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07.お祖父ちゃんよりベル様が偉い
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お祖父ちゃんはいつも優しい。僕に大きなお肉の一番柔らかい部分をくれたり、撫でて抱っこして眠る。ドラゴンで一番偉いんだよ。お父さんは火のドラゴンで一番だけど、お祖父ちゃんは全部の中で一番なの。
一番の上にいる一番! いつか僕もなりたいと言ったら、笑って「頑張れ」と頭を撫でてくれた。そのお祖父ちゃんがベル様を見るなり、ぺたんこになった。平べったくお腹を地面につけて、首も低くして挨拶する。
一番の一番より、もっと偉いのがベル様? びっくりする僕の前で、お祖父ちゃんが低い音で喉を鳴らした。
「ドラゴンの長、ラウムにございます。新たな魔王陛下が誕生とは知らず、ご挨拶が遅れた無礼をお許しください」
「よい。俺もこの世界にきて間もない。そなたの孫、ウェパルに召喚されたのだ」
お母さんの隣で座ってたけど、呼ばれたらゾクゾクする。背中に何か歩いてる感じ。ぶるるっと身を震わせたら、お母さんに「しぃ、静かにね」と止められた。うん、僕、ちゃんと我慢できるよ。
「ウェパルが……魔王陛下を……?」
お祖父ちゃんも僕を呼んだ。でも何もない。やっぱりベル様だけ特別なんだと思う。嬉しくて勝手に揺れちゃう尻尾を、両手で掴んだ。びたんびたん、床を叩いたら煩くなっちゃう。
「両親には話したが、俺の伴侶にウェパルを貰い受けたい」
「……っ、魔王陛下の伴侶にあの孫を! ありがとうございます。一族の誉れにございます」
なぜかお父さんががくりと肩を落とした。どうしたんだろう、疲れちゃったのかな? 尻尾を掴んでいた手を離して、お父さんの尻尾を撫でてあげる。振り返って、泣きそうな顔で「ありがとう」と言われた。どこか痛かったのかも。
「ところで気になったのだが、新たな魔王と称したな。この世界に魔王は何人おるのだ」
「あなた様、お一人にございます」
難しそうなお話が始まった。ベル様の抱っこがいいんだけど、今は大人のお話を邪魔したらダメよね。くるりと回って自分の尻尾を追いかけようとしたら、目の前を蝶々が飛んだ。黒いのに緑や青に光ってる。
気になって追いかける僕を、慌ててお母さんが捕まえた。躓いて顔を石にぶつける。痛い。ぐずっと鼻を啜って振り返り、お母さんに抱きついた。
「お母さん、鼻……取れちゃった?」
「安心して、ちゃんと付いているわ」
ぺろりとお母さんが舐めたら、痛いのが消えた。ベル様と同じ治し方だ。
「こちらに来い、ウェパル」
来いはおいでと同じ。お母さんの腕の中で向きを変えたら、ベル様がいた。僕に手を伸ばす。嬉しいから抱きついた。両手を伸ばして、ぺたりと肌に手のひらをくっつける。
ベル様は僕を一度上まで持ち上げて、抱っこし直した。胸の辺りに寄りかかって、首に頭が届きそうな位置。鱗のない肌は黒っぽい。真っ黒じゃないけど、艶々して美味しそう。ぺろっと舌舐めずりしたら、鼻先を指で押さえられた。
「いい子にしていろ、ウェパル」
「うん」
舐めたら悪い子っぽい。我慢しよう。さっきの口付けも人前ではダメと教えてもらった。お母さんが言うんだから、正しいんだよ。きっと舐めるのも人前ではダメなの。二人きりになったら、こっそり舐めさせてもらおう。
あれ? お母さんが治療でしたのはいいのかな。ベル様も人のバラバラ肉があるところで舐めた……分かんないからまとめて教えてもらおう。ベル様とお祖父ちゃんの難しいお話、早く終わればいいのに。
一番の上にいる一番! いつか僕もなりたいと言ったら、笑って「頑張れ」と頭を撫でてくれた。そのお祖父ちゃんがベル様を見るなり、ぺたんこになった。平べったくお腹を地面につけて、首も低くして挨拶する。
一番の一番より、もっと偉いのがベル様? びっくりする僕の前で、お祖父ちゃんが低い音で喉を鳴らした。
「ドラゴンの長、ラウムにございます。新たな魔王陛下が誕生とは知らず、ご挨拶が遅れた無礼をお許しください」
「よい。俺もこの世界にきて間もない。そなたの孫、ウェパルに召喚されたのだ」
お母さんの隣で座ってたけど、呼ばれたらゾクゾクする。背中に何か歩いてる感じ。ぶるるっと身を震わせたら、お母さんに「しぃ、静かにね」と止められた。うん、僕、ちゃんと我慢できるよ。
「ウェパルが……魔王陛下を……?」
お祖父ちゃんも僕を呼んだ。でも何もない。やっぱりベル様だけ特別なんだと思う。嬉しくて勝手に揺れちゃう尻尾を、両手で掴んだ。びたんびたん、床を叩いたら煩くなっちゃう。
「両親には話したが、俺の伴侶にウェパルを貰い受けたい」
「……っ、魔王陛下の伴侶にあの孫を! ありがとうございます。一族の誉れにございます」
なぜかお父さんががくりと肩を落とした。どうしたんだろう、疲れちゃったのかな? 尻尾を掴んでいた手を離して、お父さんの尻尾を撫でてあげる。振り返って、泣きそうな顔で「ありがとう」と言われた。どこか痛かったのかも。
「ところで気になったのだが、新たな魔王と称したな。この世界に魔王は何人おるのだ」
「あなた様、お一人にございます」
難しそうなお話が始まった。ベル様の抱っこがいいんだけど、今は大人のお話を邪魔したらダメよね。くるりと回って自分の尻尾を追いかけようとしたら、目の前を蝶々が飛んだ。黒いのに緑や青に光ってる。
気になって追いかける僕を、慌ててお母さんが捕まえた。躓いて顔を石にぶつける。痛い。ぐずっと鼻を啜って振り返り、お母さんに抱きついた。
「お母さん、鼻……取れちゃった?」
「安心して、ちゃんと付いているわ」
ぺろりとお母さんが舐めたら、痛いのが消えた。ベル様と同じ治し方だ。
「こちらに来い、ウェパル」
来いはおいでと同じ。お母さんの腕の中で向きを変えたら、ベル様がいた。僕に手を伸ばす。嬉しいから抱きついた。両手を伸ばして、ぺたりと肌に手のひらをくっつける。
ベル様は僕を一度上まで持ち上げて、抱っこし直した。胸の辺りに寄りかかって、首に頭が届きそうな位置。鱗のない肌は黒っぽい。真っ黒じゃないけど、艶々して美味しそう。ぺろっと舌舐めずりしたら、鼻先を指で押さえられた。
「いい子にしていろ、ウェパル」
「うん」
舐めたら悪い子っぽい。我慢しよう。さっきの口付けも人前ではダメと教えてもらった。お母さんが言うんだから、正しいんだよ。きっと舐めるのも人前ではダメなの。二人きりになったら、こっそり舐めさせてもらおう。
あれ? お母さんが治療でしたのはいいのかな。ベル様も人のバラバラ肉があるところで舐めた……分かんないからまとめて教えてもらおう。ベル様とお祖父ちゃんの難しいお話、早く終わればいいのに。
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