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60.黄金の畑が刈られるまで見ていたい
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人間はこの間の戦いで数が減った。いつも纏まって暮らしているけど、国がひとつ滅びたらしい。国は大きな街と小さな村がいくつか集まった塊だ。それが滅びたなら、住んでいた人が全員死んじゃったの?
「いいや、よその国へ逃げた」
「じゃあ、全員じゃないんだね」
びっくりした。吸血鬼のおじさんは生かしておいて血を貰うって話していた。いつの間に全員の血を飲んだのかと心配しちゃった。一度にたくさん飲んでも、よくないよね。
「ウェパルは面白い考え方をする」
ベル様はそう言って頭を撫でた。褒められたんだと思う。黄金の畑はすごく綺麗で、いつまでも見ていたい。でも数日したら人間が来て、刈り取るんだって。それまで見ていることにして、近くの森に巣を作る。僕が干し草を作る間に、ベル様が家を建てた。
ベル様と僕が眠る大きさの家は、小屋と呼ぶんだ。森の木を使ってて、立派なお家だった。僕が乾かした草を運んで、一面に敷き詰める。丸い形じゃないからか、草が足りなかった。外へ出て、もう一度草を乾かす。長くて細くて柔らかい草を選んで、根元で切った。並べてブレスを浴びせる。
燃やさないように注意したけど、一部は火がついちゃった。仕方ないので、焦げた部分は置いていく。
「ウェパル、これも使えるぞ」
ベル様は片付けた空間から絨毯を引っ張り出した。あれはお家で使っていた布と同じ柄だ。見覚えがある絨毯を草の上に敷いた。お家と同じ巣になったね。
「寒くなってきたし、これも使おう」
ふかふかの毛皮が出てくる。これは上に掛けるらしい。ベル様は色んなものを隠していて、僕のために出してくれる。温かくして寝ようと言われて、嬉しくなった。温かいのは大好き! ベル様と作った小屋から出て、少し離れた岩山の上に登った。
ここからなら、黄金の畑が見える。いっぱい眺めて、お風呂に入ってから眠った。お風呂は「臨時」と言って、ベル様が用意したの。臨時はよくわからないけど、凄い。温かいお湯はベル様が魔法で持ってきた。
僕の頬に汚れがついていると、ベル様が指先で擦る。綺麗な黒い肌の指は、爪が長くない。ドラゴンみたいに爪で戦わないから、長い必要はないんだ。尖ってないけど、少し指先から出ていた。その爪で鱗についた汚れを落としてもらう。
お返しに、僕もベル様のお顔を洗った。艶のあるお肌はすべすべで、鱗がある僕とは違う。洗って舐めて頬を擦り寄せて、ぼんやりしたところでお風呂から出た。前にもなったけど、これがのぼせ……。
ぱたんと倒れた僕を受け止めたベル様は、温かいうちに小屋へ入った。上に毛皮を掛けて、二人で抱き合って横になる。外で獣の吠える声が聞こえた。
「ベル様、明日も黄金の畑あるかな」
「ああ、大丈夫だ」
そっか、もう一日くらい眺めたいの。半分眠りながら伝え、僕は大きな欠伸をした。人間、明日は仕事しないでくれるといいな。
「いいや、よその国へ逃げた」
「じゃあ、全員じゃないんだね」
びっくりした。吸血鬼のおじさんは生かしておいて血を貰うって話していた。いつの間に全員の血を飲んだのかと心配しちゃった。一度にたくさん飲んでも、よくないよね。
「ウェパルは面白い考え方をする」
ベル様はそう言って頭を撫でた。褒められたんだと思う。黄金の畑はすごく綺麗で、いつまでも見ていたい。でも数日したら人間が来て、刈り取るんだって。それまで見ていることにして、近くの森に巣を作る。僕が干し草を作る間に、ベル様が家を建てた。
ベル様と僕が眠る大きさの家は、小屋と呼ぶんだ。森の木を使ってて、立派なお家だった。僕が乾かした草を運んで、一面に敷き詰める。丸い形じゃないからか、草が足りなかった。外へ出て、もう一度草を乾かす。長くて細くて柔らかい草を選んで、根元で切った。並べてブレスを浴びせる。
燃やさないように注意したけど、一部は火がついちゃった。仕方ないので、焦げた部分は置いていく。
「ウェパル、これも使えるぞ」
ベル様は片付けた空間から絨毯を引っ張り出した。あれはお家で使っていた布と同じ柄だ。見覚えがある絨毯を草の上に敷いた。お家と同じ巣になったね。
「寒くなってきたし、これも使おう」
ふかふかの毛皮が出てくる。これは上に掛けるらしい。ベル様は色んなものを隠していて、僕のために出してくれる。温かくして寝ようと言われて、嬉しくなった。温かいのは大好き! ベル様と作った小屋から出て、少し離れた岩山の上に登った。
ここからなら、黄金の畑が見える。いっぱい眺めて、お風呂に入ってから眠った。お風呂は「臨時」と言って、ベル様が用意したの。臨時はよくわからないけど、凄い。温かいお湯はベル様が魔法で持ってきた。
僕の頬に汚れがついていると、ベル様が指先で擦る。綺麗な黒い肌の指は、爪が長くない。ドラゴンみたいに爪で戦わないから、長い必要はないんだ。尖ってないけど、少し指先から出ていた。その爪で鱗についた汚れを落としてもらう。
お返しに、僕もベル様のお顔を洗った。艶のあるお肌はすべすべで、鱗がある僕とは違う。洗って舐めて頬を擦り寄せて、ぼんやりしたところでお風呂から出た。前にもなったけど、これがのぼせ……。
ぱたんと倒れた僕を受け止めたベル様は、温かいうちに小屋へ入った。上に毛皮を掛けて、二人で抱き合って横になる。外で獣の吠える声が聞こえた。
「ベル様、明日も黄金の畑あるかな」
「ああ、大丈夫だ」
そっか、もう一日くらい眺めたいの。半分眠りながら伝え、僕は大きな欠伸をした。人間、明日は仕事しないでくれるといいな。
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