スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)

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9章 祝福

逃げた先に

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「エレナも一緒に……………?」


「うん…………!」


 エレナは力強く頷く。どうして急に研究がしたいと言い出したのか。少し気になった。


「どうして研究をしようと…………?」


 レクスがそう聞くと、エレナは少しずつ頬が赤くなり……………うつむきがちになりながら、口を開く。


「…………レクスと、一緒にいる時間を増やしたかったから……………。ダメ……………?」


 上目遣いでうるっと瞳を潤わせながら、そう言うエレナ。そんな目をされたら……………断りづらい。まあ、もともと断るつもりもなかったのだが。


「い、いや……………別に駄目なわけじゃないし、別にいいんだけど……………」


 レクスは頬を赤くしながら、そう呟いた。恥ずかしさもあるが……………というか、こっぱすかしさしかない。


「…………やったっ」


 小さくガッツポーズするエレナ。可愛い、とそんな感想が浮かんできた。


「……………お熱いわね、二人とも」


「「─────────!?」」


 その声に驚いて後ろを振り向いて見ると……………そこには、ミーシャ達がいた。二人とも顔がボッと真っ赤になってしまう。


「……………いつから見てたの?」


「うーんと…………『レクス、初仕事どうだった?』くらいから?」


 ミーシャが首を傾げつつ、そんなことを言う。


「それ、最初っからじゃん!!」


 あぁ………………! と二人は更に顔を真っ赤にするのだった。



◇◆◇◆◇


「もうやだぁ……………!!」


 そう言ったのは『女帝』─────ことミリン。ミリンは今─────騎士団に追われていた。……………行方不明の貴族令嬢として。今捕まったら、色々とややこしいことになってしまう。だから、まだ捕まりたくない。


「待ちなさい! 私達は貴女を保護しようとしてるだけです!」


「嫌です!!」


 ……………というか、騎士甲冑の色に、紫などあっただろうか? ミリンは疑問に思う。だが、逃げ切ることが何より優先される今、そんな疑問に答えを出す余裕はない。


「『威圧』!!」


 ミリンのエクストラスキル、『威圧』。自分が最も信を置くスキルだ。通常の『威圧』なら特段大したこともないのだが─────ミリンのスキルは一味違う。


「うっっ……………!?」


 騎士団の人達が一斉に胸を押さえて苦しみ出した。ミリンの『威圧』は設置型かつ威力が膨大なのだ。しかも、威力を損なわずに発動したまま効果範囲を変えられる。ミリンにはこれしかない。


「うぐおぉぉぉ…………!?」


「があぁぁぁっ……………!?」


 次々に『威圧』の前に苦しみながら気を失う
騎士達。というか───────


「なんでこういう時に限ってあいつら出てこないの!?」


 逃げながらミリンは叫ぶ。


 いつもなら何も言わなくても勝手に来るし、どこにでも付いてくるような奴らなのだ。なのに、今日に限って黒い奴らは来ない。


「─────わっとっと!?」


 ユビネス大森林帯なので、地面はでこぼこ。思わずつまづきそうになった。


「はぁ、はぁ………………後少しで逃げ切れ────ぐっ……………!?」


 後ろから衝撃─────ミリンは力尽きたように地面に倒れ込む。気を失った。


「これは─────よいものが手に入りましたわ」


 ミリンを気絶させた女はそう言うと、翼を生やしてミリンを脇に抱えて飛び去っていくのだった。
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