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59.島で果物、最後に黄金の畑
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島は見たことがない果物がいっぱいあった。ベル様の片付ける魔法で持ち帰る。後でこっそり洞窟へ出すんだよ。腐らないか心配したら、中にしまっている間は平気と聞いた。
これも全部、他の人には秘密。僕とベル様だけ知っていることなの。
赤い果物を齧ると、中は黄色かった。これ甘くて美味しい! 半分食べてもらおうと、汁でベタベタの僕は果物を差し出す。僕が齧った部分を、ベル様が食べた。甘いと笑うベル様に僕も笑い返す。両手を舐めて、また果物を齧った。
次の果物は長細くて外は青いのに、中は白い。もぐもぐ食べたら、口の中がもそもそした。ベル様はあまり好きじゃないみたい。ほんのり甘いくらいで、果物よりお芋みたい。
大きい茶色い木の実を割って、中の汁を飲む。これはびっくりした。舌の先がぴりっとする。辛くないのに、痺れるの。たくさん飲んだらお腹を壊すかも! でも味は美味しい。ゆっくり飲んで、ベル様は残りを鍋に入れた。外が青い果物や捕まえた魚を放り込んで、全部まとめて煮る。
甘いご飯になった。たまにはいいかとベル様が肩を竦める。おやつみたいなご飯を食べて、寝転んだ。この島でいろんな果物を食べて、もう両手くらいの日を過ごした。すごく楽しい。毎日いろんな食べ物を見つけて、一緒に味を確かめる。
初めてがいっぱいだった。この島は大きくない。だから、大きい動物もいなかった。皆、小さい。海の砂浜には、見たことがない横歩きする虫がいた。ベル様は虫ではなくカニだと言う。名前がカニだけど、見た目は蜘蛛に似ていた。でも横歩きするから違う。
不思議な生き物だけど、カニは海に入る。泳げるんだよ。それが砂浜を歩いている時に捕まえて、鍋に入れた。黒い見た目が、赤くなる。外側に固い鱗みたいな皮を着ていた。それを石で割って、中身を食べる。
いろいろ味わった島は、今日で終わり。ベル様がそう言ってた。魔法で作った屋根を壊し、僕がブレスで乾かした寝床の干し草を潰す。また遊びに来た時は、新しい寝床を作ればいいの。
「おいで、ウェパル」
「うん!」
両手を伸ばして、ベル様に抱きつく。黒い肌は艶々して綺麗だし、足元まである髪も真っ直ぐだ。今日もベル様はとても綺麗だった。抱っこされて、口同士をくっ付ける。この島に来て、他に誰もいないから。毎日していた。
毎日しても慣れないのは、どうしてだろう。毎回ドキドキする。ベル様が綺麗すぎるから? それとも旦那さんだからかな。
魔法でぽんと移動する。僕が目を閉じるのを忘れないように、ベル様は手で目を覆う。閉じて開いたら、いつも違う景色が広がっていた。今回も同じ!
キラキラ光る金色の畑だ。
「うわぁ、綺麗だね」
「そうだな、人間もたまには役に立つ」
人間は魔族に悪いことをする奴らだ。でも、こんな綺麗な畑も作れる。それは凄いと思った。
風が吹くたび、黄金色がさわさわと揺れる。先端が重いのか、下に垂れていた。中に小さな粒が入っていて、それを食べると聞いた。種じゃないのかな? 小さいのを集めないで、大きなお芋や果物を食べたらいいのにね。
これも全部、他の人には秘密。僕とベル様だけ知っていることなの。
赤い果物を齧ると、中は黄色かった。これ甘くて美味しい! 半分食べてもらおうと、汁でベタベタの僕は果物を差し出す。僕が齧った部分を、ベル様が食べた。甘いと笑うベル様に僕も笑い返す。両手を舐めて、また果物を齧った。
次の果物は長細くて外は青いのに、中は白い。もぐもぐ食べたら、口の中がもそもそした。ベル様はあまり好きじゃないみたい。ほんのり甘いくらいで、果物よりお芋みたい。
大きい茶色い木の実を割って、中の汁を飲む。これはびっくりした。舌の先がぴりっとする。辛くないのに、痺れるの。たくさん飲んだらお腹を壊すかも! でも味は美味しい。ゆっくり飲んで、ベル様は残りを鍋に入れた。外が青い果物や捕まえた魚を放り込んで、全部まとめて煮る。
甘いご飯になった。たまにはいいかとベル様が肩を竦める。おやつみたいなご飯を食べて、寝転んだ。この島でいろんな果物を食べて、もう両手くらいの日を過ごした。すごく楽しい。毎日いろんな食べ物を見つけて、一緒に味を確かめる。
初めてがいっぱいだった。この島は大きくない。だから、大きい動物もいなかった。皆、小さい。海の砂浜には、見たことがない横歩きする虫がいた。ベル様は虫ではなくカニだと言う。名前がカニだけど、見た目は蜘蛛に似ていた。でも横歩きするから違う。
不思議な生き物だけど、カニは海に入る。泳げるんだよ。それが砂浜を歩いている時に捕まえて、鍋に入れた。黒い見た目が、赤くなる。外側に固い鱗みたいな皮を着ていた。それを石で割って、中身を食べる。
いろいろ味わった島は、今日で終わり。ベル様がそう言ってた。魔法で作った屋根を壊し、僕がブレスで乾かした寝床の干し草を潰す。また遊びに来た時は、新しい寝床を作ればいいの。
「おいで、ウェパル」
「うん!」
両手を伸ばして、ベル様に抱きつく。黒い肌は艶々して綺麗だし、足元まである髪も真っ直ぐだ。今日もベル様はとても綺麗だった。抱っこされて、口同士をくっ付ける。この島に来て、他に誰もいないから。毎日していた。
毎日しても慣れないのは、どうしてだろう。毎回ドキドキする。ベル様が綺麗すぎるから? それとも旦那さんだからかな。
魔法でぽんと移動する。僕が目を閉じるのを忘れないように、ベル様は手で目を覆う。閉じて開いたら、いつも違う景色が広がっていた。今回も同じ!
キラキラ光る金色の畑だ。
「うわぁ、綺麗だね」
「そうだな、人間もたまには役に立つ」
人間は魔族に悪いことをする奴らだ。でも、こんな綺麗な畑も作れる。それは凄いと思った。
風が吹くたび、黄金色がさわさわと揺れる。先端が重いのか、下に垂れていた。中に小さな粒が入っていて、それを食べると聞いた。種じゃないのかな? 小さいのを集めないで、大きなお芋や果物を食べたらいいのにね。
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