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女神の真実
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この剣と魔法の世界は、とある一人の神によって作り上げられた。神に作られたその惑星は意思を有し、己を創り上げた神のために豊かな生命を誕生させていった。
代表例で言えば、人類である。世界が作り上げたその生命体は、神と似通った姿に作ったがために神に気に入られ、『スキル』や『権能』といった、身の丈に合わない力を与えられた。
だが、そのせいで人類の歴史は狂っていった。曰く、戦争を繰り返す。曰く、他の生物を絶滅させるなどの暴挙。
挙句の果てには魔族と戦争を起こし、魔法の力まで手に入れた。そのあまりの強欲っぷりに神はこの世界を見捨てた。
世界は意思を持っている。だが、己に出来るのは自然や生態系を崩さずに、可能な限り維持するだけ。それもいつかままならなくなり、世界は終わってしまう。
そう思われた矢先のことだった。
「なら、私がこの世界を貰い受けよう」
どこからともなく現れた純白のドレスに身を包んだ黒髪の女神が、世界に手を差し伸べた。
「ただし、あなたを生かす代わりに、私はあなたを飽きるまで使い潰すわ」
その意味を理解するのに、世界は何千年という時間を要した。
女神による統治によって、歴史は以前よりさらに歪められた。
異世界人の存在、魔王と勇者の戦い、おもしろ半分に特別なスキルを一般人に分け与えたり……。
その結果どうだろう?定期的に戦争を繰り返し、天使と悪魔の間には憎しみが残り続けた。
悪魔を収容するための、新たな亜空間が天使によって作り出された際も放置。そして、天使は女神の部下となり天界で暮らすことになる。
天使と悪魔が世界から消えた結果、少しの間だけ平穏な世界が続いた。
「つまらないわ」
女神はそんな世界に飽き始めていた。
「何か面白くなる方法はあるかしら?」
自分の手中に収めた世界を眺めながら、そう思案する。
「そうだ♪」
女神は、何を思ったか亜空間の封印を解除したのだ。その結果、亜空間の厳しい環境の中で生き残った上位個体は統率の取れた行動で、世界に侵攻を始めた。
「あなたがつまらない『自分』を望むのならそれでいいけど、その時は『おもちゃ』が一つ減るだけよ」
世界はその時になって気づいたのだ。
『自分は弄ばれていた』のだと。
最初から救ってくれる気などなかった。世界が破滅するまで遊ばれて終わる運命だったのだと。
だったら、女神に対してどうにか対抗するしかない。
この世界に生きる選ばれた強者、女神に対抗しうる可能性がある者に自分の言葉を届けたい。
世界は『言葉を紡ぐ者』を創り、『世界の言葉』というスキルを世に取り入れた。
選ばれたのはたった数人。
それでも、希望はまだある。
女神に悟られないためにも、悪魔の侵攻を阻害するわけには行かない。
どうか選ばれた者たちよ……死なないでくれ。
♦️
《レベル1の権限で話せるのはここまでです》
「うん、話飛躍しすぎじゃない?」
世界が意思を持って、悪い女神を倒そう!そのためにはこの世に生きる強い人を集めないと!ってことだよね。
《その通りです》
「待って?今の話通りで行くと、私その一人に選ばれてない?」
《その通りです》
「マジかよ!?って、ちょっと待って?」
確か世界がどうって似たような話をどっかで聞いたことがある気がする……。
『あなたが世界を救えるかどうか』
そのセリフを聞かされたのはつい最近だ。森の中で出会った変態魔術師……いや、自称賢者がそんなことを言っていた。
「ねえ、ちょっと聞きたいのだけど……奇抜な格好をした女魔術師を知らない?」
《検索範囲が広すぎます》
「じゃあ、もしかしたらだけど……私と同じ『世界の言葉』を持っている女魔術師はいる?」
と、聞いてみる。まあ、何となく予想はついていたが……。
《大賢者マレスティーナがそれに該当します》
「いたー!しかも私が愛読していた作者じゃんかー!」
私が幼い頃愛読していた本の製作者。
時には勇者と一緒に戦ったりもしたらしいが……現在では行方不明になっている神出鬼没の人。
「あの人がそうだったのか……」
《個体名マレスティーナの年齢は924歳。得意魔法は時空間魔法と結界魔法。『物理攻撃無効』と『魔法攻撃無効』の結界による防御と、時空間魔法による時空間の歪みを利用して戦う戦闘スタイルです》
「あー……何それ無敵?」
防御完璧やん……しかも年齢幾つって言った?924?
聖戦が起きたあたりから生きてるやん……。何ならエルフの森であった王よりも長生きやん……。
「それで、もしかして私も世界のために戦わないといけない感じ?」
《その通りです》
「もちろんマレスティーナの他にもいるんだよね、仲間?」
《おりました》
ん?待って嫌な予感がするぞ?
《他に二名ほどおりましたが、一人は死亡。もう一人は狂ってしまいました》
「ってことは、実質的には私とマレスティーナだけ?」
《いいえ、封印が解除されれば強力な味方になるであろう人物や、改心すればかなりの戦闘力を期待できる人物などがおります。個体名マレスティーナは現在『世界の言葉』をもつにふさわしいものを探して彷徨っています》
何らかの事情によって味方になれていない人物が他にもいる……そして、マレスティーナがそういう人たちを探しているってことは……
「マレスティーナは自分じゃ女神に勝てないと判断したってわけね?」
《個体名マレスティーナは確かに神に近しい力を持っていますが、所詮はそれだけです。本物の神の前においては、大きいも小さいも変わらない。女神に並ばない限り、全てが等しく同じ価値です》
ごみってか?
「私はこれからどうすればいいの?」
《新たな候補を探して、心の闇を取り払ってください。その時、その人物は強力な味方になるでしょう》
「私が生きている間に終わるかなー?」
あと、私半世紀くらいしか生きれないと思うけど……。
《半世紀?何かの冗談でしょうか?》
「え?」
《個体名ベアトリスの寿命はおおよそ数百年先です》
「は?」
《長寿である吸血鬼、魔族の加護……そして、不老不死の大精霊の加護を得ているのです。命に関わる重症ですら自然治癒が可能、病気も罹らない身体へと変化済みです》
何だよその化け物!
確かに思い当たる節しかないけどさあ!
《個体名マレスティーナのように長い時を修行すれば、半神の域に達するでしょう》
「なりたくないわ!」
一人で虚空に向かって叫ぶのも疲れてきた……。
だが、一つ忘れていた重要なことがある。
「はあ……私が……操られていたって本当?」
代表例で言えば、人類である。世界が作り上げたその生命体は、神と似通った姿に作ったがために神に気に入られ、『スキル』や『権能』といった、身の丈に合わない力を与えられた。
だが、そのせいで人類の歴史は狂っていった。曰く、戦争を繰り返す。曰く、他の生物を絶滅させるなどの暴挙。
挙句の果てには魔族と戦争を起こし、魔法の力まで手に入れた。そのあまりの強欲っぷりに神はこの世界を見捨てた。
世界は意思を持っている。だが、己に出来るのは自然や生態系を崩さずに、可能な限り維持するだけ。それもいつかままならなくなり、世界は終わってしまう。
そう思われた矢先のことだった。
「なら、私がこの世界を貰い受けよう」
どこからともなく現れた純白のドレスに身を包んだ黒髪の女神が、世界に手を差し伸べた。
「ただし、あなたを生かす代わりに、私はあなたを飽きるまで使い潰すわ」
その意味を理解するのに、世界は何千年という時間を要した。
女神による統治によって、歴史は以前よりさらに歪められた。
異世界人の存在、魔王と勇者の戦い、おもしろ半分に特別なスキルを一般人に分け与えたり……。
その結果どうだろう?定期的に戦争を繰り返し、天使と悪魔の間には憎しみが残り続けた。
悪魔を収容するための、新たな亜空間が天使によって作り出された際も放置。そして、天使は女神の部下となり天界で暮らすことになる。
天使と悪魔が世界から消えた結果、少しの間だけ平穏な世界が続いた。
「つまらないわ」
女神はそんな世界に飽き始めていた。
「何か面白くなる方法はあるかしら?」
自分の手中に収めた世界を眺めながら、そう思案する。
「そうだ♪」
女神は、何を思ったか亜空間の封印を解除したのだ。その結果、亜空間の厳しい環境の中で生き残った上位個体は統率の取れた行動で、世界に侵攻を始めた。
「あなたがつまらない『自分』を望むのならそれでいいけど、その時は『おもちゃ』が一つ減るだけよ」
世界はその時になって気づいたのだ。
『自分は弄ばれていた』のだと。
最初から救ってくれる気などなかった。世界が破滅するまで遊ばれて終わる運命だったのだと。
だったら、女神に対してどうにか対抗するしかない。
この世界に生きる選ばれた強者、女神に対抗しうる可能性がある者に自分の言葉を届けたい。
世界は『言葉を紡ぐ者』を創り、『世界の言葉』というスキルを世に取り入れた。
選ばれたのはたった数人。
それでも、希望はまだある。
女神に悟られないためにも、悪魔の侵攻を阻害するわけには行かない。
どうか選ばれた者たちよ……死なないでくれ。
♦️
《レベル1の権限で話せるのはここまでです》
「うん、話飛躍しすぎじゃない?」
世界が意思を持って、悪い女神を倒そう!そのためにはこの世に生きる強い人を集めないと!ってことだよね。
《その通りです》
「待って?今の話通りで行くと、私その一人に選ばれてない?」
《その通りです》
「マジかよ!?って、ちょっと待って?」
確か世界がどうって似たような話をどっかで聞いたことがある気がする……。
『あなたが世界を救えるかどうか』
そのセリフを聞かされたのはつい最近だ。森の中で出会った変態魔術師……いや、自称賢者がそんなことを言っていた。
「ねえ、ちょっと聞きたいのだけど……奇抜な格好をした女魔術師を知らない?」
《検索範囲が広すぎます》
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と、聞いてみる。まあ、何となく予想はついていたが……。
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「あの人がそうだったのか……」
《個体名マレスティーナの年齢は924歳。得意魔法は時空間魔法と結界魔法。『物理攻撃無効』と『魔法攻撃無効』の結界による防御と、時空間魔法による時空間の歪みを利用して戦う戦闘スタイルです》
「あー……何それ無敵?」
防御完璧やん……しかも年齢幾つって言った?924?
聖戦が起きたあたりから生きてるやん……。何ならエルフの森であった王よりも長生きやん……。
「それで、もしかして私も世界のために戦わないといけない感じ?」
《その通りです》
「もちろんマレスティーナの他にもいるんだよね、仲間?」
《おりました》
ん?待って嫌な予感がするぞ?
《他に二名ほどおりましたが、一人は死亡。もう一人は狂ってしまいました》
「ってことは、実質的には私とマレスティーナだけ?」
《いいえ、封印が解除されれば強力な味方になるであろう人物や、改心すればかなりの戦闘力を期待できる人物などがおります。個体名マレスティーナは現在『世界の言葉』をもつにふさわしいものを探して彷徨っています》
何らかの事情によって味方になれていない人物が他にもいる……そして、マレスティーナがそういう人たちを探しているってことは……
「マレスティーナは自分じゃ女神に勝てないと判断したってわけね?」
《個体名マレスティーナは確かに神に近しい力を持っていますが、所詮はそれだけです。本物の神の前においては、大きいも小さいも変わらない。女神に並ばない限り、全てが等しく同じ価値です》
ごみってか?
「私はこれからどうすればいいの?」
《新たな候補を探して、心の闇を取り払ってください。その時、その人物は強力な味方になるでしょう》
「私が生きている間に終わるかなー?」
あと、私半世紀くらいしか生きれないと思うけど……。
《半世紀?何かの冗談でしょうか?》
「え?」
《個体名ベアトリスの寿命はおおよそ数百年先です》
「は?」
《長寿である吸血鬼、魔族の加護……そして、不老不死の大精霊の加護を得ているのです。命に関わる重症ですら自然治癒が可能、病気も罹らない身体へと変化済みです》
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確かに思い当たる節しかないけどさあ!
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