169 / 454
8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
上がる、上がる、そして─────
しおりを挟む
「う~ん…………。思った以上に防御が堅いね………」
ダメージが通ってるとは思うんだけど、あまり効いてないって感じか…………。何か手は…………。
レクスはそんなことを考えていると、一つだけそれを可能にするスキルが思い浮かんだ。あとははたして魔力が必要なのかどうか…………試してみるしかない。
「『重拳撃』!!」
カレンが思い切り拳を振るい、背中を狙う。死角からの攻撃は、有効打になりやすい。しかし──────。
「─────カレン、危ない!」
レクスがそう叫ぶ。ガーゴイルウルフの背中にはいつの間にか棘が生成されており、ガッチリとガーゴイルウルフの背中を守っている。
「うっ─────!」
カレンはスキル発動中にいきなり方向転換することも出来ず、このまま突っ込むしかない。レクスも、別のスキルを発動させようとしていたため、対処に間に合わない。
「──────しっちゃん!」
そんな時、執事の格好をした初老の男性──────しっちゃんが横からカレンのもとへ飛び込み、カレンをキャッチしてそのまま華麗に着地を決めた。
「あ、ありがとう…………助かったよ」
「いえいえ、これくらいお安いご用です」
しっちゃんはそう言うと、カレンをゆっくり置いてその前に盾になるかのように構えた。
「『呪縛剣』!」
レクスは、『呪縛剣』を発動。魔力によるものではないらしく、きちんと発動した。レクスの真っ赤な剣が、どす黒く染まる。
「はぁ!!」
ガキイイイィィィィィィ!!
レクスの剣をまるで嘲笑うかのように『見切り』でしっかりと剣を弾くガーゴイルウルフ。レクスは、今度は体勢を崩すことはなかった。そのままもう一度斬りかかる。今度は横から。相変わらず、速い動きだ。
「グルァ!」
馬鹿め、とでも言いたげな顔で腕から棘を生やすガーゴイルウルフ。普段通りなら、この棘に少しでも触れれば大体の者は即死する。普段通りであれば、だ。
「グルアアァァァ!?」
しかし、堅牢なはずの棘は、直ぐにポッキリと折れて、そこにガーゴイルウルフの腕にレクスの剣が直撃した。数秒呻いた後、怒ってこっちに攻めてくるかと思われたが、そんなことはなく力尽きて光の粒子となって消えていった。
それを見て、みんなは力が抜けたように息をついた。レクスも少し疲れたように肩の力を抜いた。
何はともあれ、15階突破だ。
◇◆◇◆◇
その後もどんどん上がっていき─────現在、26階もはや倒した魔物の数も数えられなくなってきた。あと少しで、マリューシュのもとまで行ける。ゴールも目前だ。
「あれ? 何も、ない…………?」
ユキメウラが首を傾げて不思議そうにそう言った。
「変だね…………」
魔力が拾えないから、反応が分からない。念のため、ネムにも聞く。
「………マスター…………先に言っておきます。この罠は、回避不可能です」
「………………え?」
レクスが驚いた瞬間、下の床がパカッと開いた。
「わあああぁぁぁぁ──────!?」
レクス達は、悲鳴をあげながら、下に落ちていくのだった。
◇◆◇◆◇
「いてて…………まさか床が開くなんて………」
冷たい床の上で、レクス達は目を覚ます。周りは真っ暗で、何も見えない。ここがどこなのか、何階なのか、全く分からなかった。
「──────こっちの方から、マシュの匂いがする」
ユキメウラは目が覚めるなり、そんなことを口にした。ユキメウラが指した方向は、レクス達から見て右上。つまり、ユキメウラから見れば左上だということ。
「……………………本当なの? それ」
疑心暗鬼の目で、ユキメウラを見ながらそう言うミーシャ。
「私がマシュの匂いを間違える訳がない!」
少し興奮したような様子でそう言うユキメウラ。ミーシャは思わず後ずさってしまった。
「…………まあまあ、取り敢えず手がかりも無いんだし、ユキメウラさんの言う方向に行ってみようよ」
ということで、ユキメウラの言う方向に向かうことにした。
ダメージが通ってるとは思うんだけど、あまり効いてないって感じか…………。何か手は…………。
レクスはそんなことを考えていると、一つだけそれを可能にするスキルが思い浮かんだ。あとははたして魔力が必要なのかどうか…………試してみるしかない。
「『重拳撃』!!」
カレンが思い切り拳を振るい、背中を狙う。死角からの攻撃は、有効打になりやすい。しかし──────。
「─────カレン、危ない!」
レクスがそう叫ぶ。ガーゴイルウルフの背中にはいつの間にか棘が生成されており、ガッチリとガーゴイルウルフの背中を守っている。
「うっ─────!」
カレンはスキル発動中にいきなり方向転換することも出来ず、このまま突っ込むしかない。レクスも、別のスキルを発動させようとしていたため、対処に間に合わない。
「──────しっちゃん!」
そんな時、執事の格好をした初老の男性──────しっちゃんが横からカレンのもとへ飛び込み、カレンをキャッチしてそのまま華麗に着地を決めた。
「あ、ありがとう…………助かったよ」
「いえいえ、これくらいお安いご用です」
しっちゃんはそう言うと、カレンをゆっくり置いてその前に盾になるかのように構えた。
「『呪縛剣』!」
レクスは、『呪縛剣』を発動。魔力によるものではないらしく、きちんと発動した。レクスの真っ赤な剣が、どす黒く染まる。
「はぁ!!」
ガキイイイィィィィィィ!!
レクスの剣をまるで嘲笑うかのように『見切り』でしっかりと剣を弾くガーゴイルウルフ。レクスは、今度は体勢を崩すことはなかった。そのままもう一度斬りかかる。今度は横から。相変わらず、速い動きだ。
「グルァ!」
馬鹿め、とでも言いたげな顔で腕から棘を生やすガーゴイルウルフ。普段通りなら、この棘に少しでも触れれば大体の者は即死する。普段通りであれば、だ。
「グルアアァァァ!?」
しかし、堅牢なはずの棘は、直ぐにポッキリと折れて、そこにガーゴイルウルフの腕にレクスの剣が直撃した。数秒呻いた後、怒ってこっちに攻めてくるかと思われたが、そんなことはなく力尽きて光の粒子となって消えていった。
それを見て、みんなは力が抜けたように息をついた。レクスも少し疲れたように肩の力を抜いた。
何はともあれ、15階突破だ。
◇◆◇◆◇
その後もどんどん上がっていき─────現在、26階もはや倒した魔物の数も数えられなくなってきた。あと少しで、マリューシュのもとまで行ける。ゴールも目前だ。
「あれ? 何も、ない…………?」
ユキメウラが首を傾げて不思議そうにそう言った。
「変だね…………」
魔力が拾えないから、反応が分からない。念のため、ネムにも聞く。
「………マスター…………先に言っておきます。この罠は、回避不可能です」
「………………え?」
レクスが驚いた瞬間、下の床がパカッと開いた。
「わあああぁぁぁぁ──────!?」
レクス達は、悲鳴をあげながら、下に落ちていくのだった。
◇◆◇◆◇
「いてて…………まさか床が開くなんて………」
冷たい床の上で、レクス達は目を覚ます。周りは真っ暗で、何も見えない。ここがどこなのか、何階なのか、全く分からなかった。
「──────こっちの方から、マシュの匂いがする」
ユキメウラは目が覚めるなり、そんなことを口にした。ユキメウラが指した方向は、レクス達から見て右上。つまり、ユキメウラから見れば左上だということ。
「……………………本当なの? それ」
疑心暗鬼の目で、ユキメウラを見ながらそう言うミーシャ。
「私がマシュの匂いを間違える訳がない!」
少し興奮したような様子でそう言うユキメウラ。ミーシャは思わず後ずさってしまった。
「…………まあまあ、取り敢えず手がかりも無いんだし、ユキメウラさんの言う方向に行ってみようよ」
ということで、ユキメウラの言う方向に向かうことにした。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。