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ウィリアムは今日こそは自分の積年の想いをリリアナに分かってもらおうと思った。
そうしなければリリアナのとんでもない提案を受け入れなければならなくなる気がしていた。
緊張している場合ではない。
ウィリアムは三回も言葉を遮られてキョトンとするリリアナの手を握る。
そしてそのまま跪くとリリアナを真っ直ぐに見つめた。
そして
「リリアナ、聞いてくれ。今まで君に嫌な思いをさせたこと本当に申し訳なく思う。だけど君が嫌いであんな態度を取ったわけではないんだ。君が好き過ぎてどうしていいか分からなかったんだ。信じてくれ。リリアナが好きなんだ」
と一気に伝えた。
そのあまりの必死さにリリアナもようやくウィリアムが本当は自分のことが好きなのだと理解する。
が、それはそれ、これはこれ。
今までのウィリアムの塩対応に周りの噂。
これ以上それが続くのは耐えられない。
そこでリリアナは新たな提案をすることにした。
「ウィリアム殿下のお気持ちは分かりました。でしたらせめて噂の払拭だけはしていただきたく思います」
と。
リリアナはウィリアムの塩対応よりも噂と蔑みや憐れみの視線が辛かったのだ。
「分かった」
ウィリアムはその提案を飲んだのだのだった。
そこから始まったウィリアムの溺愛は皆が目を見張るものがあった。
リリアナを褒め愛を囁くのは勿論。
可能な限りどこに行くにもリリアナを伴った。
こうして噂は払拭され塩対応だったウィリアムは王国一の愛妻家となりリリアナは幸せ一杯の人生を過ごすことになったのだった。
Fin
そうしなければリリアナのとんでもない提案を受け入れなければならなくなる気がしていた。
緊張している場合ではない。
ウィリアムは三回も言葉を遮られてキョトンとするリリアナの手を握る。
そしてそのまま跪くとリリアナを真っ直ぐに見つめた。
そして
「リリアナ、聞いてくれ。今まで君に嫌な思いをさせたこと本当に申し訳なく思う。だけど君が嫌いであんな態度を取ったわけではないんだ。君が好き過ぎてどうしていいか分からなかったんだ。信じてくれ。リリアナが好きなんだ」
と一気に伝えた。
そのあまりの必死さにリリアナもようやくウィリアムが本当は自分のことが好きなのだと理解する。
が、それはそれ、これはこれ。
今までのウィリアムの塩対応に周りの噂。
これ以上それが続くのは耐えられない。
そこでリリアナは新たな提案をすることにした。
「ウィリアム殿下のお気持ちは分かりました。でしたらせめて噂の払拭だけはしていただきたく思います」
と。
リリアナはウィリアムの塩対応よりも噂と蔑みや憐れみの視線が辛かったのだ。
「分かった」
ウィリアムはその提案を飲んだのだのだった。
そこから始まったウィリアムの溺愛は皆が目を見張るものがあった。
リリアナを褒め愛を囁くのは勿論。
可能な限りどこに行くにもリリアナを伴った。
こうして噂は払拭され塩対応だったウィリアムは王国一の愛妻家となりリリアナは幸せ一杯の人生を過ごすことになったのだった。
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