22 / 82
22.ベル様の魔法で飛んだ
しおりを挟む
ベル様と蜂蜜を食べてからお風呂に入った。水なのに熱くなくて、冷たくもない。不思議な水はお湯という名前だった。お湯を溜めると、お風呂……どうして名前が変わるんだろう。
あふっと欠伸が出て、考えが中断する。丸くなって眠ろうとしたらけれど、ベル様も一緒に眠るみたい。他の木箱は起きてからでいいや。背中を優しく叩く手に促され、抱きついて眠った。
起きてすぐ、木箱に駆け寄る。上の小さな箱は蜂蜜。下は何かな? ワクワクする僕を、ベル様が魔法で招き寄せた。ふわふわと空中を飛んで、僕はベル様の腕に戻る。
「今のすごい! 飛んだみたい」
「まあ、飛んでいたな。原理は同じだろう」
お祖父ちゃん達が飛ぶ時と同じだって。これをもっと強く早く風を作り、上に乗る。今回の風はゆらゆらと揺れる動きだった。あれも楽しい。
ベル様の腕を叩いて下してもらい、走って木箱に飛び乗る。それから両手を広げて、叫んだ。
「ベル様、もう一回!」
「おいで、ウェパル」
声に重なって、またふわりと浮く。横へすっと移動した。さっきのふわふわと違う! でもこれも楽しかった。もう一回してもらおうと思ったけど、ベル様は下ろしてくれなかった。
木箱の山に近づき、上の蜂蜜を下へ移動させた。僕を飛ばしたアレと同じかな。でもシュッと動いたんだ。ふわふわじゃなくて、シュッ!
下にあった大きい木箱を、ベル様が開ける。中は……なんだろう、これ。ふわふわの白い物が入っていた。ベル様が笑って僕を下ろす。すると僕が吸い込まれた。慌てて手足を広げると、沈むのが止まる。
「ベル様、何これ」
「綿だろうな。巣材に使えるぞ、寝床が柔らかくなる」
柔らかく? 干し草より柔らかいのはわかるけど、ベッドで毎日沈んじゃうと出てくるのが大変だな。そう呟いたら、上に絨毯という布を敷くから沈まないって。それなら大丈夫かも。
ベル様に救い出してもらい、両手いっぱいに綿を運ぶ。ベル様も手伝ってくれたので、干し草は白くなった。綿は白いの。でもよく見ると、ほんのり土の色が混じってる。
「ほら」
ベル様が敷いた布の上に寝転んだ。あ、温かいし柔らかい! これはいいね。ドラゴンの皆に分けてあげようと話したら、量が足りないみたい。そうだね。お父さんやお母さんは体が大きいし、ドラゴンも家族以外にいるから。
「綿が欲しいなら、人間が持っているぞ」
「分けてくれないよね」
「俺が『頼んで』やろう」
魔王になったベル様が頼んだら、人間も大人しく綿をくれるかな。嬉しくなってありがとうとお礼を言った。綿がたくさん届いたら、獣人や吸血鬼のおじさんにも分けてあげよう。計画を話したら、たくさん貰う約束をしてくれた。
楽しみだな。にこにこしながら、次の木箱を覗き込む。こっちは丸めた棒がいっぱい……これは薄い布で、人間が洋服を作る時に使うみたい。また食べ物じゃなかった。最後の箱は食べ物だといいな。
あふっと欠伸が出て、考えが中断する。丸くなって眠ろうとしたらけれど、ベル様も一緒に眠るみたい。他の木箱は起きてからでいいや。背中を優しく叩く手に促され、抱きついて眠った。
起きてすぐ、木箱に駆け寄る。上の小さな箱は蜂蜜。下は何かな? ワクワクする僕を、ベル様が魔法で招き寄せた。ふわふわと空中を飛んで、僕はベル様の腕に戻る。
「今のすごい! 飛んだみたい」
「まあ、飛んでいたな。原理は同じだろう」
お祖父ちゃん達が飛ぶ時と同じだって。これをもっと強く早く風を作り、上に乗る。今回の風はゆらゆらと揺れる動きだった。あれも楽しい。
ベル様の腕を叩いて下してもらい、走って木箱に飛び乗る。それから両手を広げて、叫んだ。
「ベル様、もう一回!」
「おいで、ウェパル」
声に重なって、またふわりと浮く。横へすっと移動した。さっきのふわふわと違う! でもこれも楽しかった。もう一回してもらおうと思ったけど、ベル様は下ろしてくれなかった。
木箱の山に近づき、上の蜂蜜を下へ移動させた。僕を飛ばしたアレと同じかな。でもシュッと動いたんだ。ふわふわじゃなくて、シュッ!
下にあった大きい木箱を、ベル様が開ける。中は……なんだろう、これ。ふわふわの白い物が入っていた。ベル様が笑って僕を下ろす。すると僕が吸い込まれた。慌てて手足を広げると、沈むのが止まる。
「ベル様、何これ」
「綿だろうな。巣材に使えるぞ、寝床が柔らかくなる」
柔らかく? 干し草より柔らかいのはわかるけど、ベッドで毎日沈んじゃうと出てくるのが大変だな。そう呟いたら、上に絨毯という布を敷くから沈まないって。それなら大丈夫かも。
ベル様に救い出してもらい、両手いっぱいに綿を運ぶ。ベル様も手伝ってくれたので、干し草は白くなった。綿は白いの。でもよく見ると、ほんのり土の色が混じってる。
「ほら」
ベル様が敷いた布の上に寝転んだ。あ、温かいし柔らかい! これはいいね。ドラゴンの皆に分けてあげようと話したら、量が足りないみたい。そうだね。お父さんやお母さんは体が大きいし、ドラゴンも家族以外にいるから。
「綿が欲しいなら、人間が持っているぞ」
「分けてくれないよね」
「俺が『頼んで』やろう」
魔王になったベル様が頼んだら、人間も大人しく綿をくれるかな。嬉しくなってありがとうとお礼を言った。綿がたくさん届いたら、獣人や吸血鬼のおじさんにも分けてあげよう。計画を話したら、たくさん貰う約束をしてくれた。
楽しみだな。にこにこしながら、次の木箱を覗き込む。こっちは丸めた棒がいっぱい……これは薄い布で、人間が洋服を作る時に使うみたい。また食べ物じゃなかった。最後の箱は食べ物だといいな。
131
あなたにおすすめの小説
オレにだけ「ステイタス画面」っていうのが見える。
黒茶
BL
人気者だけど実は人間嫌いの嘘つき先輩×素直すぎる後輩の
(本人たちは気づいていないが実は乙女ゲームの世界である)
異世界ファンタジーラブコメ。
魔法騎士学院の2年生のクラウスの長所であり短所であるところは、
「なんでも思ったことを口に出してしまうところ。」
そして彼の秘密は、この学院内の特定の人物の個人情報が『ステータス画面』というもので見えてしまうこと。
魔法が存在するこの世界でもそんな魔法は聞いたことがないのでなんとなく秘密にしていた。
ある日、ステータス画面がみえている人物の一人、5年生のヴァルダー先輩をみかける。
彼はいつも人に囲まれていて人気者だが、
そのステータス画面には、『人間嫌い』『息を吐くようにウソをつく』
と書かれていたので、うっかり
「この先輩、人間嫌いとは思えないな」
と口に出してしまったら、それを先輩に気付かれてしまい・・・!?
この作品はこの1作品だけでも読むことができますが、
同じくアルファポリスさんで公開させていただいております、
「乙女ゲームの難関攻略対象をたぶらかしてみた結果。」
「俺が王太子殿下の専属護衛騎士になるまでの話。」
とあわせて「乙女ゲー3部作」となっております。(だせぇ名前だ・・・笑)
キャラクターや舞台がクロスオーバーなどしておりますので、
そちらの作品と合わせて読んでいただけたら10倍くらい美味しい設定となっております。
全年齢対象です。
BLに慣れてない方でも読みやすいかと・・・
ぜひよろしくお願いします!
【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。
カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。
異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。
ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。
そして、コスプレと思っていた男性は……。
僕を惑わせるのは素直な君
秋元智也
BL
父と妹、そして兄の家族3人で暮らして来た。
なんの不自由もない。
5年前に病気で母親を亡くしてから家事一切は兄の歩夢が
全てやって居た。
そこへいきなり父親からも唐突なカミングアウト。
「俺、再婚しようと思うんだけど……」
この言葉に驚きと迷い、そして一縷の不安が過ぎる。
だが、好きになってしまったになら仕方がない。
反対する事なく母親になる人と会う事に……。
そこには兄になる青年がついていて…。
いきなりの兄の存在に戸惑いながらも興味もあった。
だが、兄の心の声がどうにもおかしくて。
自然と聞こえて来てしまう本音に戸惑うながら惹かれて
いってしまうが……。
それは兄弟で、そして家族で……同性な訳で……。
何もかも不幸にする恋愛などお互い苦しみしかなく……。
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
完結·氷の宰相の寝かしつけ係に任命されました
禅
BL
幼い頃から心に穴が空いたような虚無感があった亮。
その穴を埋めた子を探しながら、寂しさから逃げるようにボイス配信をする日々。
そんなある日、亮は突然異世界に召喚された。
その目的は――――――
異世界召喚された青年が美貌の宰相の寝かしつけをする話
※小説家になろうにも掲載中
【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい
御堂あゆこ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。
生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。
地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。
転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。
※含まれる要素
異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛
※小説家になろうに重複投稿しています
最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。
はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。
2023.04.03
閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m
お待たせしています。
お待ちくださると幸いです。
2023.04.15
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
更新頻度が遅く、申し訳ないです。
今月中には完結できたらと思っています。
2023.04.17
完結しました。
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます!
すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる