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本編
第178話 全員集合、仲間外れは禁止
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そう、それはひどく簡単な話だった。悩む余地もない。ベリル国王が動けないなら、動ける方が行けばいいのだ。
「転移魔法陣でまとめて飛びます」
「時間かからないなら、ここから行きましょうか」
メフィストの指示に、ブリュンヒルデが同意する。というのも、うっかり「国王と王妃そろって別国へ」がバレると、国内の敵対勢力が動き出す可能性があった。留守の間に国を乗っ取られるのも癪なので、短い時間ならこのまま出掛けるのがベストな選択だ。
留守の王城を奪われても、奪還できると自信満々のブリュンヒルデの様子を横目に、メフィストはこの国の事情をある程度確信した。見た目穏やかな国王の様子から、王妃を片付ければ乗っ取れると判断した貴族がいる。彼らに毒を盛られた王妃が倒れ、国王に早く燃やすよう進言した。
獣人の生命力は強いため、万が一を考えて死体を早く処理したかったのだろう。魔族と急接近したことも影響した。鳳凰のバール将軍が現れれば、死後数日なら蘇らせるだろう。危機感を募らせた理由もわかるが……今の彼女は兄に監禁されているので使えない。その辺の事情はさすがに広まっていなかった。
「魔法陣は余がやるから、メフィストはベリル国へ先触れに飛べ」
魔王らしい傲慢な態度で命じる姿に、メフィストは一礼して消える。きちんと魔王の仕事をこなしていれば、宰相は手足となる。だが番関係でおかしな言動が増えた今の主君を、メフィストは信用していない。何かやらかさないよう、常に監視する体制を整えていた。
ゴエティアの護衛という名の監視がついたイヴリースは、アゼリアを抱き寄せた。その隣に兄ベルンハルトが、婚約者のヴィルヘルミーナを伴って立つ。反対側に泣き顔を冷やすノアールを叱咤するブリュンヒルデ達が並んだ。
探りに行かせたシャンクスを含め、この国にばら撒いたゴエティアは勝手に移動するだろう。問題ないと考え、イヴリースは魔法陣を放つ。足元で回転しながら大きくなった光文字に魔力を流した。終点をメフィストの魔力に固定して転移する。
ぱちんと指を鳴らしたのが合図で、6人はベリル国の大地を踏んでいた。正確には謁見の間にある絨毯の上だ。そして、呼んでいない奴が1匹転がった。
「ミリア!」
転移するアゼリアの魔力を追ってきたのだろう。多少ケガをしたものの、無事到着した子竜がちたちたと頼りない足取りで駆け寄った。感動の対面を、イヴリースが邪魔する。
「抱き着くでない、フルエール」
「陛下、落ち着いてください。今はマクシミリアンでしょう? それと子供ですよ」
むすっとしたものの、イヴリースは蹴飛ばそうとした足を引っ込めた。牽制する形で睨んだアゼリアの視線に気づいたのだ。どこまでもアゼリア中心の言動がブレない魔王である。
「……よろしいですかな?」
最初の歓迎の挨拶を掛けようと、玉座から立ち上がって降りていたベリル国王が首を傾げる。声をかけるタイミングを逸していたようだ。優雅に会釈した。
「ようこそ、海辺のベリル国へ。皆様を歓迎いたします」
「転移魔法陣でまとめて飛びます」
「時間かからないなら、ここから行きましょうか」
メフィストの指示に、ブリュンヒルデが同意する。というのも、うっかり「国王と王妃そろって別国へ」がバレると、国内の敵対勢力が動き出す可能性があった。留守の間に国を乗っ取られるのも癪なので、短い時間ならこのまま出掛けるのがベストな選択だ。
留守の王城を奪われても、奪還できると自信満々のブリュンヒルデの様子を横目に、メフィストはこの国の事情をある程度確信した。見た目穏やかな国王の様子から、王妃を片付ければ乗っ取れると判断した貴族がいる。彼らに毒を盛られた王妃が倒れ、国王に早く燃やすよう進言した。
獣人の生命力は強いため、万が一を考えて死体を早く処理したかったのだろう。魔族と急接近したことも影響した。鳳凰のバール将軍が現れれば、死後数日なら蘇らせるだろう。危機感を募らせた理由もわかるが……今の彼女は兄に監禁されているので使えない。その辺の事情はさすがに広まっていなかった。
「魔法陣は余がやるから、メフィストはベリル国へ先触れに飛べ」
魔王らしい傲慢な態度で命じる姿に、メフィストは一礼して消える。きちんと魔王の仕事をこなしていれば、宰相は手足となる。だが番関係でおかしな言動が増えた今の主君を、メフィストは信用していない。何かやらかさないよう、常に監視する体制を整えていた。
ゴエティアの護衛という名の監視がついたイヴリースは、アゼリアを抱き寄せた。その隣に兄ベルンハルトが、婚約者のヴィルヘルミーナを伴って立つ。反対側に泣き顔を冷やすノアールを叱咤するブリュンヒルデ達が並んだ。
探りに行かせたシャンクスを含め、この国にばら撒いたゴエティアは勝手に移動するだろう。問題ないと考え、イヴリースは魔法陣を放つ。足元で回転しながら大きくなった光文字に魔力を流した。終点をメフィストの魔力に固定して転移する。
ぱちんと指を鳴らしたのが合図で、6人はベリル国の大地を踏んでいた。正確には謁見の間にある絨毯の上だ。そして、呼んでいない奴が1匹転がった。
「ミリア!」
転移するアゼリアの魔力を追ってきたのだろう。多少ケガをしたものの、無事到着した子竜がちたちたと頼りない足取りで駆け寄った。感動の対面を、イヴリースが邪魔する。
「抱き着くでない、フルエール」
「陛下、落ち着いてください。今はマクシミリアンでしょう? それと子供ですよ」
むすっとしたものの、イヴリースは蹴飛ばそうとした足を引っ込めた。牽制する形で睨んだアゼリアの視線に気づいたのだ。どこまでもアゼリア中心の言動がブレない魔王である。
「……よろしいですかな?」
最初の歓迎の挨拶を掛けようと、玉座から立ち上がって降りていたベリル国王が首を傾げる。声をかけるタイミングを逸していたようだ。優雅に会釈した。
「ようこそ、海辺のベリル国へ。皆様を歓迎いたします」
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