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57 セナルカ王国
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派遣大使のジョシュ・ホールドを連れて冒険者ギルド本部に跳び、ギルド本部の馬車にてセナルカの王城に送り届けた。
猶予は10日後、それ迄に返事をギルド本部役員のクルフに渡せと告げた。
その際クルフのぼやきが聞こえたが、何か有れば敵は取ってやるから好きにしろと応援?しておく。
お前って相変わらずだな、とドルーザさんの声が追い撃ちをかけてくる。
* * * * * * * *
ナガキダンジョンの片付けも終わり、冒険者達の魔石争奪戦がお祭騒ぎで行われたと摺り板版が大々的に報じた。
先ず討伐戦に参加した冒険者達が合図と共に第一防壁からダンジョン入口に駆けだし中に飛び込むと奥に向かって走り周囲に散らばる魔石を手当たり次第に拾って行く。
十分後にはナガキ冒険者ギルドに居る冒険者達も、合図と共にダンジョンに向かって殺到する。
討伐戦終了後ダンジョン内部に向かって、テレンザ王国魔法部隊が何度も魔法の一斉攻撃を行い、入口付近を安全な様にしていたので出来た事だ。
テレンザ王国魔法部隊は、冒険者達の稼ぎを横取りする気は無い。
ダンジョンから溢れた魔物を倒し、死骸を片付けて魔石を回収するが、ダンジョン内部は放置して冒険者達に解放したと報じている。
それは魔石争奪戦の内容を生き生きと伝えて、一攫千金の様子を面白おかしく綴っている。
金貨十枚以上を争奪戦に参加して手にした冒険者は実名で報じられ、嘘偽りで無いことを臭わせている。
それとは別に金貨五枚以上を手にした冒険者を日付と実名で書き、同時にナガキダンジョンのスタンピード防衛の生々しさと、その闘いの様子を詳しく報じていた。
魔石争奪戦の様子、一攫千金を成した者の実名とその時どうやって魔石や貴金属宝石等を手に入れたのか。
ナガキダンジョン防衛戦に続けて報じられる、冒険者達の物語に人々は心踊らせ摺り板版の発行を待ちわびた。
テレンザ王国とヤマト公国で同時に発行される、ナガキダンジョン物語は刊行を重ねて、一大叙事詩として人気を博していた。
成功も失敗も隠すことなく綴られ、雄々しく魔物に立ち向かい、時には悲しみのうちに死を迎える冒険者達の物語は、フルミナの世界では初めて庶民が手にする物語となっていた。
* * * * * * * *
「セルーシャ殿、これは不味いのではありませんか」
「何故です? 貴族が不正を働き、国王陛下がそれを暴いて罪を糾弾して処罰する。それで領民達が助かる。陛下が常に領民達の生活に心を砕き、見守っていると伝えていますが」
「嫌々、貴族が国法に背き処罰される等と、民に知らせるべきでは有りません。各地の領主の権威に・・・」
「お前は何を言っている」
「これはアルホーク様、貴族の尊厳は守らねば為りません。貴族が軽んじられれば統治は出来ません。それは王国の安定にも」
「お前は、貴族が罪を犯した事が無いと申すのか。反乱を企てた者はいないとでも。愚鈍で領民を苦しめたり、無頼を働いた者はいないと思っているのか」
「いえそうでは有りません、民に知らせるべきではなく」
「よい、お前はこの任には不向きの様だ」
「アルホーク様、それは」
「貴族の不正や愚鈍な輩の事なんぞ、摺り板版が出来る前から皆知っている事だ。愚かな貴族の権威に頭を下げるが、誰も敬っていないぞ。セルーシャ殿が知らせようとしているのは、テレンザ王国では貴族の座に相応しく無い輩を、国王陛下が目を光らせ見張っている。民の為にならぬと知れば、降格したり処罰して、領民の安らかなる生活を願っていると知らしめる事だ。お前はエトナの下に出頭して沙汰を待て」
セルーシャに鋭い視線を投げかけ、唇を噛んで下がる男の目には狂気に似た光を宿していた。
「セルーシャ殿、気にせず励んでくれ。ナガキダンジョン物語のお陰かナガキの村が急激な発展を遂げているし、他国からテレンザに移住して来る者も増えている」
「有り難う御座います、アルホーク様。一つ提案が御座います」
「聞こう」
「書き手を増やしとう御座います。現在ナガキダンジョン物語で手一杯なので、他の必要な事を知らせるのが遅れ気味です。街の出来事を書く者、噂や無知に依る迷信を否定し糾す者等、専門の書き手を養成したいのです。先ほどの方の様に考えが偏っていると、知らせる内容如何では領民に要らぬ悪意や偏見が生まれます」
「そうだな、文書確認にあたる者を厳選して、摺り板版関係者以外からも捜すよう陛下に言っておくよ。それにしても、摺り板版の人気が書き手に依ってこれほど変わり発行数が増え続けている。紙の製造や板を摺る者配達する者と、雇用が増え続けて人手不足になっているよ。ユーヤ様も君も先見の明が在るね」
セルーシャは微笑むだけに止めた。
何せ前世記憶で、それなりの文書が書ければ流行ると分かっている事だった。
ユーヤが庶民の教育に力を入れているのも、同じ事だと判っている。
知っていても普通はしないし出来ないが、ユーヤはそれを遣っている。
微力ながら、知りうる知識を使い協力を惜しまぬつもりだ。
* * * * * * * *
ユーヤの下に、セナルカ王国からの連絡が来たとクルフが伝えてきた。
五日後に冒険者ギルド本部に、セナルカ王国からの使者が来る事になった。
当日ギルド本部に跳び、ルーシの先導で会議室に入る。
会議室に入った正面には、如何にも高級官僚といった雰囲気の男が踏ん反り返り、後ろには紫紺のローブを羽織った男女が8人と護衛の騎士が左右に5名ずつ控えている。
ご丁寧に、左右の壁には高ランク冒険者が十数名ずつ壁を背に睨みつけてくる。
ソファーには四人の役員とドルーザさんとクルフが向かい合っている。
椅子に踏ん反り返るドルーザさんに目で問い掛けると、投げやりな答が帰って来るし、クルフは肩を竦めて笑っている。
《ルーシュ魔力を隠さなくても良いよ。攻撃してきたら遠慮なく倒して》
《任せて、ユーヤ》
ルーシュがソファーの前のテーブルに飛び乗り魔力を解放すると、紫紺のローブを羽織った男女がくぐもった悲鳴を上げて腰を抜かして座り込む。
壁を背にする冒険者の中にも、震えて立っている事が出来ずにズルズルと腰を落とす者がいる。
〈たった、助け・・・くださ・・・い〉変な声が聞こえるが華麗に無視する。
「こいつ等は、お前がギルド本部で好き勝手にしているなら、セナルカ王国も冒険者ギルド本部を好きにするんとさ。壁際に控える阿保な奴等は、金で雇われて意気がって乗り込んできたよ」
ドルーザさんの、嘲笑う様な投げやりな声を聞きながら居並ぶ冒険者や護衛の騎士達を見回す。
ルーシュは魔力の解放だけで無く殺気を飛ばして誰一人身動き出来ない様に押さえていた。
気にしてないのは、クルフとドルーザさんだけだ。
魔力を感じない冒険者達も、殺気は感知出来るので圧倒的な威圧に冷や汗を流して震えている。
護衛の騎士達も同じだが、腰のロングソードに手をかけたはよいが、抜けば死ぬと理解して凍りついている。
「表にも、セナルカ王国騎士団の精鋭200人が警備、と言って取り囲んでいるぞ」
窓を開けて周囲を見回すと、騎士達が整然と冒険者ギルドを取り囲んでいる。
閃光と同時に〈ドーンパリパリ〉と音がして建物が揺れる。
頭を抱えて座り込む冒険者や呆けた顔で震えている魔法使い達、騎士達も蒼白な顔で震えている。
表からは、通行人達の悲鳴が聞こえる。
クルフは天を仰いで首を振っている、ドルーザさんが目を閉じてブツブツ言ってるが、何かを罵っている様だ。
「で、お前がノコノコとギルド本部に、セナルカ王国を代表して乗り込んで来たのか」
俺の問い掛けに、正面の男は白目を剥き半開きの口から涎を垂らして失禁していた。
溜め息しか出ないし、こんな腰抜けを寄越すセナルカ王国にもだ。
猶予は10日後、それ迄に返事をギルド本部役員のクルフに渡せと告げた。
その際クルフのぼやきが聞こえたが、何か有れば敵は取ってやるから好きにしろと応援?しておく。
お前って相変わらずだな、とドルーザさんの声が追い撃ちをかけてくる。
* * * * * * * *
ナガキダンジョンの片付けも終わり、冒険者達の魔石争奪戦がお祭騒ぎで行われたと摺り板版が大々的に報じた。
先ず討伐戦に参加した冒険者達が合図と共に第一防壁からダンジョン入口に駆けだし中に飛び込むと奥に向かって走り周囲に散らばる魔石を手当たり次第に拾って行く。
十分後にはナガキ冒険者ギルドに居る冒険者達も、合図と共にダンジョンに向かって殺到する。
討伐戦終了後ダンジョン内部に向かって、テレンザ王国魔法部隊が何度も魔法の一斉攻撃を行い、入口付近を安全な様にしていたので出来た事だ。
テレンザ王国魔法部隊は、冒険者達の稼ぎを横取りする気は無い。
ダンジョンから溢れた魔物を倒し、死骸を片付けて魔石を回収するが、ダンジョン内部は放置して冒険者達に解放したと報じている。
それは魔石争奪戦の内容を生き生きと伝えて、一攫千金の様子を面白おかしく綴っている。
金貨十枚以上を争奪戦に参加して手にした冒険者は実名で報じられ、嘘偽りで無いことを臭わせている。
それとは別に金貨五枚以上を手にした冒険者を日付と実名で書き、同時にナガキダンジョンのスタンピード防衛の生々しさと、その闘いの様子を詳しく報じていた。
魔石争奪戦の様子、一攫千金を成した者の実名とその時どうやって魔石や貴金属宝石等を手に入れたのか。
ナガキダンジョン防衛戦に続けて報じられる、冒険者達の物語に人々は心踊らせ摺り板版の発行を待ちわびた。
テレンザ王国とヤマト公国で同時に発行される、ナガキダンジョン物語は刊行を重ねて、一大叙事詩として人気を博していた。
成功も失敗も隠すことなく綴られ、雄々しく魔物に立ち向かい、時には悲しみのうちに死を迎える冒険者達の物語は、フルミナの世界では初めて庶民が手にする物語となっていた。
* * * * * * * *
「セルーシャ殿、これは不味いのではありませんか」
「何故です? 貴族が不正を働き、国王陛下がそれを暴いて罪を糾弾して処罰する。それで領民達が助かる。陛下が常に領民達の生活に心を砕き、見守っていると伝えていますが」
「嫌々、貴族が国法に背き処罰される等と、民に知らせるべきでは有りません。各地の領主の権威に・・・」
「お前は何を言っている」
「これはアルホーク様、貴族の尊厳は守らねば為りません。貴族が軽んじられれば統治は出来ません。それは王国の安定にも」
「お前は、貴族が罪を犯した事が無いと申すのか。反乱を企てた者はいないとでも。愚鈍で領民を苦しめたり、無頼を働いた者はいないと思っているのか」
「いえそうでは有りません、民に知らせるべきではなく」
「よい、お前はこの任には不向きの様だ」
「アルホーク様、それは」
「貴族の不正や愚鈍な輩の事なんぞ、摺り板版が出来る前から皆知っている事だ。愚かな貴族の権威に頭を下げるが、誰も敬っていないぞ。セルーシャ殿が知らせようとしているのは、テレンザ王国では貴族の座に相応しく無い輩を、国王陛下が目を光らせ見張っている。民の為にならぬと知れば、降格したり処罰して、領民の安らかなる生活を願っていると知らしめる事だ。お前はエトナの下に出頭して沙汰を待て」
セルーシャに鋭い視線を投げかけ、唇を噛んで下がる男の目には狂気に似た光を宿していた。
「セルーシャ殿、気にせず励んでくれ。ナガキダンジョン物語のお陰かナガキの村が急激な発展を遂げているし、他国からテレンザに移住して来る者も増えている」
「有り難う御座います、アルホーク様。一つ提案が御座います」
「聞こう」
「書き手を増やしとう御座います。現在ナガキダンジョン物語で手一杯なので、他の必要な事を知らせるのが遅れ気味です。街の出来事を書く者、噂や無知に依る迷信を否定し糾す者等、専門の書き手を養成したいのです。先ほどの方の様に考えが偏っていると、知らせる内容如何では領民に要らぬ悪意や偏見が生まれます」
「そうだな、文書確認にあたる者を厳選して、摺り板版関係者以外からも捜すよう陛下に言っておくよ。それにしても、摺り板版の人気が書き手に依ってこれほど変わり発行数が増え続けている。紙の製造や板を摺る者配達する者と、雇用が増え続けて人手不足になっているよ。ユーヤ様も君も先見の明が在るね」
セルーシャは微笑むだけに止めた。
何せ前世記憶で、それなりの文書が書ければ流行ると分かっている事だった。
ユーヤが庶民の教育に力を入れているのも、同じ事だと判っている。
知っていても普通はしないし出来ないが、ユーヤはそれを遣っている。
微力ながら、知りうる知識を使い協力を惜しまぬつもりだ。
* * * * * * * *
ユーヤの下に、セナルカ王国からの連絡が来たとクルフが伝えてきた。
五日後に冒険者ギルド本部に、セナルカ王国からの使者が来る事になった。
当日ギルド本部に跳び、ルーシの先導で会議室に入る。
会議室に入った正面には、如何にも高級官僚といった雰囲気の男が踏ん反り返り、後ろには紫紺のローブを羽織った男女が8人と護衛の騎士が左右に5名ずつ控えている。
ご丁寧に、左右の壁には高ランク冒険者が十数名ずつ壁を背に睨みつけてくる。
ソファーには四人の役員とドルーザさんとクルフが向かい合っている。
椅子に踏ん反り返るドルーザさんに目で問い掛けると、投げやりな答が帰って来るし、クルフは肩を竦めて笑っている。
《ルーシュ魔力を隠さなくても良いよ。攻撃してきたら遠慮なく倒して》
《任せて、ユーヤ》
ルーシュがソファーの前のテーブルに飛び乗り魔力を解放すると、紫紺のローブを羽織った男女がくぐもった悲鳴を上げて腰を抜かして座り込む。
壁を背にする冒険者の中にも、震えて立っている事が出来ずにズルズルと腰を落とす者がいる。
〈たった、助け・・・くださ・・・い〉変な声が聞こえるが華麗に無視する。
「こいつ等は、お前がギルド本部で好き勝手にしているなら、セナルカ王国も冒険者ギルド本部を好きにするんとさ。壁際に控える阿保な奴等は、金で雇われて意気がって乗り込んできたよ」
ドルーザさんの、嘲笑う様な投げやりな声を聞きながら居並ぶ冒険者や護衛の騎士達を見回す。
ルーシュは魔力の解放だけで無く殺気を飛ばして誰一人身動き出来ない様に押さえていた。
気にしてないのは、クルフとドルーザさんだけだ。
魔力を感じない冒険者達も、殺気は感知出来るので圧倒的な威圧に冷や汗を流して震えている。
護衛の騎士達も同じだが、腰のロングソードに手をかけたはよいが、抜けば死ぬと理解して凍りついている。
「表にも、セナルカ王国騎士団の精鋭200人が警備、と言って取り囲んでいるぞ」
窓を開けて周囲を見回すと、騎士達が整然と冒険者ギルドを取り囲んでいる。
閃光と同時に〈ドーンパリパリ〉と音がして建物が揺れる。
頭を抱えて座り込む冒険者や呆けた顔で震えている魔法使い達、騎士達も蒼白な顔で震えている。
表からは、通行人達の悲鳴が聞こえる。
クルフは天を仰いで首を振っている、ドルーザさんが目を閉じてブツブツ言ってるが、何かを罵っている様だ。
「で、お前がノコノコとギルド本部に、セナルカ王国を代表して乗り込んで来たのか」
俺の問い掛けに、正面の男は白目を剥き半開きの口から涎を垂らして失禁していた。
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