スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)

文字の大きさ
204 / 454
8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~

手紙

しおりを挟む
『レクスへ


 突然のお手紙、失礼します。暫くぶりね。元気にやってるかかしら? 私は元気でやってるわ。

 こうして手紙をしたためたのは、レクスをお茶会に誘うためよ。他の貴族の人達も来るわ。それでも良ければ是非来てほしいわ。来月の5日に開催するわ。いい返事宜しく頼むわね。


               フィオナより』





「なるほど…………お茶会かぁ…………」


 そういえば、他の貴族の人達のこと、あんまり知らないな…………。この機会に、他の貴族の人達との交流もいいかもしれないね。友好的な関係が築ければ、街をより発展させられるかも知れないからね。



「今は色んなごたごたで忙しいけど、1ヶ月も先だし、その頃には落ち着いてるだろうしね」


 件の義賊ついてはまだ解決していない。今夜、空に飛ばしてある鳥型の人形ゴーレムでその正体を暴くつもりだ。


「とりあえず、手紙の返事は明日か明後日辺りに返そうかな」


 義賊の件の進捗具合によって決まってくるし、慎重に見極めて返事をしないと。


「それにしても…………」


 レクスはチラッと右の方を向いた。そこには、シュエイルを中心にして、取り囲むように座るエレナ達の姿があった。


 何を話してるんだろ…………? 僕には関係ない話なんだろうけど…………なんだろう、このもやもや感は。


 レクスは、首を傾げながらそんなことを考えていた。



 一方、エレナ達はどんな事を話していたのかというと──────。



「シュエイル、セレスの事が好きなんでしょ? 気になるんでしょ? 正直に言っちゃいなって」


「ち、違うってば! そんなんじゃないからぁ!」


 顔を真っ赤にして否定するシュエイル。言葉では否定していても、顔は正直なようだ。


「………………シュエイル、嘘はよくない…………」


「エレナちゃんの言う通りだよ! 素直に白状しちゃいなって!」


 エレナ、ミアがシュエイルに本当の事を吐けと迫る。それでも頑なに拒む。結局、シュエイルはその後も顔を赤くして拒むだけで、何か言うことはなかったそうだ。



◇◆◇◆◇



 その日の夜───────



「ふわぁ…………眠い」


 時刻は真夜中を過ぎた。育ち盛りのレクスには、厳しい時間帯である。


「コーヒーでも飲むか?」


 セレスは、椅子に座って優雅にコーヒーを飲みながらレクスに問う。こう見えて、セレスも実は限界だったりする。


「遠慮しときます…………。僕、コーヒー苦手なので…………」


 レクスは、重たいまぶたを擦りながらそう言った。レクスが座る椅子の隣では、エレナがソファーに横たわって寝ていた。最初はエレナも頑張っていたのだが、眠気に負けて力尽きてしまった。



「あっ、いたっ!」


 レクスとリンクしている鳥型の人形ゴーレムの視界に数人の黒い装束を来た人達がやってきた。それで、レクスの眠かった意識がハッと少し覚醒した。


 件の義賊? 達は何かを探しているようだ。レクスは、鳥型の人形ゴーレムに気づかれないように、彼らの後を追わせる。勿論、緊急時には急いで彼らを止めにいくつもりだ。というか、建物に入って、現行犯を押さえるつもりだ。



「あっ、入っていった」


「どこにだ?」


「マレイラ商業ギルドだよ」


「ふむ…………なるほどな。あそこもキナ臭い商売をやっているからな。狙われてもおかしくはないか」


 手を顎に当ててそう呟くセレス。


「じゃあ、セレスさん。ちょっと行ってくるよ」


 レクスはそう言うと、窓から夜の街へと降りたっていった。その姿は、まるでシノビのようだった。異世界から来る人の中には、そういった職業の人達もいるらしい。何でも、常人にはあり得ないような動きをするのだとか。セレスも、シノビについては知っているが、実際に見たことはない。


「レクス…………」


 そんな背中を心配そうに見つめるセレスであった。
しおりを挟む
感想 490

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。