スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)

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9章 祝福

いざ、実技へ②

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「うぉっ…………すげぇ…………!?」


「なんか出そうなんだよなぁ……………」


 生徒が演習場のあちこちに散らばって練習していた。生徒達は上達も早く、さっきまで魔法を発動できなかった生徒も魔法が使えるようになりつつあり、魔法が元々使えた生徒は、少し魔法の威力が上がった……………ような気がする。まあ、いずれ確実に実感するときが来るだろう。着実に一歩ずつ、だ。


「せ、先生…………ちょ、ちょっといいか」


 照れながら声をかけてきたのは────キィク。少し頬が赤くなっていた。視線は明後日の方向に向いており、目線が合わない。後ろを見てみれば、ニチルが頑張って、みたいな感じのポーズでキィクを見ていた。きっと、ニチルに押されて来たのだろう。


「ふふっ」


「な、なんだよ」


「いや、何でもない。それより、どうしたの?」


「いや、魔法が上手く発動できなくて…………」


 キィクが尻すぼみでそう言った。レクスはそんなキィクの姿を微笑ましく思った。


「…………………………」


 イメージはちゃんとしたのだろうと思う。だとすると、何か別の原因があるのかもしれない。とにかく一度見てみる必要があるだろう。


「…………キィク君。ちょっと鑑定してもいい?」


「あ、ああ…………構わないけど」


 レクスは許可を得たので、『見る』を使う。なるほど、キィクのステータスは思った以上に悪くない。…………というか、MPが異常に高い。いや、異常どころではなかった。MPの項目には──────三〇〇〇〇〇〇とあった。レクスよりも多い。今まで全くそういう気配もなかったのにもかかわらず、だ。レクスは更に下を見ていく。そこには─────『魔力固定』のスキルがあった。エクストラスキルとは別に、普通のスキル欄にそれはあった。



◇『魔力固定』


魔力循環を止めるスキル。このスキルを所持する者は、一切の魔法の行使ができない。無理矢理スキルを剥ぎ取ろうとすると、魔力が暴走する恐れがある。というか、絶対しますっ。危険な真似はしないように。


「……………なるほど」


 
 スキルを『取る』を使っても、魔力が暴走するだけ。裏を返せば、それだけの魔力が操作できれば、魔力を暴走させずに済むということだ。だが……………その前に聞いておかねばなるまい。


 神妙な顔で頷くレクスにキィクは不安な表情を浮かべていた。


「……………キィク君。はっきり言うよ。今のままだと、君は魔法を使えない。どんなに手を尽くしても」


「っっ…………………」


 顔に悔しさが滲み出るキィク。魔法をどうにかしてでも使いたい、そんな気持ちが伝わってくる。


「ただ─────手がないわけじゃない」


「─────ほんとか!?」


「だけど─────それには、君は他の人よりも更に努力しなきゃいけない。苦しいと思う。それでも────」


「やるっ! どんなことでもやる!」


 憧れの魔法が使えるかもしれないという一縷の希望─────それさえあれば、キィクの心を動かすのには十分だった。


「………………分かった。じゃあ、まずは君の現状と今後やるべきことについて話しておこう」


 レクスもかつては苦労した側の人間だ。キィクの思いは少なからず共感できる。


 レクスはステータスの親切な忠告? を無視して、キィクが魔法を使えるように出来る限りサポートをしてやろうと心に決めた。
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