき――」
「うるさい、黙れ!」
再び、監獄長(騎士)が鞭を叩き下ろしたのを見て、私はアシュート様とともに監獄を脱出した。
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