スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)

文字の大きさ
306 / 454
8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~

また来たの?

しおりを挟む
「はぁー……………疲れた」


 レクスは疲れたようにため息をついてそう言った。まあ、でも今度の自分の地区の祭りの参考にもなったと思う。レクス自身も何か店を出したいと思っているのだ。祭りを盛り上げる一員になりたい。一人だけ蚊帳の外…………みたいなのは嫌なのだ。


「…………レクス、大丈夫…………?」


 エレナは首を傾げながらそう尋ねる。レクスは、う、うん…………大丈夫だよ、と煮え切らない返事を返す。レクスは気を張るのすら疲れるくらい、疲れたのだ。


「────────ねえ、あれ」


 カレンがそう言って指差したのは、空で綺麗に咲く花火だった。花火は異世界から持ち込まれた物らしく、この世界でも人気となっている風物詩の一つである。


「花火、初めて見るけど……………綺麗だね」


 レクスは無意識にそう呟いた。


 レクスは王都にいる間、花火を見たことがなかった。なぜなら、レクスは規則正しい生活を送っていたがために、寝るのはいつも九時。たまに例外もあったが、いつもそうだった。対して現在の時刻は十時くらい。通りで見たことがないはずだ。


「花火、祭りに取り入れてみようかな……………」


 フィアさんが人員確保してるか聞いて、してなかったら確保しに行こうなどとそんなことを思ったレクス。


「すごい……………」


「凄いのだ!!」


「グルゥ、グルゥ! 《綺麗な花火だ~、初めて見る!》」


 ミア、ティーナ、レインも目を奪われているようだった。ティーナが感動するのは珍しい…………こんなことを言うのも失礼だが。普段あんなに騒がしいはずのティーナが。まあ、気にするだけ無駄である。


 レクス達は花火が終わるまで、じっと花火が空で綺麗に咲く様子を眺めたのだった。



◇◆◇◆◇


 ─────綺麗な花火を見た、その翌日。


 レクスはいつも通り書類整理やら承認やらの執務をこなしていたのだが─────


「──────で、なんでここに来たの?」


 レクスの目の前にいるのは、昨日の女性だった。魔王の娘だとかなんとかいう。執務室のガラスは目の前にいる女性が侵入してきた際にかち割ったのだ。迷惑極まりない。お陰で、フィアやセレナを含む屋敷にいた者全員がここに駆けつけてくる羽目になった。


「もう一回勝負しに来た!!」


「勝負?」


「あの時は私の完敗だったが、今日は違う!! 一旦帰ってこれを取ってきた!!」


 そう言って腰に提げている鞘から刀身を抜き、レクスに見せつけるサリウス。


「これは『ニホントウ』という業物でな。異界から来た職人の手で打たれた嗜好の一品。魔力を通せば、お前など一太刀入れれば塵と化すぞ!」


 わーっはっはっはっは!! と高笑いをするサリウス。確か、昨日捕まり、逃げ出した後に自分の故郷へ帰り……………そして武器を取って戻ってきた、ということだろう。となると、普通に走っても間に合わないはずだ。


 レクスはカマをかけてみることにした。出来れば戦いたくなどないし、ステータスが下がっている今の状態だと尚更。ここはどうしても避けねばならない。


「ねえ、君、名前は?」


「……………? サリウスだが…………っていうか、まずは自分から名乗るのが礼儀であろう!?」


 魔王の娘に礼儀を言われるとは……………逆に苦笑すら浮かんでくるほどだ。



「僕はレクスだよ。ところでさ……………魔力は足りるの?」


 そう。いくら魔力があろうとも、長距離を短時間で進むには、魔力もしくはスキルの存在が不可欠になるはず。



「魔力なら、この通り十分足りる!!」


 そう言い、サリウスは『ニホントウ』に魔力を注──────



「……………あれ? 魔力が…………ない!?」


 サリウス…………結構阿保なのかもしれない。
しおりを挟む
感想 490

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。